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オイナカムイ伝  作者: 日川文月
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閑話2 ニセコリゾート

「「うきゃきゃ~」」

「お、おい、まずは体を洗え」

「兄様はエッチだし~」

「そうそう」

「・・・エッチって」

「和言葉だよね」

「う、うう~」


みんなが温泉を楽しむようになって、ニセコのユ(温泉)には、作業場とは離れた場所に岩を組み合わせ、男女別の露天風呂を作った。

源泉から湯道を引っ張って、柱を立てて屋根も葺いて、脱衣場も作った。

隣には大きなスマチセも建てた。


「あ、あの、あたし達も使って良いの?」

「はいな、ここは誰でも使って良いのよ。

気にしないで・・・あ、男どもは隣へよ」

「こんな立派なチセも見たこと無いわ」

「ここだったら冬でも来られるでしょ」

「ええ、サケを捕った後でも来られるわね」


妹達と露天風呂でパシャパシャ遊んでいた貴丸はあせって湯に浸かった。


「あ~エッチな顔だ~」

「だ~」

「こ、これは」

「イシカルンの人たちよ、作業が終わったみたい」

「うわあ、ちゃんと石を組んでてすてき」

「ユの加減もちょうどいいわ」

「あらあら、ちゃんと体を洗ってから入るのよ」

「「「は、はいはい」」」


みんなぼよんぼよん、若い娘達だ。


「は、ハポ~」

「なあに?」

「男の方は?」

「知らないわよ、覗かれないようにしたのは、タカマルでしょ」

「ううう」

「それに、たぶん、ヘベレケ?」

「あう~」


作業小屋は数軒ほどあって、雑魚寝をしている。

スマチセでは細長い囲炉裏に3ヶ所の雁木を組み、壁際奥は簾で区切ってある。

食料を出しあって料理、鍋を囲んだ。

男達はすでに酒を酌み交わしていてヨコチンの奴もいた。


「ううう、修羅場だ~~」

「サケはほどほどが良いな・・・酷い・・・三吉や、はみ出てるぞ」

「っふあ~」

「「「ガハハハ」」」


石鹸シャンプーでみんな艶々、特に女達は喜んでいた。


「もう一軒建てないとあかんかな」

「そやな~、作業場も酷いでな~」

「酒持ってくるのめんどくさいからここで作った方がいいよな~」

「お、それなら手伝うぞ」

「おれもだ、もっと、スマチセも建ててくれ」

「「「「おお~~」」」」


その後、イシカルンやヨイチのコタンも加わりニセコは一大リゾートに発展、有名になっていった。

元亀2年(1571年)の頃には、数十人が住み着き、コタンになった。

宿泊料金(物納)も決まった宿泊施設も数軒、大食堂や大宴会場も建てられている。

寝てたら地震で飛び起きたでござる。

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