表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オイナカムイ伝  作者: 日川文月
14/100

第14話 メシテロ(2)

「殿様、こちらに」

「なんじゃ、このざまは?」

「アイヌ風の夕飯なんやて」

「ほう」

「奇妙様が肉食に興味があってこうなったんや」

「おい、儂のせいにするな」

「ええやん、家族で鍋を囲むのがあたりまえなんやで。

上座に家長夫婦が並ぶのはいっしょやな」

「であるか」

「ささ、始めましょ」

「じゃあ、肉と野菜を煮込んでいきますわ」

「作りながら食べるのか」

「そういうときもあるんや、こっちは唐揚げや」

「唐とは大陸の料理か?」

「そうや王寧に習ったかな、てへへ、熱いよって気をつけてや」

「と、殿、毒味を・・・」


「へ?」

「アイヌ人は毒味をしないようだのう、だからだまされるんじゃ」

「あ~~そうか」

「さっき、つまみ食いしたし」

「であるか、うん・・・ほうう、肉汁が・・・はふはふ」

「さあ、みんな、箸をつけなさい」

「「「「はあい・・・うみゃい~~~」」」」


(もう一人の美人が側室かな、子供はわからんわ)


「あ、そろそろ、殿様からよそいますわ」

「野菜や肉を煮込んで食すのか」

「はい、このつけ汁で食べてや」

「お、おう」

「お方様もどうぞ」

「おありがとう、貴丸は?」

「ワイは後でええの、こうやって鍋の差配するのが鍋奉行やで」


「「「「鍋奉行?」」」」

「アハハ、和人のえらい人やろ」

「それは面白いのう、そちを鍋奉行に命ず」

「はは~~」

「「「「アハハハ」」」」

「「旨い~」」

「うむ、このつけ汁で味が引き立つな」

「奉行様、よそって」

「はいはい」

「おかわり~」

「はいはい」

「儂にも」

「奇妙様は唐揚げも焼き鳥も食いすぎやろ」

「旨いから仕方なかろう、はよう」

「はいはい」


「鹿肉でもやるのか?」

「そうやな、蝦夷にはこのような野菜はないんやけど、山菜を入れ、醤油もないよってつけ汁は使わん、今日は特別や」

「それでは塩気が足るまい」

「アイヌ人は塩気をとらん、寒い気候に馴れて汗をかかんからかもしれんわ」

「であるか」

「京の料理は物足りないというんやが、わいらにはまだ塩っぽく感じとるわ」

「そうか?」

「今日の料理やけど塩はほとんどつかってまへんで」

「物足りないどころではないわ、だいぶ食が進むわ」


確かに信長は何度もおかわりを要求していた。

健康のためには良い。


「おいしくてくるちい~~」

「アハハ、楽しいやろ」

「うん、父上と一緒に食べれてうれちいわ~」

「そうか、よしよし」

「えへへ」

「そろそろ、メシを入れますわ」

「え?」

「残り汁に炊いた飯を入れて雑炊にするんよ」

「ほう」


信長もお方様達も子供達もガツガツ食べて、帯を緩め満足したのだった。


「貴丸は雑炊は食わんの?」

「ワイは食べ慣れんわ、なんか緩くなるんや」

「何が?」

「尻から出る奴や」

「やだ!」

「聞くからあかんの」

「「「「アハハハ」」」」


その後、城下にも鍋や唐揚げ焼き鳥が広がり流行になったらしい。

信長公の食生活も改善されたようだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ