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お待たせしてごめんなさい!

 


 まあ、お兄様のことは追い追い何とかすることにして、取りあえず厨房に行こうと思う。



 アイザック先生は宿題を出してお帰りになられたが、宿題と言っても教本の予習・復習である。

 初めということで量も少ないし、先に厨房で明日のおやつのリクエストをしてからでも問題ないはず。


 どうしても卵多めのスポンジに甘さ控えめのふんわりした生クリームの乗った苺のショートケーキが食べたいのだ。

 ああ、想像したら余計に食べたくなってきた。

 苺がないならショートケーキじゃなくてミルクレープでもいい。

 薄く焼いたクレープ生地を冷まして間にカスタードクリームと生クリームを合わせたクリームを挟むのだ。



 ダメだ。想像するとなんでも食べたくなる。

 私の想像が美味しそう過ぎて辛い。



「お嬢様?こんなところで何をなさってるんですか?」


 厨房のある地下へ続く廊下を歩いると、ふとメイドが声をかけてきた。


 そういえば、お兄様やお母様が厨房へ入ったりしている姿を見たことがない。

 もしかしたら厨房は、使用人以外入っちゃいけない場所だったりするのかもしれない。

 とりあえず、一旦メイドの対応で様子見かな。


「あら、厨房を見てみたいと思ったのだけどいけなかったかしら?」


 一応、堂々とした態度で話してはいるけど中身は成り代わった私だから変な所でボロが出ないかドキドキしちゃう。

 ルビアちゃんの記憶がないわけじゃないけど、成り代わった代償なのかちょっとあやふやな所もあるから変なことしてないか心配になっちゃうんだよね。


「厨房ですか?そのような所はお嬢様が出入りなさるような場所ではございませんよ?それに、奥様がお知りになったらきっとお嬢様もお叱りを受けてしまわれますわ・・・」


「そうですか・・・」


 明日のおやつはすっかりショートケーキかミルクレープの気分だったから、ちょっとテンションが下がってしまう。

 でも、メイドの彼女は、私が厨房に入ろうとしたのも子どもの好奇心だと思って仕方ないなって顔で笑って内緒にしてくれるって言ってた。


 ここで無理やり行動して変に目立つよりはしばらくは我慢していつかタイミングが来た時に存分に楽しんだ方がきっといい。

 それでいつか、私のこだわりのスイーツで救済後にお疲れ様会をするのだ。

 おそらく1人でのお疲れ様会になるだろうけど仕方ない。


 小説では内乱や隣国との戦争になる可能性が出ていたし、実際に小説の最後のほうで起きた戦争でタクト様は死んでしまうのだ。

 タクト様の救済が出来たとしても、お父様が貴族社会でしくじって私達だけ貴族社会で生きていけなくなってしまうかもしれないし、戦争の混乱の中逃げまどい見知らぬ土地で1人はぐれてしまう可能性がないわけでもないのだ。



 考えれば考えるほど悪い方への想像が止まらなくなるけど、私の目的はタクト様の救済。

 それが終わったら、お菓子屋さんでもして最推しであるタクト様の幸せを遠くから見守るのだ。


 スイーツへの欲望は一旦置いておいて、救済に必要なことを考えた。


 とりあえず、勉強とマナーは必須だ。

 だって原作のルビアちゃんは表向きは優しく聡明な聖女のような帝国貴族のお嬢様なのである。

 貴族社会を上手く生き抜く為にも、救済するために原作にある程度忠実でいるためにも皆に認めてもらえるようなお嬢様でいなければいけない。


 次は護身術。

 ただ、これはあまり期待できない。

 貴族のお嬢様が武術を習うことに肯定的な家は少ないのだ。

 当然、お母様をはじめ我が家も否定的である。

 仕方がないから、当面は体力づくりもかねたストレッチと前世でやってたキックボクシングの練習でしのぐことにする。


 最後が重大で、原作の流れをある程度書き留めておかなければいけない。

 私は記憶力があまり良くないのだ。

 うっかり重大なイベントを忘れて救済失敗なんて冗談じゃない。



 とりあえず、まずは原作の流れのカンぺノート作成から取り組んでいくことにする。


 カンペノートに使う言語はもう決めている。

 日本語だ。

 幸いにも、この国の文字は日本語とは別の文字だし前に遊びに行った図書室にあった本の中にも見た感じは日本語はなかった。


 それに、日本語は漢字、ひらがな、カタカナの3つが使用されいてアメリカの国務省の外国語習得難易度ランキングに世界でただ1つの最高難易度、カテゴリー5+とされている言語なのだ。

 そこに若者言葉なんかも混ぜて書いていけば、万が一見られたとしても解読し中身を理解するのは用意ではない。


 日本語のサンプルが無いこの国で、私のカンペノートを正確に理解できるのは実質私だけということになる。


 しかし、このカンペノート最大の問題は隠し場所だ。

 男子高校生がエロ本隠すのとはワケが違う。


 そもそも、隠すものがエロ本と未来の出来事のカンペノートでは全く違うし、ベッドの下みたいな王道所の隠し場所はメイドが掃除した時に発見する可能性が高い。

 読めるわけがないとわかってはいても出来る限りこのノートは隠し通したい。



 取りあえずはベッド横のサイドテーブルの鍵のかかる引き出しに入れてい置いたけど、もっと自然で見つかりにくい隠し場所はないのだろうか。

読んでくれてありがとうございます!


リアルが忙しいので、今年度中はバタバタしてますが、来年度までに書き溜めて出来れば来年度は週に2話ずつ位は更新したいと思っているので暇なときにでも読んでいただければ嬉しいです。

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