兄と妹、そして
お兄ちゃんがスカイさんに連れられて私のもとに来たあと、私はお兄ちゃんと二人っきりで話をしました。
その話の中で、お兄ちゃんがなんで私をおいていってしまったのかがわかりました。それは全て、私が原因だったのです。
五歳のあの日、私が森で影響を受けて倒れてしまったから。そんな私を助けようとして、お兄ちゃんが代わりに影響を請け負ってくれたから。
そのせいでお兄ちゃんは十六になったらお城を出て、師匠という人の手伝いをしなければならず、請け負ってくれた影響は体が武器になってしまうという形で影響が出てしまいました。
今はそれを制御できるらしいので、そこは良かったと思います。
今はとにかく、お兄ちゃんと再会できて嬉しいです……が、まだこの間私に起こった影響はまだ、残っているのです。
私は影響というものを詳しくは知りません。だから怖いのです。何をしでかすのか……。
「ごめんね、寂しい思いをさせてしまって……」
「っ!お兄ちゃんがそんな顔する必要はないよ……。だって……だって!」
私のせいだもの!
そう、お兄ちゃんが私の代わりに影響を請け負ってくれてしまったから。
全ては自分の責任じゃあないですか、全てが!
お兄ちゃんはそうじゃないと言ってくれますが、どう誰が考えても私の責任と言うに決まっています。
ニカさんだって、スカイさんだって、お父さんだって……みんなそういうのです……!
「コア……」
違うの、お兄ちゃんにそんな顔をさせたいわけじゃないです。私のわがままでスカイさんが、わざわざ探し出して連れてきてくれたのに……。
「ちょっといい?」
ドアがノックされました。この声はスカイさんです。
なんでしょう……私を責めに来たの?……いえ、スカイさんはそんな人ではないです。いい人なんです。
疑ってしまってはいけない……。
「ど、どうぞ……」
「兄妹で話中になんか悪いな……」
苦笑いをしながら部屋にスカイさんは入ってきました。
「師匠という人物について、少し聞きたくて……。なぁ、カイル。その少年は……」
「師匠ですか?」
お兄ちゃんの話に出てくる、私を助ける手助けをしてくれた人。スカイさんの知り合いですかね?
スカイさんはその師匠と言う人物の存在にすがりつく、といいますか……その人の存在を少しでも知りたいようでした。
少し前の私のように。
「どんな外見だった?」
「外見、ですか。赤い瞳に、綺麗な銀髪。男から見てもかっこいいと思えるような人ですね」
「……そうか。やっぱり、そうなんだ……」
赤い瞳に、綺麗な銀髪。かっこいい人ですか……。
お兄ちゃんがそう評する人にあってみたいですね……。お兄ちゃんが認めるような人に。私の恩人でもあるようですし……。
スカイさんは、お兄ちゃんから師匠の外見を聞いて、焦ったような顔をしました。
「オレのせいか……?あのときオレが、おいていったから……?でも、なんでオレはおいていった?誰を?」
よくわからないことをつぶやきながら、苦しそうにしています。頭を抱えて、額にはうっすら汗が滲んでいます。
「あぁ……思い出せない、知っているのに……わからない……!」
「スカイさん!」
操り人形の操っている糸が切れたみたいにガクンとなって、スカイさんは意識を失ってしまいました……。
スカイさん、どうしてしまったんでしょう。心配です。
やはり、師匠さんが原因なのですか?それとも……スカイさんも私みたいに影響というものを受けてしまったのでしょうか。
どちらにしろ、私にできることは……。
「やっぱり、師匠が探しているスカイさんはこの人で間違いないんだ……。師匠にスカイさんは学園都市にいるって伝えないと……」
お兄ちゃしんは何か知っているようです。
「お兄ちゃん、どうしたらいいの?私はなにをしたら?」
「え、あぁ。コアは、ニカさんに部屋の準備をしてもらってくれる?あと、スカイさんのここでの知り合いがいないかを」
「うん!わかった」
急がないと、大変なことになったら……そんなことを考えている暇もありません。今はとにかくニカさんに伝えなければ……!
ニカさんのところへ駆け込んで、ニカさんに手早く事情を説明しました。
「わかったわ。部屋は、コアの隣の部屋を使って。私は知り合いの方当たって見るから、準備はよろしくね?」
「わかりました」
私の今やれることは部屋を準備すること。
◇
カイルは師匠から教えてもらった魔法"念話"をつかい、師匠と話していた。
「もしもし?」
『なに?カイル、何かあったの?』
「えぇ、ありました。師匠の探している方が見つかりました」
『そ、それは……本当?!嘘じゃない?ねぇ、本当なの?!』
師匠はカイルがスカイの件を伝えると、面と向かっていないのに狂喜している様子がわかった。
『今どこ?行くから!』
「学園都市です」
『わかった、じゃ……』
念話をきり、カイルは今は気を失っているスカイを心配そうに見て、泣きそうな顔をするのだった……。
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