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スカイの人探し―1―

 ニカさんから、SOSの使いが来たのは昨日。コアの状態が良くないということが知らされた。なんでも、魔力にまで影響が出始めてきたとか。

 それは一大事だった。仮に魔力が暴走してしまったら……。そのせいで起こるだろう被害は学園都市中に影響するだろう。

 そうなってしまっては、オレの目的が果たしづらくなってしまう。新たに情報が行き交う場所を求めて旅をするには時間がかかってしまう。

 せっかく見つけた情報の街を壊してしまうというのはオレに不利益なこととなるだろう。


 コアのあの状態はもう応急処置なんかでは意味がないだろう。魔力が暴走すると、もともと強い魔力を持つコアのことだ。命にまで影響するかもしれない。

 それだけは避けたいものだ。

 死ぬことができる人間は、寿命を全うして死ぬ以外に回避できる死因で死んではいけないのだとオレは思っている。


 あの状態を治すのに最適なのはコアの兄本人を連れてくることだ。ただ、一番難しい。

 フェーラーや、ウィルの父さんなどに頼めば見つからないことはないとは思うが、速く見つかるのか。見つかればいいが、時間がかかってしまったら……。

 しかし、やってみないことには何もわからない。


「ウィル、ちょっといいか?」

「なに?」


 ウィルを連れて、人気がない場所に行く。

 

「人探しをしてほしいんだけど……できるか?」

「人探し?いいけど、どんな人?」


 よくつるむことが多いオレとウィルだから、ウィルはそんなに警戒というものをしなかった。ウィルの父さんに叩き込まれていると思ったんだが、若さゆえの……ってやつだろうか。

 オレとしてはそれは都合がいい。


「カイル·オスフェリアという人物だ。オレは人相とか知らないんだけど、アルカナ地区らへんで、その人を探している少女がいたから人相を聞いているやつもいるかもしれない」

「父さんに聞いてみないと、正式には受けられないんだけどさ……俺の覚え間違いじゃなければその人って、オスフェリア王国の元王子様じゃない?」


 ウィルは興味を持ってくれたみたいで、カイル·オスフェリアと言う人物についてもある程度は知識があるようである。


「たぶん……。そうだと思うよ」

「一国の王子様探すとかどういうつながりだよ……。ニカさんと知り合いな時点でもう驚くことはないと思っていたのに」


 










「ウィルです」

「リーデル·スカイだ」


 アーバン家では父親の部屋に入る前に自分の名を名乗るのが決まりのようだった。

 

「入っていいぞ」


 部屋の中から入っていいとの返事が返ってきたんで、オレとウィルは部屋の中にはいる。部屋の中にはウィルの父さん一人しかいなかった。使用人は退席したようだ。

 ウィルと大剣を弄くりにこの前来たときは、この家の作業場なるとこしか入っていなかったから屋敷に入るのは初めてなんだが、結構豪勢な作りになっていた。

 この部屋は屋敷全体より厳格な作りになっていて、この部屋だけ感じるものが違う。


「君がスカイ·リーデル君か。ウィコック·アーバン、ウィルの父だ。依頼があると、ウィルに聞いたんだが……」

「あぁ、人探しだ。カイル·オスフェリアという人物を探してほしいんだ」


 高くつくかね、これは。ウィルが父さんは仕事が速い、正確がウリだって言っていたしな……。

 コアのことと天秤にかけたら、金のことなんか軽いものさ。


「じゃあ、これにわかっている情報を。これは……」


 この質感、紙から感じ取れる違和感。これには覚えがある。

 昔、仕事をするときによく使っていた。オレの請け負う仕事は当主としての仕事の他にもう一つ……なにかをやっていた。そのときに……。

 また、『忘れている』ということを思い出してしまった。忘れたことを思い出したわけじゃないんだけどな。


「契約紙だろ?そこらへんの安いやつじゃないやつ」

「知っているか。そうだ、契約紙だ」


 契約紙は契約関係が終わるまで、決して持ち主から離れることがなく、なくさない。そして、焼いたり水に入れても契約紙は新品同然の状態に戻る。

 つまり、契約破棄ができないということだ。双方の合意があればできるが、それ以外の方法では不可能なのだ。

 だから、契約を破らないという宣言を兼ねて使うのだ。


「わかった」


 オレはかける情報を書いていく。髪色とか、目の色とかその他もいろいろと。


「一国の王子様を探してくれと来たか……。まぁ、いい。探そうじゃないか」

「ありがとう」

「お代は金といきたいところなんだが……スカイ君には金の代わりに聞いてほしい話があるのだ。それでいいかい?」

「聞いてほしい……?いいが……」


 お金の代わりにねぇ……。変な話じゃなければいいんだが、聞くだけならいいか。何かを仕掛けてきたら倒して逃げることは難しくなさそうだ、聞くだけ聞いていこう。


「ウィルは席を外してくれないか?」

「は、はい」


 ウィコックはウィルに席を外すをように言った。聞かれてはまずいことなのだろう。


「スカイ君、あなたにはリーデル家からあなたを探してほしいという依頼が情報を扱うものにされている。しかし、その探してほしいという人物の情報があまりにもありえないものでね、本人に確かめたいんだが……いいかね?」


 リーデル家がオレをねぇ……。

 オレは子孫を残していないから、弟の方の血筋の人間だよな。しかも、なんで今になってそんなことをするんだか。

 四百年近くほうっておいたのに。オレがリーデル家を出ていくときも、止めなかったくせに……。


 本当に今更だな。



お読みいただきありがとうございます。

次回もよろしくお願いします。

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