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女子会―1―

予告どおり女子会です。



「エスデスちゃん、一緒に帰りまショウ」



 エスデスが帰りの準備を終える前、つまり終了のチャイムがなってすぐ。

 エスデスに声をかけたのはクラスメイトのシルフの少女、サフィニア·キルキットだった。サフィニアは自己紹介の際、自分は一族のしきたりである『子どもは成人する前に学園都市にて学んでくる』と言うものに則ってノーベラ学園を選んだと言っていた。

 シルフは成人を人間が十六歳と決めているところ、五十歳が成人としている。その訳は、シルフは精霊と言うものに属し、精霊は成長が遅く寿命が長い。シルフの十六歳など、人間の六歳くらいなのである。



「サフィニアさん、でもエスデスは兄さんと帰るのですー……」

 エスデスはサフィニアと帰るという誘いに乗りたいものの、いつも兄であるウィルと帰ることが決まりのようになっている。別に決まりというわけではないのだが、もっと幼い頃からの習慣で一緒に帰っている。エスデスもウィルもそれが嫌なわけでもないからそれが続いているのだ。



「そう、今日はクラスの女の子だけで女子会しようと思っていたんだケド……」

 エスデスの断りを受けて、サフィニアは残念そうにしていた。

 そんなサフィニアを見てエスデスは、申し訳なく感じる以上に女子会というものに対する興味がわいた。



 女子会と言うものは年上のお姉さんたちがことあるごとにしていることで、近所のお姉さんたちの話を聞いて知ってはいたがどんなものかは知らなかったのだ。

「でも、女子会も行きたいのです……」

 ウィルと帰るのかサフィニアたち女子のクラスメイトと女子会をするのか、エスデスは二つのことを天秤にかけるもなかなか決まらなかった。



「ウィルくんと帰るのか決まっているならまた今度にしとく?また誘うから、今日は……」

「エスデスと兄さんはいつでも帰れるから、今日は……」



 悩んでいる様子のエスデスに気を使ってサフィニアが口を開いたのと、エスデスがどちらにしようか天秤にかけていた二つのことのうち女子会への興味のほうに傾いて口を開いたのは同時だった。

 まさかのかぶりである。

「あ、ごめんネ……そういうことは……」

 サフィニアの顔が嬉しそうな顔になった。

 エスデスの顔も自然と笑顔になって、エスデスは改めてサフィニアに誘いの答えを言った。

「行きたいです、エスデスは女子会にいきますー!」

「うん、そうダネ!?」



 エスデスの女子会への食い付きように若干引き気味になりつつもサフィニアはエスデスを女子会に誘うことに成功した。

 早速エスデスはウィルに今日は一緒に帰れないという旨を伝えて、サフィニアのほか料亭の娘というソニア·シェルミーと入学した初日にスカイに話しかけてきた貴族の少女クレア·シティーナの三人と一緒に女子会の会場となる店へと向かうのだった。









「ソニアちゃんは、好きな人いる?」

「え、そ、それはねぇ……あぁ!何聞くの!」


 女子会のトークで定番と言えば好きな人がいるか、付き合っているのか、初恋はいつかなどという恋バナである。定番通りにクレアが切り出した。

 最初に話を振られてしまったソニアはいきなりのことですぐに答えてしまいそうになった。それはねぇ……、といった時点でいることは確実で、その人の名前などを答えるまで開放されることはないだろう。



「そう言うってことはいるんですねー?教えてくださいー」

 エスデスも遠慮せずにクレアのソニアへの聞き出しにのる。

 もともとエスデスに遠慮するという考えは存在しない。思ったことを素直に言う。それがエスデスなのだから。

「えぇ、いや、でもね、一目惚れだっただけだから……」

「誰カナー?」

 サフィニアはニヤニヤとソニアが好きな人の名前を言うのを今か今かと待っている。

 三人に早く言ったほうが楽になるよなんていう視線を向けられてソニアは一目惚れをした彼のことを思い出して赤面した。



 そんなソニアを逃すはずがなく、クレアが追い打ちをかけた。

「私達が知っている人?知らない人?」

 クレアの一言でさらにソニアの顔は赤く染まった。

 その反応はクレアたちが知っている人、共通の知り合い、つまりはクラスメイトのうちの誰かということになる。

 スカイかウィルか、それとももう一人の男子のクラスメイト。猫人族のギラ·コメットなのか。



「あああ……もぅ、言うからっ!」



「オォー」

「だれだれ?」

「兄さんですかねー?」

 エスデスは少々的外れではあるがみんなソニアがいうのを待っている。

 そしてついにソニアは好きな人の名前を言った。



「ス、スカイくん……」



「スカイさんですかー、カッコイイですもんねぇ……」

「五百数歳とか言う彼かぁ!」

「おじいちゃんカー」

 反応は三者三様だったが誰しもが納得をしていた。

「物知りな感じで、他の人とはなんか違うの。そこがいいのよ……」

「フーン……五百歳差の恋ってところカナ?」

「うふふ……。そんなサフィニアさんはどうなの?」



 ソニアは自分への質問が一度途切れたところでサフィニアに話を振った。

 サフィニアは待っていましたと言わんばかりに自信満々の態度で即答した。



「私はギラと付き合っているケド?」





女子会が終わらなかったから、きっと次回も女子会。

次回もよろしくお願いします。

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