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学園に通おう―2―

外観はレンガ建ての小さな学園だか、内部には拡張魔法が使われていて、倍近くの広さがある。

 このノーベラ学園は今日、編入試験を行う。それを受けるためにオレは今ここにいる。

 どんな試験が行われるんだろうか。学園ごとに試験の内容は違うと聞く。

 

 

「うわ、たくさんいるわー。どうしよっか、先生」

「んなこと言われてもなー……うーん」


 頭に髪飾りとして歯車をつけた女の子と、先生と呼ばれる白衣を着た男の人が天井から現れた。

 ……天井?

 この人たちが試験官のようだが、ゆるゆるじゃないか?しまりがない……。

 オレはここを選んでよかったのかとか不安になるんだが。


「とにかく、この部屋から出れたなら試験を受ける資格を与えようか。ルマくん、アレを頼むよ」

 先生はよれた白衣を直しながら、隣の女の子、ルマに指示を出す。

「はーい、わかりましたー。んじゃあ、いきますねー」

 ルマは先生から受けた指示通りに行動した。

幻影イリュージョン!」


 途端に、まわりがぼやけ始めてしばらくすると部屋がジャングルのようになっていた。魔法の効果として、視界操作の他に感覚も操作されてしまっているようだ。距離感がつかめない。

 部屋いっぱいにいたと言ってもいいほどいたオレと同じ編入希望の人たちは見当たらない。気配も感じられない。

 もしかしたら、空間がねじ曲げられていてほんの少しずついる空間がずらされているのかもしれない。


 どんな魔法の効果があろうが、こんなもの簡単に消すことができる。魔法限定だか、消去デリートという魔法が存在する。一般にはそんなに知られていない魔法ではあるが、ここで出し惜しみはしないほうがいいだろう。

「消去」


 すると、ジャングルが霧が晴れていくように消えていき、元の部屋が現れた。元の部屋にはオレを含めて数人しかいなく、編入しようとしている試験者の大半が戻ってこれていないことがわかった。


 ところで、オレは消去で出てきたが、彼らはどうやって出てきたのだろうか。オレと同じく消去を使って出てきた可能性は少ないからな。




 このあとどうしたらいいのかわからずにオレが部屋にいたままでいると、ぽつぽつとあのジャングルから出てきた人が現れてきた。

 金色の髪の青年が出てきたのを最後に、大きな音のアラームがなる。

 終了の合図だろう。

 

 アラームがなったのは終了という意味で違いなく、さっきのように天井から二人が現れた。

「ザーッと見て、五十人か。いい具合に絞り込めたね、先生」

「そうだね、規格外の子が数人いたけどね」

「うんうん。じゃあ、試験会場に案内してあげようか」

 先生とルマに先導されて、オレと数十人は試験会場がある部屋へ案内される。

 

 オレは情報系の学園だから、筆記試験かと思っていたんだが全くのハズレだった。試験会場に机と椅子が用意されているか、否。代わりに怖そうなおじさん、おにいさん達がたくさんいた。

 ここ、戦闘系の学園じゃなかったはずなんだけどなぁ……。

 試験の内容が公開されていなかったから何かあるとは思っていたけど、ここまでとは。


「知識なんてね、経験しないとつめないんだよ。でもね、経験をするには戦闘能力がなければできないんだ」

 ルマがおどけて言う。

 ルマの言葉に試験者たちは怯えた表情をしている。中には腰が抜けて座りこんでしまうものもいた。

「一人あたり一人を最低でもたおしてねー。倒せたら合格だよ!」

 ルマは道化師ピエロみたいなやつだな。ここの学生のようだから、当然なのかもしれないけど。


「スタートォ!」

 ルマの元気がいい掛け声で試験が始まる。


 試験者の数に対して相手役は半分くらいだから、半分は必ず落ちる。そして、まず戦えないものも落ちる。

 実質合格できるのは多くて十人といったところだろうか。


 早速オレにも一人相手役がかかってきた。強面なおにいさんで、小さい子が見ただけで泣き出すレベルの顔だ。

 一応、試験ということで素手だったのでオレも素手で対抗してみようと思う。

 相手役がオレに威力がありそうなストレートを打ち込んでくる。しかし、オレはそれをしゃがんで避けて代わりに顎したから強力ストレートを打ち込んでやる。

 すると、相手役はノックアウトだった。

 これでも手加減したんだけどな。




 傍から見たら集団リンチにしか見えない試験は無事とは言えないが終わった。

 その結果、合格者はオレを入れて七人だった。

 そして、合格者たちを見て考えさせられるのだ。人は見た目によらないと。

 合格者の過半数は女性で、男のほうが少ないくらいなのだ。その上、幼い子までいるものだからな。

 オレも子どもに見られるんだっけな……実はニカさんで、そう見られたのは千人目くらいだったか?悲しいものだ。


「明日から、登校してねー」

 ルマがオレたちに向かって言う。

 明日からとか何か用意しないとなんじゃないのか?だったら、短い時間でするのなんてオレは嫌だぞ。

「使うものとかは、明日配るから。君たちは書くものを持ってきてくれればいいさ」

 先生がルマの足りなかった説明を補ってくれている。

 明日は書くものだけか、それだったら心配ないな。


 明日、オレは何を得られるのだろう。


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