昔話―交換―
更新遅れてしまいごめんなさい。
「森の中の、洋館か……。」
「なにか、知っているのか?」
「いや、知っているわけないんだが……。」
オレは知っているはずがない。森の中の洋館を。なのに、なんだ。懐かしいような、寂しいような。
オレが住んでいたのは、家族と、弟と住んでいたのは……。
♢ ♢ ♢ ♢
洋館の中の客室に案内されたカイルは、ソファーを進められて、自分は座り、コアは横に寝かせた。
外は、雨が振り始めてカイルを不安にさせた。
「……キミたちか。」
ドアを開けて入ってきたのは、カイルとそう変わらないであろう男の子だった。
赤い瞳に銀色の髪色をしていて、青い瞳に金色のカイルとは対象的だった。
カイルとそう変わらないのに、落ち着いた雰囲気をまとっていて、年不相応と言うのだろうか。不思議な感じの男の子だった。
「兄様が助けた人たちの子孫がまた、ですか。」
「え、あの。はじめまして、カイル•オスフェリアです。こちらは妹のコアです。」
とにかく挨拶はしなければいけないと思い、カイルは短いながらもしっかりとした挨拶をした。
「はじめまして、カイル、コア。」
「は、はい。」
「カイル、キミの妹は珍しい子だね。なにせ、望まずしてその身に光を宿しているんだからね。」
男の子は、館主はコアのことを澄んだ目で見つめながら、微笑んでカイルに言った。
微笑んで言ったため、カイルは安心できた。
まだ、雨は止まず勢いはましていく。
「ああ、簡単に言ってしまうと、光属性の最上級を片手で簡単に使えてしまうくらいに力が強い、ということだね。」
「それと、倒れたことになんの関係が……。」
今の話で、コアはそもそもが世にも珍しい光属性で、それがさらに強い力を持っているということはわかった。
しかし、それとどこが結びつくのか。
「強い力は強い力と互いに影響し合う。良い方向にも悪い方向にも、ね。今回は悪い方向に影響されてしまったんだよ。」
「悪い方向……強い力って、誰の……。」
「ここの地下には光と反対の闇属性の祭壇がある。それだよ。」
カイルは館主の言葉に不思議を覚えた。
祭壇とは、お城にもあるようなもので、各属性のいるとされている"神さま"をまつるものだ。一種の形式的なもので、力を持つようなものじゃないのだ。
でも、今はそんなことを気にするより。
「コアはどうすれば、目を覚ますのですか?」
コアのことを考えなければならない。
館主は少しためらったが教えてくれた。
「キミが悪い影響を代わりに受けるんだよ。コアと同じ影響を受けるかはわかんないけど、他人が変わる以外方法はない。」
「僕が……。」
この部屋の空気が変わる。ピリッとした緊張感あふれる空気に。
カイルには悩む必要なんてなかった。
コアが受けた、悪い影響をカイルが変わりに受ける。大切な妹のために、妹が助かればいい。
カイルは覚悟した顔で館主に言った。
「コアの悪い影響、僕が代わります。」
館主は、一瞬悲しそうな顔をしたが、すぐにもとの表情に戻りカイルに優しく告げる。
「いい、おにいちゃんだ。じゃあ、準備はいいかい?」
「はい。」
館主は魔法の詠唱を始めた。そして、キーとなるワードを最後に唱えた。
「交換」
その言葉を聞いた途端、カイルの意識は途絶えた。
再び目が覚めたとき、カイルは天蓋付きのベットに寝かされていた。
起き上がろうとすると、ベッドのシーツだろうか、布の破れる音がした。
「え?」
音のした方。それは、カイルの左手だった。




