学園に通おう―1―
「君が、コアをここまで……。ありがとう、大変だったでしょう?」
ニカさんはオレに向かって深々とお辞儀をする。
ニカさんは、甘栗色の髪をひとくくりにしていて、眼鏡をかけていて、利発そうな女性だ。
「別にお礼を言われるようなことじゃ……」
オレはニカさんに早く頭を上げるようにいう。
「でも、この世間知らずな子を……」
わかっているな、ニカさん。
コアの世間知らずなところはニカさん知っているのか、だったら心配ないか。
予定通りだったら、フェーラーがついてくれるはずだったか、予定外のことがあったからな。
でも、影から見守っているんだったか?
どっちにしろニカさんという人がいてくれるようで、本当によかった。
「ニカさん?!そんな、世間知らずだなんて……!嘘ですよね?」
「まだ、自覚していなかったの……?」
ニカさんは呆れるしかなかった。
ニカさんのこれからが大変そうだな。
「スカイくんだっけか、本当にありがとう。すごいね、大人でもないのに旅をしていたなんて」
最近は鏡なんか見ていなかったけど、オレは成人していないと見られるのか。
これでも、しっかりと成人したはずなんだけど。
ま、確かに幼く見られることが多いけどさ。
「子供じゃない……、オレは成人済みだ」
「ごめんなさい。……いや、でもねぇ、スカイくんは子供にしか見えないわ」
ひどい……。断言しなくてもいいじゃないか。
「スカイさんって、大人だったんですか!同い年くらいだと思っていました」
コアが驚きの表情を浮かべて、ニカさんと同じように謝る。
いいんだよ?べつに。
ただ、ね……、うん。
そろそろ、切り上げないとな。じゃないと、情報が得られない。
「じゃあ、オレはこれで」
細い路地を歩く。この先に、表の情報屋がある。
入る学園を選ぶのだ。
表があるから裏の情報屋なんてのもあるけど、今はお世話になる気はないからな。
学園都市に存在する学園は千差万別で、例えば、魔法を教える学園でも、日常で使える程度から、上級魔法を使える程度までなどと、ピンからキリまである。
オレは、魔法系の学園じゃなくて、情報を扱うことを教える学園があれば、そこに入ろうと思っている。
そこだったら、学園に通うだけで情報か入ってきたりするかもしれないからな。
「いらっしゃいませ!」
笑顔が輝く受付嬢たちが、オレを出迎えてくれる。さすが、受付嬢。
「情報を扱うことを学べる学園を探しているのだが、あるか?」
「情報を扱うところですね、少々お待ちくださいね」
待つこと数十秒。一分もかからなかった。
「情報を扱うところですと、ファリス学園、ツェルマット学園、ノーベラ学園です。この中で、より高度なのはノーベラ学園です。いかがなさいますか?」
笑みを絶やさずにはっきりと教えてくれる。
職人技だな。
「ノーベラ学園の詳細を教えてくれるか?」
それから少しの間、ノーベラ学園について受付嬢から聞いて、オレはノーベラ学園に通うことにした。
なんと運のいいことに、編入試験が数日後に行われるという。
情報も仕入れたことだし、宿を探そうかね。こんな時間じゃ、空いている宿が無いかもしれないけど、しょうがない。
なかったらなかったで野宿するしかないな。
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