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学園都市へ―4―


 ――夜がまた明けた。

 今日で、学園都市につくだろう。






「今日で、さよならになってしまいますね……」

 今はまだ、日が高いからオレたちは街道を歩いている。

 コアはオレの隣で、寂しそうに言う。


「べつに、完全にさよならじゃないだろ?学園都市にいればまた、会えると思うが」


 オレは学園に、コアは知り合いのところに行くだけなのだ。会おうと思えば会えるし、コアがおばあちゃんになった頃までに一回くらいは会えるだろう。


「そうですけど……、一ヶ月もいたので、急にって言うとですね……」

「そういうものだ」


 別れとは寂しいものなのだ。

 その寂しさも少しすれば忘れてしまうけれど。


「あの……!」

 コアが改まってオレに声をかけてくる。

「なんだ?」


 一息ついてから一気に言った。

「私は、ニカ•ツェンタさんの元へ行くのです。スカイさん、落ち着いたら来てください。今はできませんが……そのときにお礼をさせてください」


「忘れなければ」

 学園都市に入って、どこかの学園に入ったら毎日が忙しくなる。

 新しい人間関係だってできるだろうし。

 ……、でも、コアのことは忘れないだろう。今まであった人とどこか違うから。


 オレがそう答えを返すと、コアは今までで最高の笑顔をみせた。

 その破壊力は半端なかった。


「門が見えてきた……」

 前方にそびえ立つ石造りの巨大な門。門の前には、学園都市に入ろうとする人々が、行列を作っていた。

 いろんな人々がいて、獣人、有翼種とか。珍しいシルフなんかもいた。

 さすが学園都市といったところかな。


 まず、入るまでに時間がかかりそうだな……。


「おっきい……、お城みたいです!」

 コアが門を見てそう評した。


 巨大な門ではあるが、この門は学園都市のほんの一部でしかなくて、内部はとてつもなく広いのだ。

 学園都市を百だとすると、この門は一にも満たないくらい。

 広いから区画みたいなものが設置されていて、大きなものだと、住居区や学園区などがある。


「並ぶか」

「はい、並びましょう!」

 コアのテンションがさっきから高い。小さな子どもみたいだ。

 目を輝かせて、笑顔で、飛び跳ねていて。


 ……どこかで見たことあるような景色だ。


 あのときは……三人いたっけな……。


 両親が来れないからオレが……。








 昔の記憶らしきものが浮かんできて物思いにふけっていたところを、コアの声で現実に引き戻される。

「まだ、ですかね?」

「まだ、だな」



「遅いですね……」

 コアは並ぶことに飽きてきてしまっているようだった。

 並んでから、そんなに経っていないんだが、慣れていないからか?


「待つものだから」

 オレもいつもに比べたら遅いとは思うけど、ここは学園都市だからな。

 人がたくさんいて当たり前だし、待って当たり前だ。


 夕方くらいになって、やっとオレたちの番になった。

 これは、遅いとかのレベルじゃあ済まないくらいだ。オレより後ろの奴らは一晩ここで、明かすんじゃないだろうか。かわいそうに。


「お名前と、目的をお願いします」

 検問の人に聞かれた。 

 家名を名乗るべきか、名乗らぬべきか。


「コア•オ……あ!あの……すいません、えっとですね……」

 コアは自分の家名を言おうとして、口を抑えた。今度はしっかりと言わなかったな。

 検問の人に小さな声で、オスフェリア、と言っていた。

 検問の人ならいいのか……、検問の人なら……。


「そちらは」

「スカイ•リーデル。学園に入学するために来た」

 リーデルという家名自体はそんな少ないものじゃなかったはずた。

 フェーラーの場合は運悪く、あのリーデル家のものだったからわかってしまっただけで。

「大丈夫です」

検問の人がそう言うと、門にある、小さな扉が開いて、そこからオレたちは学園都市に入っていった。

 いちいち巨大な門を開けるわけにはいかないもんな。


「わぁ!すごい。建物ばかりですし、人が多いです!」

 コアは門で並んでいるとき以上にはしゃいだ。

 ……。……?

 やっぱり、この感じ……。


「コアは、今日はどうするんだ?」

 暗くなりかけている。ニカさんの元に行くには時間が足りるだろうか。


「ニカさんは呼べば、現れるんですよ。」

 呼べば現れるなんて、どういう魔法だよ。

オレそんな魔法知らないぞ……ニカさんとやら、あって見る価値ありそうだな。

 オレは落ち着いたら、すぐにでもニカさんと、コアの元へ行くと心にきめた。

 

 

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