2216.聞き難い
『待って! ホールデン、って、ここの獣人達って普通に繁殖してるじゃない!』
「え? 豚、今なんて?」
ペトラの言葉に鼻を引き攣らせるペジオ、どうやら驚いたらしい。
ペトラは言葉を続ける。
『そうよ! ステナの所は三つ子、ミロンの子供だって双子だしブロンにもいるじゃない!』
ギレスラも追随する。
『そう言えばクルン=ウラフは割と子沢山だったのだ…… 『再生雨』の時間は子供を家に入れる、そんな謎ルールまで決めてあった位なのだ』
「え、トカゲそれマジ?」
『マジなのだ』
『大マジよ』
「う……」
豚とトカゲ、いやペトラとギレスラの声に言葉を失うウサギ、ペジオ。
暫らくして搾り出すように発した言葉はややかすれている。
「一体どうやって…… ナガチカ、お前は…… くっ、狼男に化け猫、もといっ、ミロン君にブロル君! ナガチカに会わせてくれ! あいつは今どこに? ここには来ていないのかっ?」
こいつ名前覚えた上で呼んでたのかよ、全く……
「いや、どこってぇ……」
「もう随分前、大昔に亡くなった、そう言い伝えられているんでぇ……」
「は? 亡く…… って死んだ? ナガチカ、が? ば、馬鹿な………… うわあぁーんっ!」
『ちょ、ちょっと』
それから暫らくの間、ペジオは泣いた…… 人間の慟哭だけじゃなく時折キューッ! と、特徴的なウサギっぽい声音も交えて周囲の目も憚る事無く泣き続けた。
泣き止んだ時、野ウサギの黒い目はアルピノの白ウサギみたいに真っ赤に腫らされていた。
「グスッ、ど、どうして、キュッ、ナガチカ、グスッ、キュキューッ、は? グスッ」
うん、非常に聞き難い、パラメーター選択でどっちか選べなかったのだろうか?
なんとか聞き捉えた面々にとっても遥か古代の忌み事だ、知る筈もない…… って事でカメムシキトラの出番である。
『何故かと問うか? 結城ペジオ…… それは誰にも判らん事じゃぞい、今となっては、のう……』
「キュッ? あ、あんたはっ? グスゥッ!」
『儂はほれ、善悪やコユキ、それにお前のお袋、吹木悠亜が中年になった時、フラダンスに通う際に同伴していた浦島太郎のアーティファクト、キトラじゃわい』
「えぇっ、あの? 何でそんなグスッ汚らしい虫けらにキュッ…… あなたもキュキュッ社会的には死んでしまった? グスッそーゆー? グスゥッ、キュキュキュゥッ!」
聞っきっ難っいっなぁっ! もうっ! それに社会的に死ぬって何だよっ! それネットで言ったら大問題だからな?
それにキトラ…… 思ったより腰蓑としてのアーティファクトをやり切っていたんだなぁ、そこは素直に良かったと言っておこう、ハレルヤ! アロ~ハオ~エ~。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です(*'v'*)
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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