2210.籠城
取り敢えずバッタのテューポーンとカメムシキトラ、ヴァミス率いる地竜部隊が敵を押さえている間に夕暮れが訪れ、即座に空を覆い尽くすマナナンガル(上半身)の大群。
さしものモンスターもこの凶悪なコウモリには手を焼いたのか僅かに後退、調子に乗って追撃に勇躍するヴァンプの群れ、正気を失っている為見境なく襲い掛かるマナナンガル(上半身)と追われて逃げ帰るヴァンプ、『強壮』でカカリ、『感染』に咳き込み、『道化』でゲラるスーパーパニックで大混乱に陥るこっち側。
既に収束不可能、そう思われた刹那、奇跡的に混乱の要因、いや主因だったペトラが止まる。
顔色を青白く変化させ覚つかない足取りでフラフラした後、ドウッと音を響かせてぶっ倒れたのである、ギレスラは見事に下敷き、小さな悲鳴と同時に昏倒したらしい。
恐らくだが体中にしがみついた黒猫の呪い、いやパッシブスキル『貪欲』による消耗が原因では無かろうか? 『貪欲』は特定の相手、劣情を抱いた相手を衰弱させる、ペトラはカーミラと仲間達に愛されているのだ。
兎に角、原因がぶっ倒れた事で集団は徐々に正気を取り戻し始めた。
獣人達を中心に回復持ちが多かった事、加えてガトが怒鳴りつけてヴァンプ達がケッといった舌打ち&唾棄と共に距離を取った事で殊の外早く回復をみた一同、急激な回復によるアセトアルデヒド中毒(二日酔い)はまあご愛嬌の範疇、その内だろう。
城っぽい神殿の外で倒れていた仲間達(兎に角こっち側)を収容した後、ダソス・ダロスがぶっ壊した尖塔をタロースが上手に受け止めて、壊れた(こいつ等が壊した)城門の大穴を塞いだ後は、改めて大きな息を吐いたこっち側、言葉によるコミュニケーション可能なサイドなのであった。
ゲッコーのステナから『回復』を施されて目覚めたペトラが幹部連中に向けて言う。
『ふうぅ~、えらい目を見たわぁ~、本当っ、あの猫共、殺しちゃ駄目かしら?』
相変わらず偉そうだ、自分のした事に対する詫びとかは…… うん、望むべくもないなぁこりゃ。
「いやでも猫はともかくネズミや鳥は役に立っていたでしょ?」
『何よ、ブロルの癖に生意気じゃない?』
「え、でも本当に……」
うん、確かにブロルの言葉は的を射ている。
実際、ペトラが倒れた後、門外の仲間を助ける為に飛び出した獣人達はヴラドの『強壮』のお蔭で勇気凛々、対するモンスター達についても呼吸困難(笑い過ぎ)とマダラ模様の得体が知れない疾病(恐らくネズミ由来)でまともに抗う事が出来なかったのだから。
そしてカーミラの『貪欲』も狂った豚猪の暴走を止めた、役に立ち捲りだ、少なくともどっかのスリーマンセルのドラゴンとボアとは比べるまでもなく優秀だ。
だが、グラム・ランドの評価は別の所にある様だ。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です(*'v'*)
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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