2202.一つ目のマジか
「じゃ、一旦持ち帰りますよ?」
『その方が良いのだ』
『なるべく嬉しそうにね』
「……はい、それらしく、ですね? お任せ下さい」
『うむ』
『良い子ね』
「恐縮です」
そんな感じの小声でのやり取りを破ったのはキャス・パリーグの怒声である、曰く、
『ギレスラっ! 早く逃げなさいっ!』
ふむ、見れば先程まで涙の再会で抱き合っていた旦那、レオニードと倅、醜いパダンパを背にしがみ付かせてこちらに猛ダッシュ、獅子走り、っつーより猫まっしぐらだなこりゃ、ははは、今度は何が起きたのだろうね。
『逃げろ? 今度は一体何が? うおっ!』
私、観察者同様の疑問を抱いたギレスラは思わずといった感じで叫んだ。
そりゃそうだろう、なにせ振り向いた上空には獅子虎ファミリーを追い越して飛来するモグラ、最初はカゲト、続け様にクロト、ん…… もしかして逆だったかも知れない…… まあどっちでも大して変わらんかっ、双子だしっ!※大問題発言
兎に角、気を失ったままのロシアンデスマンが飛んで来て神殿の内側、頑丈そうな尖閣の中程に叩きつけられレンガと一緒に落下して行ったのである。
一体何が? 同じ感想を抱いてしまったギレスラは再び振り返って大体の事情を把握した。
何故なら広場の遥か先、戦闘の舞台となっていた辺りで、差別主義者でヘイト野郎のピョン壁ペジオが巨大な竜種、エンペラをこちらに向けて蹴り飛ばす、正にその瞬間を目にしたからである。
ビュオオォォォー ガッシャ! ガラガラガラッ ドッスーン!
『ま、マジか……』(ゴクリ)
このマジか、には二つの意味が内包されていた。
一つはエンペラのサイズと重量に起因している。
ギレスラが知り得る全ての生き物、少なくとも人間と魔獣、ドラゴンの中で二番目に重たいのはエンペラだったからである。
因みにトップは圧倒的にヴノで三番手は僅かな差でダソス・ダロス、更に僅差でグラム・ランドへと続くのだ。
自動機械のタロースは結構重いだろうが、あれは直近で捕食した金属の比重とかにも寄るのだろう、あいつはノーカンで良し、そう判断した上でのランキングだ、念の為。
まあそんな基準で第二位のエンペラが吹っ飛ばされた、小石みたいにじゃ無く紙で折られた飛行機みたいにピュ~と軽快に、だ。
圧倒的な実力差を感じた。
皆さんも考えて頂きたい。
何かを投げたり蹴り飛ばす際、ギリギリで動かせる物をピュ~、とは行かないだろう。
対して紙飛行機や紙風船、体積に対して重量が軽い物質に関しては思うままにコントロール出来る筈だ、ピュ~とかフワフワ~とか。
ギレスラにとって世界で二番目に重たそうなエンペラ、皆さん的に言えば神龍丸出しのヤツがピュ~と飛んでガシャンと落ちた、因みに前肢に握った謎の玉も掴んだままで、だ。
もしも、万が一だがそこまでコントロールして蹴り出したのだとしたら…… そんな想像はギレスラに頭を激しく振り回させる結果となった。
これが一つ目のマジか、である。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です(*'v'*)
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
Copyright(C)2019-KEY-STU









