2200.シュカーラ テオ
『『キメラ』を繰り返している内に気が付いたんだ、彼の行動や判断基準に顕著な変化が見られている、って事にね…… それまでの日常や経験による成功体験に基づいた効率、それよりも全ての事柄に於いてどこか場当たり的な対応、言い換えれば刹那的で瞬時の判断に従った行動選択、しかもこと生命維持に関する視点のみで考えれば常に極めて最適解に近い結論に至っている、って事にね! これは、度重なる爬虫類との融合実験を経る内に彼の脳に変化が起きた、そう考えられるとは思えないかい? 僕はそう考えた! 恐らくだけど、爬虫類的な特性が鳥類や人間の素養を上回って大脳皮質自体の構成をも変えたんだろうね…… 具体的に言うなら、生物としての生命維持を担う脳幹、その状況に合わせて最適な行動を取らせる無意識での制御が旧皮質、古皮質で行う感情の発露や社会性の制御を上回ったんだと思う! 次第に周囲との関わりを絶ち始めた彼は程無く会話すら満足に出来なくなり、泣きも笑いも出来なくなった後は、やがて過去の記憶、思い出まで古い順に少しづつ忘れ去って、気が付けば自分のアイデンテティすらをも――――』
恐えぇよ。
『そ、それでは生き物とは言えないのだ』
『ん? なんで? 君達ドラゴンと同じだろ?』
『ぐ、ぐふぅ……』
『そ、それでリーダーさんはどうなったの?』
『ん? だから出て行ったよ? 醜い手足をぶら下げて自分が誰かも判らない状態でフラフラしながらね』
くっ、このっ、クズ野郎っ!
『只独りきり? 荒野に放逐したと言うのかっ!』
『酷過ぎるわ……』
おう、酷いなコイツ! 親の顔が見たいぜっ! ん、ああ、結城氏と吹木女史か…… ちきしょうっ、子育て失敗しやがってっ!
『えー独りじゃないよ? 僕らを追って日本から来た人、人間に付いていっちゃったんだよ? 勝手に』
『えっ、人間に?』
『日本から?』
むむ?
『そうさ、茶糖家の当主にしてあのコユキ、リューコ、リエの父親、茶糖ヒロフミに付いていったんだよ』
『ええっ、それは…… リストにもあった大物なのだ』
『だよ』
『それでヒロフミさんはどこを目指して旅立ったの? それにリーダーの名前は?』
うん、それだよ。
『ヒロフミおじさんはハタンガを目指していたね、変態の孫娘婿が仕切っていたからじゃないかなぁ? 今年の新茶を届けるとか何とか言っていたし…… 気持ち悪っ!』
なるほど。
『で、リーダーの名前は、何と言うのだ?』
『うん、それよ』
『ん? オールスターズのリーダーなら四桐鯛男だよ? 尤も旅立つ時には海馬がおかしくなっていたのかちゃんと発音とか出来ていなかったよ、あはは』
『四桐鯛男…… 確かしすさんから聞かされた名前なのだ……』
『ねえ、最後にはどんな発音だったの、リーダーさん』
『シュカーラ テオ? とか言っていたかなぁ?』
『うおっ!』
『やっぱしっ!』
うおっ! やっぱし! だったな!
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です(*'v'*)
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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