2194.祝賀
一気に気色ばんだ獣人達にまず叫んだのはギレスラの方である。
『ば、馬鹿者っ! やめよっ! それ、普通では再生出来ぬのだぞっ? あーあーっ、根元からぽっきりと…… 愚か者共め…… 取り返しがつかない事を、なのだぁ……』
そう、筒状になった洞角では頭骨から伸びた芯をケラチンが鞘の様に覆っているので抜いた、次が生える、的な再生は望めない。
途中で折れた場合は伸びたりするが基本的に元に戻る事は出来ない…… 鹿とは違うのだ……
で、幼体の内に処理する事で角の無い牛や羊を作る事も可能だったりする。
そこら辺が家畜として人に飼われた理由だったりもするのだが事はそう簡単ではない。
場所が場所、骨ごとぽっきり、感染症なんかで死ぬ場合がめちゃくちゃ多い、ってかそれがデフォルトだったりする訳だ。
何かあげなきゃ! そんな圧迫感を受けた獣人達は無茶をしてしまった…… しかし、それも無理もない事だろう、なんせクルン=ウラフではどんな裂傷も夕方の雨で元通り、カバのユイが残した金属板で奇跡の復活、そんな事が普通だったのだ、危機感の喪失ってか生命維持に無頓着なのも仕方がない事だと思われる。
『もう、アンタ等新米パパのジョディを寿いだらあっちでラマスに直して貰いなさいよっ! 幾ら期待のニュービー登場とは言えこれじゃ先が思いやられるじゃないのっ! ウフフフ♪ ほらソコっ! 蹄を剥がさないのっ! もうっ! ウフフフフ♪』
あのペトラを持ってしてコレ位の緩さである、皆さんの少子高齢化時代の懐妊とは目出度さのレベル自体が別種なのがお判り頂けるのでは無かろうか?
注意をされた馬っぽい奴等が思い直してタテガミを、その後も見た目が似た動物毎に特徴的な部位を握って並び、次々と社交辞令的な祝意を伝える行列は延々と続き、漸く終りが見えたか、そんな夕暮れを待って新たに並び出すヴァンプの群れ、である。
手にしているのは案の定、ドルドナ達は羽、カーミラは抜けた髭、ブルーカは前歯、ヴラドの仲間達は何のつもりか木の杭とかだ…… あれか? 昔胸に刺された奴とかなのかな?
そんな物を貰った所でどうしろと? そんな疑問はここでは愚問も愚問、愚の骨頂だ、だって最初から価値の無い物しか渡されていないからである。
疲れが見え始めたジョディの前で、最後の一匹、一際大きなガラパゴスフィンチが恭しく頭を下げながら言う。
「ゴンシーニー! ハオハオジャオグーシェンティ!」 ※おめでとうございます♪ お体を大切に♪
「え、あ、は、はい、ありがとうございます」
何で中国語なのか? 多分、ウケるとか思ったのだろうな…… ドルドナってほらアレだから。
しかし、ジョディの方にお体とか言っても仕方なかろうに、そこはかとないズレを感じる、悲しい。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です(*'v'*)
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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