2193.慣習の始まり
めでたさMAXのムードはまたたく内に周囲に伝播し、殺伐としていた敗者溜り、所謂ちんちんかいている勢にはパァッと花が咲いた様な陽気な空気が漂い出す。
動きを止めたままで様子を伺っていたミロブロは初対面のジョディに満面の語り掛け、因みにミロンはグータッチ、ブロルは馴れ馴れしく肩なんか抱いていやがる。
「そっかぁっ! 子供がなぁ、良かったじゃんっ、なあ?」
「え? ええ、まあ」
「で兄弟? 男と女どっちが良いんだよ?」
「え、兄弟? あ、いや、どっちでも、元気に産まれてくれれば良いかなぁ、なんて」
「だよなっ!」
「そりゃそうだっ♪」
「「あはははっ!」」
「は、はあ…… えへへ」
なるほど、レイブの眷属に鞍替えしたミロブロにとって、文字通り従前からの弟子であるジョディは兄弟扱いでも無理はない、ないがしかし、この場での呼称はどちらかと言えばその場の雰囲気に流されただけの行きずりのおっさんが持つ馴れ馴れしさ、そっちのがしっくりくる。
顔を赤らめて祝辞を受けたジョディはここから押し寄せる祝意への応対に忙殺される事になる。
笑顔のミロブロが対面を譲った瞬間、周囲にいた烏骨鶏共が一列に整列し一羽づつ丁寧なお辞儀をしながら自身の胸周辺のフサフサした羽毛を渡し始めたのである。
烏骨鶏族とかの風習なのかも知れないが横で見ていたクルン=ウラフの獣人達にはそれなりのカルチャーショックを与えたらしい。
一様に顔を見合わせた獣人達は互いに頷きあうと里長のマッチを先頭に列の後尾に並び出し、何のつもりかそれぞれ自分の毛皮や鱗を毟り始め、嬉しそうに手に握り締めたのである。
この間、流される形でジョディの左右に屹立していたギレスラとペトラ、訳が判らぬままに眺め続けた口を緩ませたのは一頭、いや一人の牛獣人が自分の体をあちらこちら見回した後、思い詰めた表情で片方の角をへし折った時であった。
根元から折れ顔面に血を滴らせながらも満面の笑顔を浮かべた牛獣人は言った。
「こ、これで体裁が整ったんだモゥ~」
と……
その声を合図に彼の後ろに並んでいた面々の顔色が一変した。
具体的には直後の羊っぽい奴が模倣する様に自分の角をへし折り叫んだ事が直接的な切欠だ、曰く、
「グァっ、お、俺は二本行ったったベェー! どうだぁーっ! うりゃぁっだベェー!」
「「「「っ! ぬぅ~」」」」
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です(*'v'*)
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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