2189.人倫
何か恐いペトラの口は留まる所を知らない。
『ヒトをヒトたらしめているのは疑いなくその仏性、言い換えれば他者に対する惻隠と気遣い、優しさ、共感、そして心を砕き思いを配る配慮、善意に他ならない…… これは既に何度となく教えた筈だわね?』
「は、はい、五倫と五常、ですよね」
『そうね』
ほぅ、結構ちゃんと教えていたんだなぁ、ビックリだよ。
『じゃあおさらいしましょ…… 五倫って、何?』
「父子有親、君臣有義、夫婦有別、長幼有序、朋友有信です」
『その通りよ』
ゴクリ
いつに無く真面目なペトラの雰囲気にギレスラの喉が鳴る。
光る目で見つめられたままのジョディに至っては頭頂から足元まで冷や汗でビショビショだ。
『アンタにとってレイブお兄ちゃんは魔術師としての師匠であると同時に物流業を営むリーダーであり無論年上であらゆる事柄において先駆者、つまりパイセン、それに同じヒト族として気を置けない数少ない理解者、友でもあるんじゃないのかな?』
「はいっ! 勿論、師匠達お三方は父であり母、仕事に於いては君主、年齢に関わり無くパイセン、それに…… 極めて個人的な悩みでも打ち明けられる兄であり姉、過ちて尚寄り添ってくれる無二の友でもありまっすっ!」
『そう…… そう思っていてくれたんなら嬉しいわ……』
「とんでもありまっせん! 当然でっす! 寧ろ図々しくてすみまっせんっ!」
ペトラは再びジョディを見つめ、深い呼吸の後一気に捲くし立てる。
『でもアンタは裏切った…… レイブお兄ちゃんは父親代わりとしてアンタに親愛を、主君としての条義、兄としての慈しみも…… そして、そして何よりも友としての全幅の信頼だってアンタに注ぎ続けたっていうのに、にいいぃぃぃっ!』
「え? えええぇぇっ!」
『ギレスラお兄ちゃんっ!』
『変わらず父としてあるレイブの親愛を裏切った事は無情、そして主君の境を蔑ろにした点は言うまでもなく不義、さらに慈しみに不敬と我欲で応えるなど無礼の極み、止めに友をもゴミ同然に切り捨てるなど不信この上ないのだ』
『つまり?』
『不徳の極致、つまり不倫、不徳、不正、不貞、不実、不身持、不人情、不感症、不細工、不作法、不恰好、不義、不思議、不可思議、不潔、不潔、不潔、不倫の極みで不不不の不ーぅ! なのだ』
『ありがとう』
凄まじい人格否定、それほどジョディの行いを苦々しく感じていたのだろう、判らなくもないがこと恋愛絡みだと相手もある事だからなぁ。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です(*'v'*)
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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