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ヒグチユウコ 『すきになったら』
ヒグチユウコの絵本にハマっている。
雰囲気は可愛いが、よく見るとそんなに可愛くない。猫なんか時々グロテスクに思える瞬間がある。
ヒグチユウコを知ったのは『すきになったら』という絵本を書店で見かけてからだ。一目惚れして他の絵本も買った。
ワニと少女が心を通わせるストーリーなのだが、どことなく影がある。
すきなったらというのはloveなのかlikeなのか。私はloveだと思ったのでそのように話を進める。
すきになったら、相手のことを知りたくなる。と、作中にある。
ワニは本を読んでいて、少女もその内容が知りたくなって同じ本を読む。ワニは少女のヴァイオリンに耳を傾ける。
互いに相手のことを知り、片時も離れたくなくなる。最後にはわたしの一部はあなたになって尻尾が生えてしまう。
影があると思ったのは、少女といかついワニの対比があまりに強烈だからだろうか。
互いに理解しあえる前提(ワニは帽子を被り本を読む)があるにせよ初めから別の存在というのが明示されている。男女間にかかわらず殆どの人は異質な他者を排除して生活している。私も多かれ少なかれそういう面がある。
だからこそこの本に惹かれるのかもしれない。他者の喜びも悲しみも知ろうとする強さがこの本にはある。




