文明の利器
真夏の夜、寝苦しくて涼を求めたとする。
手元に団扇がある。それを使うか、扇風機を使うか考えて欲しい。
ちなみに蚊帳の中にいるため、扇風機のコンセントを刺すには、蚊帳の入り口を開ける必要がある。蚊帳の外は蚊がウヨウヨしている……
ここまで状況を限定しないと、室内で団扇を使う機会はそうないと思われる。
関係ないが竹久夢二の美人画は、浴衣に団扇を持っているイメージがある。本当はそうではないかもしれない。うろ覚えである。
文明の利器とは聞こえがいいが、様々なものを奪ったのも事実だ。無駄を省けば良くなるとは限らない。
オートメーションは人の働きを操ろうとしている。
冒頭を例に取ると扇風機のために、蚊帳を出ないといけないことになる。
油断していると働くために機械を使うのか、機械に使われるために働くのか分からなくなってしまう。
電王戦の予選に、羽生善治名人が出るとニュースが報じていた。
最近人工知能に押され気味のプロに忸怩たる思いをしていたため、吉報だった。
人間の限界を知るためというより、まるで人工知能の調整のために人間が出向くようになった気がする。
仮に名人が負けようが、また次なるプロを魔界辺りから召喚するのであろう。
深層学習なるものもあり、人間は必ずしも必要ではなくなっている。
小説賞の一次選考に人工知能の作品が通過するあたり、作家もうかうかしていられない。
私の文章も教材にされるかもしれないから、不要な単語を入れ、邪魔してやろう。ぽぽす。ぷやぷやぷう。
この脈絡のないぽぽすだけでも、人工知能にとっては脅威であろう。だって意味ないもん。人工知能君は意味がないって意味がわかるんでしゅか? しゅごーい♡
今の所はぽぽすで十分だろうが、そのうちぷやぷやぷうにも対応してくるであろう。恐ろしい子!
そのうち人工知能君は労働の適切な配分も差配してくるのではないか。よろしい。やりたまえ。
「社会主義者になろう」
とか駅中の広告看板にデカデカと使用されても不思議はない。
資本主義を乗り越えようとした先に社会主義が待っていようとは、まさにぷやぷやぷう。 皮肉な話である。




