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#20_それぞれの戦場、それぞれの戦い方

ギャヒィ!?


エルシアの剣が一閃、それだけでゴブリンが絶命する。

レベル差が十倍にエルシアの魔力量、ゴブリンの魔力壁は意味を成していなかった。

フーリアのダンジョンも徐々に人が増えてきた…午前で二階層を掃討、現在は三階層を掃討中。


そんな中、我々は一階層でゴブリン、コボルトと戦っている。

ある程度のジョブレベルを手にして、そろそろ本格的にジョブを絞る事にした。


エルシアは獣戦士、獣闘士、獣剣士、探索者、サブに獣槍士、獣刀士。

経験や種族特性の敏捷を生かし、一撃が必要の場合を考えたジョブ構成。


エミリアは獣槍士、獣闘士、従者、探索者、サブに獣戦士、獣刀士。

馴染んだ武器――槍を主体にして戦闘スキルで補助を考えたジョブ構成。


ロミーナは剛斧士、鍛冶師、従者、探索者、サブに剛槍士、剛騎士。

ハルバードや己の役目を考え、重い盾も扱えるように考えたジョブ構成。


ミリアリアは精弓士、裁縫師、精戦士、探索者、サブに精剣士、狩人。

遠距離攻撃など己の役目を軸に接近戦も対処できるよう考えたジョブ構成。


当初は二階層で様子見をしようとしたが、多くの人が関わる事は予定通り行かない。

さすがにエミリアもレベル1のゴブリン達に苦戦することなく、倒せている。

若干の戸惑いはあるが、ロミーナも魔力鉄のお陰で簡単に倒せていた。


ミリアリアは、同じ短剣二本を双剣のように扱って二刀流。

従来は右利きだが、左も利き手並みで、身軽さを生かして、右で切り払い、左で刺突する。

敵の攻撃は、避ける事を主体としている。


あまり使い手はいないが、自分も祖父から叩き込まれていた。

魔人種との戦いは、得物を選べる状況なんて滅多にない。

如何なる武器でも使うのが当たり前だ。


「これなら二階層でも行けるかな。

 あと一時間程で復活するから、行けると思ったら行ってくれ。

 エルシア、ダンジョンでの状況判断は任せる…無理はさせないように」

「ええ、任せて」


頷くエルシアと視線を合わせて意思を確認しあう。次に本来は後方支援だが…。


「ミリアリアは弓でエルシアとのコンビの感触を確認してくれ。

 ある程度確認できたら、個別に動いても構わない」

「二階層なら必要ないと思うけど…了解」


最後に初心者コンビのエミリアとロミーナは従来通りの戦闘方法でいいだろう。


「エミリア、ロミーナは本来の二名で一体を対処。

 慣れてきたら一人はガード、アタッカーは一人で対処出来ても個別で行動しないように」

「はい、気をつけます」

「分かりました」


あとは状況に応じて経験者コンビが対処してくれる筈だ。

後方待機していたシルファン達の方を向いて、檄を飛ばす。


「行くぞ! 四階層を殲滅した後に、五階層を攻略する!!」

「…(承知しました)」

「…(承知!)」

「…(暴れるぞー)」


『ゲート』を抜けて、四階層の魔物を駆逐したが数が少なかった。

まだ完全回復する時間は経ってないのだ…しょうがないので五階層に突入する。

今までと同じように十字方向に別れて疾走中。


「…構成の仕方が四階層と違うな」


ゴブリンやコボルトは種類毎に三体纏まっている…武器も三種類。

ナイフ、ソード…槍だから、アイテム名はスピアか?


ウッドパペットも無手と棍棒の二体が纏まっているし、サハギンも銛とナイフ二刀流。

グリーンキャタピラー、ホーンラビットはいつも通りだった。


「六階層じゃないのに、六種類いるのかよ」


ただ纏まっているだけじゃない…こいつらコンビネーションまであるようだ。

サハギンは銛を投げた後に二刀流が襲い掛かってくる。

ゴブリン達も得物が長い順から襲い掛かってきた。

ウッドパペットは無手が掴みかかってきてから、棍棒を振り抜く。

グリーンキャタピラーが糸で動きを止めて、ホーンラビットが角で攻撃。


「…見つけた! 四階層は霊装だったし、今回は魔装で片をつける!!」


やはり、六種類…全ての階層主が揃っていた。

腰にある魔装用ショートソードを抜くと、迷宮が振動を始め、あらゆる壁が魔物生成を始める。

階層主が散開しようとする前に『ブリット』で中心にいる奴を仕留めた。


「『バースト』!」


自分を中心に魔力を爆発させて、その圧力や爆風によって周囲を破壊する。

これに対抗する手段は作られていない…元々霊装は対個人だし、魔力の圧力など届かないからだ。

階層主が全員死滅して、白い『ゲート』が出現した。


「…これで退路は確保。あとは討ち滅ぼす!」


一度だけ探索者の固有スキルを使用して状況を確認…全てのジョブをメインにセットする。

牽制用に全方位に無詠唱のファイヤーボールを放ち、階層主のドロップアイテムを回収する。

仲魔がやられた事に腹が立ったのか、前衛が奇声を上げて攻撃を仕掛けてきた。


多数に囲まれ、視界外から攻撃をされた時、どのように対処すればよいのか。

この世界で対処する場合は、まず魔力や霊力を知る事から始まる。


音速だろうが、光速だろうが、意識下だろうが、無意識下だろうが関係ない。

世界に満ちる魔力や霊力は何かが実際に行動する前に反応してしまう。


後方にいる槍を装備したゴブリンとコボルトが四時と八時方向から突きを繰り出そうとしている。

身体はピクリとも動いていないのに、魔力の流れが先行して光景を見せるのだ。


魔装を施した身体で前に出ながら剣を前に突き出す。

そうして自分が居なくなった場所に後方からの攻撃がクロスする。


魔力が見せた光景にゴブリンとコボルトの行動が追いついたのだ。

その頭上にはナイフ装備した魔物達が上空から襲いかかろうとしているのも知っている。


ブリットを用いて、この身は巨大な弾丸と化す。

何十体の魔力壁と肉壁の両方を持ってしても、止める事は出来ない。

魔力の回転に巻き込まれて身体は破砕され、囲まれた状況を打ち崩す。

壁際に到着と同時に再度、バーストを行って、周囲の魔物達を爆殺する。


飛んでくる魔物達によって多くの魔物が慌てふためく中、緑芋虫が糸を吐いた。

しかし、魔物製の糸であっても魔装を施した身体に届く事は無い…蒸発してしまう。

避ける事も出来たが、敢えてしなかった…過信や慢心ではなく確信があった。

もし万が一の事態でも既に頼もしい奴らが部屋に集結している。


雷光を帯びたブレスが一つの通路を埋め尽くした…帯電した魔物達が地面に崩れる。

竜の尾に巨大な赤黒い剣が備わって、軽く薙ぎ払うだけで周囲の魔物を斬殺した。


巨大な銀色の弾丸が魔物達の頭部を破壊して部屋の中央に到達する。

まだ存命なゴブリンを踏み台して宙に飛ぶと、咆哮に魔力を乗せて一気に放出。

咆哮を受けた魔物達は砂で出来た人形のように崩れてしまう。


均した地面が黒い影に覆われた、その影から剣、大剣、槍、刀など様々な武器が生えた。

こちらを除いた様々な魔物が抵抗も出来ずに、身体の至る所に武器が刺さっている。

影が一箇所に戻っていくと、その場所には予想通りの黒騎士の姿があった。


「今日はエイミーが最後か…遅かったな」

「…(ふふん、今日の回収係は決定です)」

「…(一番は私なんだよ。なんで勝ち誇ってるの!)」

「…(近場にいたせいか、足止めされました)」


一番最後なのが分かったのか、先程の影でドロップアイテムと魔石を回収したようだ…便利。

そうやって無駄話をしていると壁から新規参入の魔物が陣形を組んでいた。


「おお。五階層だと、こうも違うのか」


ゴブリン、コボルトの長物混成、その後ろにナイフ持ち…跳躍してくる気か?

その反対側にはサハギン銛部隊、後ろにはサハギン双剣部隊もいる。

さらに緑芋虫の糸吐き部隊に、角兎の特攻部隊…ゴブリンの奇声が合図なのか一斉にきた。


「…ファイアーボルト!」


別に他の面子と同じように無詠唱でもよかったのだが、なんとなく声に出してしまった。

四方向からくる魔物部隊に四方向に撃ち出される閃光と共に着弾する炎の矢。

多くの悲鳴を奏でたのは、魔物部隊の方だった。



大きな鎚が付いた、特殊な形状のハルバードがウッドパペットの足を砕く。


「やぁ!」


よろけた木人形の喉元?をエミリアが放った槍が貫く。

ヒデキの構成通り、エミリアとロミーナは二人一組で魔物と戦っていた。

何度か戦い、手応えを感じると騎士の固有スキルを準備しながら一対一で戦う事もあった。

だが、戦闘時間が長くなってしまい、経験者組を待たせる結果となる事が多かった。


初心者組にも経験者組を超える切り札があるにはあるのだが…。

エミリアがそんな事を考えていると、通路から新しい木人形が走ってきた。


「…エミリア、駄目です!」


『エンゲージ』


ロミーナの声を無視して、エミリアは心の中で従者の固有スキルを発動させる。

襲ってきた木人形を無駄の無い動きで避け、槍の振り上げ、振り下ろし、残心に至るまで。

全ての行動が熟練の戦士のようだったが、瞬く間にプルプルと身体が震え始めた。


「うぅ…ほんの数十秒なのに身体が軋みます」

「駄目です、エミリア。

 従者レベルが示す時間以上のエンゲージは、すぐ身体に影響が出ますよ」


以前、ヒデキが買った砂時計で計ると従者レベル=使用できる分単位である事がわかった。

そして発動のオンオフで利用時間をコントロールする事が可能である事が判明。

一度使い切ると、二時間の待機時間が必要となるが、肉体の負荷を無視すれば可能となる。


「…そろそろ、中央広場に戻って休憩を取ったほうがいいかしら」

「そうね。ご主人様と数は違うけど、それなりの魔物は狩れたし、いいと思うわよ」


経験者組の検討の結果、全員で休憩を取ることになった。

中央広場とは円状のダンジョン中心部にある帰還用のゲート部屋を指す。

ゲート部屋は通常時だと魔物が入ってこない為、探索者達の休憩場所でもある。


「…ふぅ。ようやく落ち着きました」


エミリアは探索者の空間魔法製であるアイテムボックスから水筒を出して水分補給を取った。

休憩といっても、武装解除はする事が出来ないので簡素な木椅子に座って休憩を取る。


一緒に取り出していた、小さな包み紙を開くと地球にある物とは違う、不恰好な球体があった。

デンプンを糖化して蜂蜜や砂糖で味を調えた甘い物…キャンディである。金平糖はまだない。


「甘味なんて食べる事ないと思っていましたが、旦那様には感謝の言葉しかありません」


幸せそうな顔で飴を頬張っているのはエミリアだけではなく、全員が同じ表情をしている。

ただ休憩するだけではなく、ロミーナとミリアリアはドロップアイテムの選別中だ。

道具鑑定スキルを使用して品質別に分けている。

残りは袋分けするだけのようなので、エミリアも手伝いに向かった。


「袋分けなら私も手伝います」

「ありがとうです。左から品質が低い順で三分割しているので、一番右を集めてください」

「ありがと、エミリア。それじゃ、私はエルシアと休憩後の話でもしてくるわね」


魔物狩りを始めて、早二時間で得物の数は38体。

一、二階とのレベル差を考えれば少ないが、実質三名で狩ったと考えれば多いと見るべきか。


「同じレベルでも品質に違いがあるの?」

「はいです。魔物倒した速度、魔素の量でも違いが生じるのです」

「そうなんだ…私も道具鑑定があれば旦那様の役に立てれるのに…」

「なぜか精霊種はスキルの熟練度が高いですから。品質は見れるのに時間が掛かるですよ」

「…ロミーナの共通語って時々『です、ですよ』って付けますね」

「そ、そうですか!? 頑張って覚えたのですが、難しいです。…変ですか?」

「んー、大丈夫だと思います。旦那様も気にしてないと仰られていましたし…」

「そうですか…よかったです」


全ての袋分けが終わった頃にエルシア達が合流した。

話し合いの末、魔物数体が二時方向にいるようなので、討ちにいくと云う。


「それから、エミリアは『エンゲージ』を多用しないようにね」

「わかっています。それでも姉さんのように多く倒すにはこれしか…」

「…あなたの達成目標はロミーナとのコンビネーションを確立する事よ。忘れたの?」

「それも、わかっています。旦那様の言いつけですから」


少しだけ頬を膨らませる妹に姉は少しだけ苦笑して先頭に戻った。



目の前では二体のウッドパペット(無手、棍棒)の土に埋もれてない頭部が暴れている。

シャルロットの要望を叶えるために、『アースバインド』で捕まえたはいいが、どうしよう。


「…エイミー、どっちでもいいけど支配できそうか?」

「…(やってみましょう)」


従魔による魔物の支配は実に簡単だった。

別に優しい心でモンスターに向き合わなくてもいいらしい。


レベルが上なら視線を合わせて力尽くで支配できるし、弱らせて屈服させる事で支配できる。

乱暴なやり方だと思うが、支配下に置かれた魔物は解放されると魔石に戻る。

支配された段階で存在としては死んでいるのだ…なんか死霊使いみたいだ。


人は目的の為に多くの生物から自由を奪い、手にかけ、これからも続けていく。

ペット、剥製、実験動物、etc…と自分を納得させたが、やろうとすると緊張するな。


前に出たエイミーが片手を挙げて魔力を集中した…土の中で木人形達が器用に震えている。

一瞬だけ魔力が爆発的に増大したかと思うと、木人形達の首が力なく横たわった。


「…え? 死んだ?」

「…(いえ、驚いた隙を突いて支配しました。解除をお願いします)」


要望に応えて魔法を解除すると、木人形達が死んだように体勢が崩れる。


「…(二体とも起きなさい)」


壊れた操り人形だった二体が、ゆっくりと起き上がる。

少し待ってみても起きないので失敗かと思ったら、軍団長の命令が必要だったのか。

鑑定すると不思議な名前が見えた…。


02-01-001・ウッドパペット 操形 Lv 1。

02-01-002・ウッドパペット 操形 Lv 1。


パペットは操形種だから、それはいい…なんだこれ名前か?

しかもレベル5だったのに、支配したら1になっている…初期化された?

全鑑定の所為なのか、ダンジョンが自動的に付けたのか、エイミーが付けたのか。


「エイミー、名前を付けたか? 付けてないなら適当に付けてみてくれ」

「…(では…配下A、配下Bで)」

「本当に適当につけた!? …駄目だな。

 どうやら支配した魔物は名付ける事が出来ないようだ」


恐らく先頭の『02』はエイミーが二番目の従魔で、次が彼女の一番目の支配種族を指している。

団長の命名なのに全く反応がない…完全に道具扱いか。


いや、たとえ道具であろうとも使う側が雑な扱いをしていい訳ではない。

目的の為に殺したのだ、きちんとするのは奪った者の役目だ…主に剥製にした動物達の様に!

縫製師の固有スキルで黒い鉢巻を二つ作成、頭に巻いておこう…これで判別できるな。


「とりあえず、魔石やアイテムも回収できたし、目的も果たした。

 六階層に行こうか…エイミー部隊は、隊長が管理するように」

「…(しょうがありません、少し後方に待機するようにします)」


白い『ゲート』の先には今までと違った光景が視界に広がった。


「おお! …ダンジョンじゃなくて、牧歌的な光景が!!」


本来、広場になっている範囲は平べったい石の台になっていた。

背丈の低い草花、深くない森林、雪が残った丘。

アルプスのハ○ジみたいな場所だ、CMで見たことある!。


「…シルファン。一度、南の森に行ってアッシュウルフを支配する」

「…(了解した)」


それから一度、皆を連れてきてから屋敷に戻るとしよう。

森でアッシュウルフは簡単に見つかった…鑑定してみると予想通りの名前がある。


01-01-001・アッシュウルフ 灰狼 Lv 1。


ウッドパペットと違い、表情や毛色など変化が判り易いと思って支配してみたが…変化なし。

生気もあるし、瞬きもある、呼吸もしている…意思はないはずだが、目は死んでいない。

こちらにも銀色の鉢巻を首に巻いておくか。


「よくわからん…専門的な学者じゃないと判別できないかもしれない」


『ゲート』をフーリアのダンジョン二階層にセットして通り抜ける。

さすがにあのレベルならと思って、マップを確認すると…よし四人ともいるな。

こちらに移動する四つの反応…向こうもマップを見ていたか。


「匂いがしたから来てみたのだけど…正解だったわね」

「…私達が二階層で戦っている間に片が付くって…どれだけ強いのよ」

「おつかれ、二人とも。エミリアとロミーナは?」


残りの面子を確認しようとしたら、ゼハゼハと荒い息をしながら二人が現れた。

目立った外傷もないし、あるのは疲労のみか。


「…大丈夫か、二人とも」

「…はい。だ、大丈夫です」

「ご、五階層突破、お、お疲れ様でした、旦那様。ふぅ…こちらが一、二階層の成果です」

「ああ。…皆、よく頑張ってくれた。ありがとう」


チームを分かれる前に討伐の結果をどうするか聞いてみた。

本来なら全員が五階層に付いて行くのが普通で、ダンジョンの結果は全て主人の物になる。

しかし、その場に主人がいない場合は魔石やアイテムは探索者達の物となるのだ。

だが、彼女達は受け取ることを良しとしなかった…なので全てこちらに渡すと云うのだ。

断りを無視されたのと、素直に厚意を受ける事も必要かと思い、提案を受け入れた。


「…こ、攻撃してはこないのでしょうか?」

「シャルの説明だともっと人形みたいな感じかと思ったのだけど…そうは見えないわね」

「初めまして、ロミーナです。…顔すら向けてくれないです」

「意識がないんだから、しょうがないでしょ」


魔石支配をした成果に各々の感想を口にしながら、三体の魔物を見ている。

魔獣使いがレアなだけに、この光景は珍しいのだろう。


「五階層は攻略したが、上階は様子が一変してるんだ。

 シャルの所に行く前に全員で一度見ておこうと思う…体調は回復したか?」


中央広場まで戻ってきて休息を得た彼女達に疲れの様子はなさそうだ。

全員が元気のいい返事を返してくれた…そのまま六階層に向かう。


「ここって…屋敷の異空間と同じ構成なの?」

「風が気持ちいいです」

「確かに、見た感じは似てるな…魔物の気配以外は」


自然の気配に敏感なエルフの感覚が六階層の状況を見抜く。

ミリアリアの機嫌が先程の階層とは全然で違う。


「…この階層は、まさか…」

「し、知っているのか? エミリア!」


多分、このネタは、この世界だと通じないんだろうなぁ。


「この階層の形状は、捕食成長タイプです。

 六階層では三種の戦闘系と三種の非戦闘系の魔物が居ます。

 戦闘系はこれまで通り、私達を狙ってきますが、非戦闘系は攻撃しないと襲ってきません。

 非戦闘系はレベルが高い魔物になると非常に美味しい食材を落とします。

 ですが、この階層が六階層である事を考えますと非戦闘系はレベル1になります。

 そして戦闘系の魔物が非戦闘系の魔物を食べてレベルを上げるのが特徴です。…ふぅ」


レベル6がレベル1を食べ続けて、どんどんレベルを上げる訳か。

とはいえ、レベルが上がれば上がるほど必要数が多くなる…長い間、放置しなければいいな。


「あとはご主人様が行った階層主と接触して全滅させる方法は使えないわ。

 種別主義…と言えばいいかな。この形状に現れる魔物は他種とも縄張り争いをしてるの」


ミリアリアが補足説明を入れてきた…エミリアの息が上がった事を考慮してくれたようだ。

引き継いでくれた事にエミリアが感謝の言葉を述べている。


「種別か…階層主と接触したら、同じ種は襲ってくるのか?」

「はい。そこは今まで通りですが、出現数は最大個体数の六分の一程度ですね」

「なるほど…。エルシア、魔物の種類は把握できたか?」


息を吹き返したのか、再度エミリアが説明をする。

会話には参加せず、ロミーナと同じように風の流れを感じていた狼人族のエルシア。

シルファンは説明中に姿を消し、鉛色のアッシュウルフがお座りをしている。


「大凡は把握できたわ…ゴブリンウォーリアは確実にいるわね。

 あとは出会った事のタイプね…狼、兎、鶏に牛と最後に羊かしら」

「…(狼は此奴だ。生意気にも風下から監視していた)」


全員に聞こえる念を送ってきながら、シルファンが戻ってきた…灰色狼を連れて。

犬・狼型が味方でよかった、追跡から逃げられる気がしない…おっと、鑑定、鑑定。


01-01-002・グレイウルフ 灰狼 Lv 1。


アッシュが下位でグレイが灰狼種の上位か?…魔物大図鑑でも売ってないだろうか。

鉛色狼の横に灰色狼が同じようにお座り…同じ種族が来たのに微動だにしない。

同じように銀色の鉢巻をかける前に浄化をしてみた…よかった、消滅はしないようだ。


「…姉さんが言っていた魔物は、おそらくですが…

 鶏鳥種のコッコ、乳牛種のミルモー、羊丸種のモコシープが該当します」


エミリアから得られた情報をまとめると…。

コッコは鶏より二周り大きい最弱とされる魔物、鶏鳥の羽や鶏鳥の肉を落とす。

ミルモーは牛より二周り大きく、突進力がある魔物、牛の皮や牛の肉を落とす。

モコシープは羊が丸い球体になった魔物、羊の毛皮や羊の肉を落とす。


それぞれの肉は部位が混じっている状態でアイテムとして扱われている。

各部位を求める場合は食材錬成を使用するしかない。


この階層、悪臭漂う階層だと思われるが、そんな事はないのだ。

魔獣や魔物は排泄を行う事が滅多にない…全部魔素が吸収するからである。


「低い階層で鶏卵、牛乳を取得、定期的に羊毛が欲しかったら支配するしかない訳か」


シャルロット曰く、軍団レギオンは食材調達にも便利だとか。

全ての材料をドロップアイテムで用意し、食材錬成した材料…通称、魔物の餌。

これを与える事により、低レベルでは落とさないアイテムを翌日、落とさせる事が出来る。


体内で食した魔物の魔素を餌が吸収…翌日には体外に出て、アイテムに早変わり。

手順はすごく簡単だろう…決して糞ではない、臭いも無いし、あくまでアイテムである。

卵に似た感じで外に出て、殻を破ると中にアイテムがあるのだ。


その後、シルファンに乳牛、羊丸を、ティアンに鶏鳥を支配してもらった。


探している間にお土産を見つけたらしく、持ってきたのは真っ白な角兎だ。

魔物の名称はホワイトラビット…どうやら雪がある丘が生息地らしい。


ホーンラビットのように角があるが、毛皮が染み一つなく白い。

貴族のお嬢様、奥様に毛皮を使用したコートが大人気だとか。


ヒデキ・ナルカミ

・人間 Lv19

戦士   Lv19、闘士   Lv13、騎士   Lv13、

剣術士  Lv19、槍術士  Lv13、刀術士  Lv13、斧術士 Lv13、弓術士 Lv19、

探索者  Lv13、冒険者  Lv13、魔法使い Lv13、魔術師 Lv13、霊術師 Lv13、

盗賊   Lv19、暗殺者  Lv19、賞金稼ぎ Lv13、

狩人   Lv19、農人   Lv19、獣使い  Lv13、薬師   Lv13、

商人   Lv13、武器商人 Lv13、防具商人 Lv13、奴隷商人 Lv13、

錬金術師 Lv13、調理師  Lv13、鍛冶師  Lv13、縫製師  Lv13、工芸師 Lv13、

魔獣使い Lv19、英雄   Lv13


シルファン

・銀狼 Lv19

獣戦士 Lv19、獣闘士 Lv19、獣剣士  Lv19、

探索者 Lv13、冒険者 Lv13、魔法使い Lv13、魔術師 Lv13、

暗殺者 Lv19、狩人  Lv13


ティアン

・天竜 Lv19

竜戦士 Lv19、竜闘士 Lv19、竜剣士  Lv19、

探索者 Lv13、冒険者 Lv13、魔法使い Lv13、魔術師 Lv13、

狩人  Lv19


エイミー

・魔鎧 Lv19、

魔戦士 Lv19、魔闘士 Lv13、魔騎士  Lv19、

魔剣士 Lv19、魔槍士 Lv13、魔刀士  Lv13、魔斧士 Lv13、魔弓士 Lv19、

探索者 Lv13、冒険者 Lv13、魔法使い Lv13、魔術師 Lv13


エルシア

・狼人 Lv15、

獣戦士 Lv15、獣闘士 Lv13、獣剣士 Lv13、探索者 Lv13


エミリア

・犬人 Lv14、

獣闘士 Lv13、獣槍士 Lv13、探索者 Lv13、従者  Lv13


ロミーナ

・ドワーフ Lv13、ドヴェルグ Lv13、

剛斧士 Lv13、探索者 Lv13、従者  Lv13、鍛冶師 Lv14


ミリアリア

・エルフ Lv15、

精戦士 Lv15、精弓士 Lv15、探索者 Lv13、裁縫師 Lv15


シャルロット

・機人 Lv10、魔鎧 Lv10

魔法使い Lv10、魔術師 Lv10、機巧師 Lv10、従者 Lv10


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