表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

96/100

ツッコミ 93 〜サメは乗っても乗られるな〜

 ホホジロザメへと進化したシロイルカは、中々の凶暴性を発揮した。


 先ず、近付けば噛み付こうとしてくる。乗ることもままならない。乗ることに成功しても、その後が大問題だった。


「こいつ、動かないぞっ!?」


 みんなでその背中に乗ってみれば、たちまち動きを止めてしまうホホジロザメ。頭を叩いてみても、背びれを弄ってみても、何の反応も示さない。


「元気のないサメなんて、サメじゃないでしょっ!」

「何を興奮していますの?」


 どうやらアリシアには、ボクが興奮しているように見えているらしい。


「ちょっと待って、ボクのどこが興奮しているように見えるのさ。ボクは今、サメに乗っているんだよ? 人を襲って当然の、凶暴なヤツにだ。軍艦を平気で襲い、壊滅させ、雑なCGで人を襲ってはシリアスなシーンなのにコメディに見える魅惑の生物に乗っているのだよ? それがまったく動かなくなってしまったのなら、それはとてもショックなことだと何故分からんッ!」

「興奮してんじゃねーか」


 ルートの言葉は尤もである。


「そう言えば、宇宙生物にもサメと名がつくものがいたはずです」

「ほほう、興味深いね。どんなサメ?」

「なんでも、無重力下の飼育実験をした結果、体内にブラックホールを生成する術を身に着けたサメだそうです」


 意味分からんのがサメ映画っぽくて好き。


「何でも食らいつくそのサメに噛みつかれると、体内のブラックホールに飲み込まれてしまうのです。その飲み込んだ体積を、徐々に自身の身体の大きさに反映していく」

「じゃ、あたりにあるものを食べつくせば、相当な大きさになるんじゃない?」

「その通りです。次第に宇宙の暗黒物質まで飲み込むようになり、その大きさは加速度的に増していく。しかし、天敵もいるのです」


 サメの天敵……人間か?


「その名も、シャッチリコーン。宇宙シャチです」

「シャチ離婚?」

「いえ、繁栄の象徴です」

「シャッキリなコーン?」

「いえ、もろこしではありません」


 名前が最早大喜利。


「そのシャッキリだコーン、強いのか?」

「いえ、シャッチリコーンです、ルート。シャッチリコーンは群れを成す光子形成体シャチであり、巨大化するサーメリックライブを飲み込むのです」


 アリシアの母性の人達のネーミングセンスが独特すぎる。


「そしてシャッチリコーンは解放されたブラックホールを正常化し、新たな星の卵を産み出すのです。それが、ホワイトロリー化現象と呼ばれています」


 さっきから名前が美味しそう過ぎる。


「じゃあ、もしかしたらこのホホジロザメも、次の駅に辿り着いたらシャチになるかもしれないな」


 そんなルートの言葉で会話は締め括られ、同時に電車も到着をした。それでもサメは動かない。サメならサメらしく、電車ぐらい丸呑みにしてやればいいのに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ