14.5話「レッツゴー地獄の夜祭!」
「いらっしゃいませー!」
「へいらっしゃい!」
「・・・・・・・・いらっしゃいませ。」
ここは悪の組織の駐車場。
ではなく町の駐車場の敷地。
エヌ様の仲の良いお友達から貸してもらっている場所だ。
私たちは今ここの敷地を貸し知ってお店を開いている。
いきなり屋台が出来るのかって?
どうやらエヌ様は近々移動販売のお店をやろうと思っていたらしく料理系の資格免許をこっそり取り、県や保健所に申請を出していたようです。
そして最近許可が下りてやろうとしていたそうで。
「なあ?レイゾウコ!日が沈んでるのに暑いな!炎の中みたいだぞ!」
横にいたセンプウキライオンくんが話しかけてきた。
「・・・・・・そうですよ。センプウキライオンさんは分かるのですが。なんで僕なんですか?今日は仕事してきたのに。」
不服そうにハンマーカメレオンが頬を膨らませながら言う。
「あら?もしかして予定入れれたの?ごめんなさいね!」
レイゾウコは謝罪した。
「大工仕事なんて肉体労働でとても疲れているのに。でもカメレオンちゃんがいると助かるのよ。力持ちだしそれに女性がこの怪人グループ、少ないから。」
「力だったらゴリラさんが・・・・・・・」
「ああ、テレビゴリラ君?あれは無理よ。だっていつでも『力こそがパワー!』と思ってる方だし。それに・・・・・・」
レイゾウコは目を伏せた。
あまり言えない事だった。
だってそれは・・・・・・
「あ奴の腕毛が入るかもしれないからな!」
皆が忘れていた。
彼の事をを。
言いたい事、思った事を口にしてしまうその彼の名は。
「おいセンプウキライオン!お前失礼だぞ!」
少し離れた場所にある出店から声がする。
テレビゴリラだ。
その店の名前にはこう書いてあった。
― 金魚すくい ―
ねじり鉢巻きをしたテレビゴリラがセンプウキライオンを睨みつけた。
「エヌ様の分け方で班を作っただけだろ!変な噂になるようなこと言うな!」
「じゃあ力持ちのお前がここにえらばれなかったのは?」
「それは・・・・・・」
「わかんないじゃねえか?ほれ見たことか。毛が入るからだよ。」
苛立ったゴリラが出店から飛び出してきた。
「おめえだって毛が生えてるじゃねえか!」
「僕のは頑丈で抜けないですー!あと同じ班じゃないからあっち行ってください!」
「煽ってきたのはお前じゃねえか!おめえはただセンプウキだから冷やすって思われてそこに配備されたんだろ?」
「ああん?何を?」
「はあ?おめえこそ!」
そんな時だった。
「ゴリラさん。金魚すくいお願いします。」
出店の方から声がした。
ゴリラには知ってる声だった。
「よく来たな!タケノリくんとお母さん!すぐに用意するから楽しんでいって!」
テレビゴリラがよく交差点で会う男の子だった。
さっきまでの声が嘘のように優しい声に戻っていた。
そう接客しながらゴリラは店に戻っていった。
喧嘩相手がいなくなってつまんなそうな顔をするセンプウキライオン。
その時だった。
「あっ!レイゾウコちゃん。」
「あら、持月さん。いらっしゃい。」
「なっ!?」
センプウキライオンは固まる。
かき氷の出店にレイゾウコの仕事場の女性、持月さんがやってきたのだ。
それだけではない。
浴衣姿だ。
「可愛い浴衣ですね。新調したの?」
「いいえ。母のおさがりなんです。落ち着いたこの色が結構好きで。」
「うん。私も似合うと思っているわ。ねえ?カメレオンちゃん。」
二人はカメレオンの方を見る。
そこには一生懸命かき混ぜているカメレオンが。
「はいっ!・・・・・・・・可愛いです。可憐です。綺麗です。」
ハンマーカメレオンが答える前にセンプウキライオンが言う。
センプウキライオンは彼女に首ったけ。
いわゆる大好きなのだ。
そんな彼女がおめかししてきたら・・・・・・
さらに惚れてしまうやろ!
「・・・・・・かき氷お待たせしました。400円です。」
「はい。カメレオンちゃん。またうちの店に買いに来てね。」
「は・・・・はい!覚えていてくれた・・・・・嬉しい。」
「ハリケーンレオ君も喧嘩しないで頑張って!」
「はいっ!この僕、ハリケーンレオ。頑張らせていただきます!」
そう言うと持月さんは代金を払って出て行った。
その後、ハリケーンレオはかき氷を生産しまくることに。
「クマさんや。」
「どうしたんですか?ハトドケイさん。」
ここに別の出店に二人。
ラジカセクマとハトドケイだった。
ラジカセクマの後ろからはあの曲が流れていた。
よ〇こみ君。
― ぱぱぱらぱーっぱぱぱらぱーっ ―
何処かのスーパーに入るとかかっているあの曲だ。
「何であなたの肩から音楽を流さないんですか?」
ふとした疑問を投げかけるハトドケイ。
それに対しラジカセ熊が応えた。
「このブレスレットで人間体になってるわけですしその体から音楽かかったら怖いっすよ。」
そう二人は人間体に変身していた。
「でも君のラジカセの体がもったいなく感じてしまって。」
「なんとなく分かりますが気にしなくていいっすよ。それよか焼きそばバンバン売っちゃいましょう!」
やる気満々のクマ。
それは何故かって?
人間に変身したら周りが自分を怖がらないからである。
いつも恐れられているラジカセクマ。
そんな彼が今幸せを・・・・・
「お兄ちゃん焼きそばをくれ!」
「はい!500円です!」
「ほいよ!」
「ありがとうございました。」
おじさんは焼きそばを買って帰っていった。
販売する度に感動するハトドケイ。
大きい腕輪を猫又博士に頼んでよかった。
「よかったぽー。」
そう実感するハトドケイであった。
ちなみに猫又博士とエヌ様は・・・・・・・
「そこの坊主、せこい事するんじゃないにゃ!」
「はいよ!ほれにゃ。」
「お見事にゃ!」
猫又博士は型抜きを経営。
「はい!おめん屋へようこそ!」
「ヨーヨー釣りはいかがですか?」
エヌ様はおめん屋とヨーヨー釣りの二種類を経営していた。
忙しくて長い夜祭りが始まる。
まるで百鬼夜行みたいに列を連なって。
この怪人の開いたお祭りが終わるのはしばらく後になる。
その後、彼らが美味しいかき氷を沢山食べることに。
「うまい!おかわり!」
その幸せなひととき。
そして次の日、全員疲れが残ってしまい仕事にひびくのであった。




