13.5話「命をいただきます。」
始めまして。
あっしの名前はラジカセクマ。
よろしゅうお願いいたす。
最近生まれた怪人でっさ。
― パーン! ―
近くで銃声がする。
あっしじゃありませんぜっ?
マタギのおじき達が今、森の中で狩猟をしている。
あっしはその見張りで同行しています。
「おーい!くまさんや!」
「あ、はーい!!」
呼ばれた。
多分獣を狩猟したんだろう。
大きい場合は呼んでくれと伝えてあるから。
「いま行くんでまってくだせえ!」
「あいよ!」
森の中に向かう。
― ちりんちりん! ―
クマ鈴が鳴る。
クマなのに何でつけてるかって?
あっしは熊じゃごぜえません!
ラジカセの付喪神に熊系要素と人型遺伝子を足しただけ。
だから実質、熊じゃごぜえませんよ!
「クマ―!重いんで早く来い!」
「向かってますって!待ってくだせえ!」
一生懸命走った。
走るせいでちりんちりんも爆音だ。
ようやく目の前に猟師が見えてきた。
八崎さんだ。
右には藤元さん。
その真ん中には・・・・・・・
大きい熊だった。
人間二人分だ。
「おー来た来た!ラジカセクマ。今日の獲物は・・・・・」
「クマか?」
「ああ、すまんな同族を。」
「ちょい・・・・・・・」
「最近クマが多くなってな。猪くらいなら一人で何とかなるんだがさすがにクマはな。あ!すまない悪口では・・・・・・・」
「ちょ!ちょい待て!」
さすがに会話を止める。
このまま勘違いさせたままだと面倒な感じになるからだ。
あっしは全部説明する。
二人は首をかしげながら一応頷いてくれた。
「森の中で住んでる熊ではなくラジカセをクマっぽくした奴なんだな?」
「俺の例えだがピカ〇ュウの目覚まし時計とかあるがあれと同じってことだな?」
解ってるんだかわかっていないんだかまあいいさ。
大体わかってるならかまわんか。
「なんであっし、熊じゃないんで。」
「ならまあ。かまわんか。なあヤザさん」
「ああ。じゃあ、森の悪さをする害獣さ。仕留めに行くぞ!」
「「おう!」」
こうして三人は害獣駆除を始めた。
二人が銃でとらえてあっしが運ぶ。
そしてもう一人。
藤元さんの奥さんが捕まえた獣たちを処理をする。
藤元さん家はこの県で有名な大きな居酒屋だそうだ。
ジビエをメインにして販売しているって言ってた。
一日かけて結構な量になったが居酒屋で三日ぐらいでさばいてしまうぐらい大人気の店らしい。
行ったことが無いので知らんが。
処理して冷凍のトラックに詰め込む。
藤元さんの従業員が運んでいた
「店に来るか?」
トラックを見ていたあっしに藤元さんが声をかけてきた。
「い、いや。運んでる時に血でベトベトになってんで。」
「かまわんよ。俺の家で落せばいい。なぁヤザさん。」
「そうだぞ。ラジカセ。お前、藤元さんに気に入られてんだぞ?珍しいんだぞ?あの堅物偏屈ジジイの藤元さんに。」
「そうそう。堅物偏屈ジジイ・・・・・・おい八崎!」
「あははははははは・・・・・」
二人は笑い合ってる。
良いな。
こんな関係。
そんな時だった。
― ポン! ―
背中を叩かれた。
藤元さんの奥さんだ。
「何してんだいあんた?」
「あ、いや。」
「そこでちじこまってのかい?」
「でも二人みたいな関係にはなれねっすよ。」
あっしは横を向く。
「何だい?若いもんがそっぽを向いて!」
奥さんはあっしの頭を掴む。
奥さんの力が弱いので顔を向けることが出来ないようでそちらを向くようにした。
「あんたも混じっていいんだよ。彼らに。うちの旦那が認めたんだからな。ただし仲間からにげんじゃねえよ!?」
「・・・・・・・・うす。」
「じゃあ!うちに来なっ!服も洗ってあげるから!あんたたちも早く車に乗りな!」
組技をしている二人に奥さんが声をかける。
「お、おう!あきな、今行く!」
「奥さんすみません!お世話になるっす!」
二人は走ってきた。
全員車に乗る。
ハイ・・・・・なんと買って車に乗ったがぎゅうぎゅうだ。
「ラジカセ、いい辛いからクマ吉な。これからもよろしくな!」
「二人できつかったんだよ。ね?藤元さん」
「こ、これからもよろしくおねげぇします!」
「ああ、よろしくな。」
「仲間が増えましたね。ありがたいな。」
そんな時だった。
― バン! ―
「待たせたわね、あんた達。さ、行くわよ。」
その声にあっし以外二人は車についている取っ手を掴む。
「気を付けろ。クマ吉。」
「酔わないようにな。ラジカセクマ。」
「は?」
その数分後、彼女の運転がすごく危ないことを知ることになる。
着いた後三人はギブアップして吐くことに。
その後、奥さんの作った料理を食べることになるのだが。
まったく味が分からなく申し訳なくなるのであった。




