12話「ハンマーカメレオンVSブルーシャインダー?」
朝も早くから棟梁から呼び出しがあった。
僕は今、一人建設現場にいる。
今日は前の建築に使った物のお片付けがお仕事です。
僕は周りの人間より力持ちなので。
いつもこのような仕事を任せてもらってる。
一人で任せてもらえるようになったんだから頑張らないと。
急いで軽トラックに載せて・・・・・・
そんな時だった。
「おい、お前。誰もいない建築現場に何でいるのじゃ?しかもよそ様の軽トラを漁って何やってるんじゃ?」
後ろから声が聞こえた。
振り向くとご老人がいた。
「あ、すみません。」
つい出たこの言葉がご老人の心の火に油を注ぐ。
「すみませんと言うことは悪いことをしてるって自覚があるんじゃな!折角もらった仕事を休んでまですることか?この怪人め!お仕置きをしてやる!」
「あ、そう言う意味ですみませんと言ったわけではなくて・・・・・・」
「言い訳はいい!覚悟!」
ご老体は持っていたホウキを振り回してきた。
この動きは知っている。
何処かのDVDで見たような。
「くらえ、昇竜流戦術ホウキの突き!そりゃ!」
「うわ!」
「えい!やあ!」
「あぶ!ないって!」
「流れるようにくらえ!」
「もうっ!」
この動きってどっかのカンフー映画で見たような。
素早い動きが基本だけどご老体の体ではうまくできていない。
「何故かわすんじゃ!」
「あ、当たったら痛いからです!」
「あたりまえじゃ!紺蔵衛門君家のトラックを漁ってるからじゃ!」
「紺蔵衛門って誰ですか!?長谷川棟梁の軽トラックですよねっ?」
「長谷川・・・・・・おめえ、まさか!」
「え!?」
その時だった。
青色の閃光が走る。
僕は一瞬で吹き飛ばされた。
「い、いたた・・・・」
畑を超えて空き地まで。
普通の人間だったら即死亡ぐらい。
「な、何を・・・・」
「何をするのですかって言いたい様じゃな?カメレオン怪人。」
そこのは青いスーツを着た・・・・杖を持った腰の曲がったヒーローがいた。
もしやこの方は。
「自己紹介をしておこう。ワシの名前は長谷川紺蔵衛門。またの名を・・・・・」
持っていた杖をくるくる回す。
それを上空に投げ見事自分の前に突き立てるように落下させ地面に突き刺す。
「ブルーシャインダーじゃ!」
後ろから拍手が聞こえる。
さっきのお爺さんだ。
「紺蔵衛門君、かっこいいのう!」
ヒーローを見るような目を・・・・・
その時だった。
また私の体は吹き飛ばされた。
「名乗りの後のよそ見は禁物じゃ。それは戦いの始まりの合図!」
「ぬお!」
首に杖を突きつけられたまま吹き飛んでいる。
く、くるしい!
シャインダーの話はかなり前から聞いていた。
緑のシャインダーがゴリラさんに夢中とか黄色のシャインダ―がゾウコさんと一緒の職場とか。
この間シルバーがいてエヌ様に瞬殺フルボッコとか。
その一人と今対峙している。
「どうした?若いの。爺様の動きに追い付けんかの?」
「ち、ちがう!」
「むん?」
杖で連撃を繰り出す。
カメレオンだから僕のスピードは他の怪人より遅い。
だけどパワーと持久力ならある!
僕も・・・・・戦おうと思えば戦える。
でもこの方は・・・・・・・多分棟梁のお父さん。
怪我なんかさせたら棟梁が悲しむ。
「おーい!紺蔵衛門くーん!わしの話をー聞いて―くれー!」
遠くの方でさっき怒鳴ってきたお爺さんがブルーシャインダーを呼ぶ。
さっき積んでる車を見に行ってたな。
でもブルーシャインダーはそれを気になど止めず杖で突いてきた。
「さっきのはわしのー勘違いじゃー!車の窃盗や工具ー泥棒しているかとー思ってー。」
一生懸命声をだしているが親友を無視するブルーシャインダー。
何故止まってくれないんだ!?
「ワシの友達を攻撃するなんて許せんのじゃ!」
「ちょっと話を聞いていましたか!?」
「人を襲っていた証拠があるんじゃ。お前の話など信じない。」
「だから襲っていたわけじゃなくトラックに機材を片付けていて。」
「だったら何でワシの友達と戦闘を行っていたんじゃ!」
「もー!だから僕は!」
「現行犯じゃ!許してはおけんな!」
聞く耳持たずだ。
どうしたらわかってくれるんだろう。
彼の友達も言っているのに!
その時ふと思った。
もしや!?
僕はブルーシャインダーの攻撃をワザと喰らう。
「きゃふ!」
スピード&連撃を直に喰らい吹き飛んだ。
「連撃から自分を守れなくなったんじゃな!カメレオン怪人!」
停止するブルーシャインダー。
ころがる僕。
コロコロ転がっていく僕。
だけどこれは僕の作戦だ。
転がった先はさっきホウキで襲ってきた彼の友達の横。
「あ!」
僕のしようとしていたこと気が付いたシャインダーはスピードを上げて襲い掛かる。
それより先に僕は・・・・・・・・
「説明お願いします!」
彼を盾に使った。
そう言うと彼はブルーシャインダーに説明をし始めた。
その後ようやく和解して平和が戻った。
僕はこう思った。
さっきの親友の声を無視したんじゃなく声が聞き取れなかったのではないかと。
ご老体あるあるで耳が遠くなるって聞いたことがあった。
そう思った僕は彼の友人に直に説明させる方法を思いついたのだ。
「ゴメンのぅ。息子の部下だとは知っておったが源五郎を襲ってると思ってのう。すまんかった。」
「いえ、大丈夫です。かすり傷ですから。」
「紺蔵衛門君はすぐ手が出るからな。」
「おまえだって同じだろう!」
「違げーねぇわ。あっはっは」
そんな時だった。
僕の持っていたスマホが鳴る。
これは棟梁から渡された物だった。
雨などで休みの日になった時に連絡できないと困るということで持たされている。
僕は電話に出た。
アッ!
スピーカーボタンを押してしまった。
「おい!カメレっ娘!何してる!遅いけど無事か?こっちはもうみんな入りしてるからお前も早く来い!軽トラの運転は親父に頼んであるからな!」
棟梁だった。
来るのが遅いとの電話だった。
その時だった。
スマホを紺蔵衛門が奪っていく。
「おう!蒼次郎。お前、女の子にここの量任せてんのか?」
「お、親父!?」
「なあ。息子よ、仕事振るのはかまわねえが一人で女の子にやらすなよ。」
「だって親父・・・・」
「だってもくそもあるか!?普通だったら今の時間、まだ終わってねぇはずじゃぞ!それを力強いからってこの子一人に任せて。揉め事だっておきたんだからな!」
「これは・・・・」
「あとでお説教じゃ!」
ぴっ!
通話を切ってしまった。
紺蔵衛門はその後、軽トラで私を連れてゆっくり現場に向かうことになる。
着いた瞬間に紺蔵衛門は棟梁にお説教しはじめた。
それから一時間、棟梁の正座をさせられる姿を見ることに。
ボロボロの棟梁を見て僕はブルーシャインダーの真の恐ろしさをそこで知るのであった。




