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第八話 少女の視点 《現在》

 

《少女の視点》


 足音が聞こえてくる。そして目の前に立ったのは……。


「男? 人間? 一体どうやってドアを開けたというの!?」


 誰にも聞こえない声で呟く、それぐらい予想外の出来事だったのだ。


 美波は驚きすぎて、心臓がバクバクになったが同時に恐ろしさを感じ体がブルブル震えた。


「大丈夫か?」


 優しく落ち着いた声で男は喋る。そんな言葉を聞いて、次に出た感情は怒りだ。


「大丈夫な訳ないでしょ」


 孤独で今までどれほど辛かったかこの男にはわかるまい。


 喉がカラカラなのに言葉が出てくる。やはり人間の力と言うものは凄い物だ。


 わざわざ視線を合わせるためか、それとも殺すためか、男は片膝着きじーっと瞳を見て喋り掛ける。


「お前はこれからどうしたい?」


 男は確かにそういった。何これ……今の世界に王子様なんていない。助けてくれる人なんてもういないんだ。


 そして、せっかく覚悟決めたのに……そう思うけど、ゾンビにならなくてよかったと思う、そうでないと家族が報われない。


 仮にこれから生きていたとしても、食料がなければ終わりなのだから、夢も希望もないどうせ死ぬの……。


 今の私が生きても足手まといになるだけだ。


 だったら——、


「……ゾンビにならないで死にたい」


「そうか」


 そう言って男は後ろ向いて行ってしまう。待って置いてかないで……そんな孤独の気持ちになってしまった。


 一体どこでも答えを間違ったというの、ただ殺して欲しかったと言うのに、


 そうしたらまた男が戻ってきた。

 

「いぃゃ」


 そして突然美波の身体を持ち上げる。あまりの出来事に思わず、驚きの声あげてしまったのだ。


「どうするつもりなの?」


 男にお姫様抱っこされる、言葉を無視された美波はとても焦った。今のこの世界は精神がとても不安定な人が多い。


 それはどんなに優しそうな人でも言えることだ。この人はもしかして私をゾンビに襲わせようとしている!?


 そうマイナス方向に思考が動いていると、男が喋り始めた。


「口ではそうは言っているが、じゃあなぜ今死んでいない?」


「……」


 死ねる訳ないじゃない! 誰だって行きたいと思うし、そう思いつつ何も言わない美波である。


 男はペットボトルを開けると、片手で飲む。それを見ていて羨ましくなりさらに睨んでしまった。


 その様子を見て、男は苦笑し飲んだペットボトルを思いっきり歯に当たりながら無理矢理口の中に突っ込む。


 文句を言ってやりたかったが、体が水を求めていた為、仕方なくゴクゴクと飲んだ。


 そしてあとあと冷静に考えてみれば、わざわざ貴重な水を飲ましてくれたのだった。


 美波はだから言い放つ。


「あなたバカなの?」


「よく言われるけど俺自身バカだと思ったことがない」


 この自覚がない男はどうして生きていけるのかしら? 正義感強い馬鹿はすぐ死ぬ、そうじゃなければお父さんは死ななかった。


 お父さんは喧嘩で負けたことがない人だ、それですらゾンビに力負けしたのだった。


 ほんと不思議な人——顔をじーっと見ていると、


「元気にしてるかな彼奴ら」


 男がボソリと呟く、遠い目をしていた。


「死んでいるわよ」


 これは残酷なこと言ったつもりだ、しかしそうでもしないと、探すような馬鹿をする羽目になる。


 家族だからと、探しに行って結局帰ってこない人たちをたくさん見たからだ。


 諦めて違うことを考えた方がいいと思い、美波は冷たく言葉にする。


「う〜ん」


 歩きながら男は真剣に考えている様子だ。


「こう考えてくると死ぬ事はなさそうな」


 迷った末にその答えだ。美波はそんな言葉にだいぶ呆れた。


「そう、ずいぶん信じているのね。それとも優秀なのかしら?」


「ああ」


 元気よく返事する。そういうふうに言っている間に仲間がゾンビになって、無かったらいいけど、もし会ってしまったらと、男が仲間に合わないように祈った。


 そうしてコンビニから出ると、ゾンビが待っていたようにうじゃうじゃといたのだ。


 どうしてこんなにと思い考えてみる。男がお姫様抱っこしてる途中、まるで爆弾が頭に当たったように爆破して死んでいた。


 だからその音につられてやってきたのかもしれない。


 男を見ると、あっちゃやってしまったと言う苦い顔をしていた。


 百人はいるだろう、ゾンビ達は気づいたのか少しずつ囲むように近づいて来ている。


 男の周りを見てみるが、武器らしきものはない、美波はため息をつきながら言った。


「あーやっぱり駄目だったか、ここで私を下ろしなさい、それじゃないと戦えないでしょ? いやこの数だと逃げたほうがいいわね?」


「そうだな」


 もしかして囮のためにここまで連れてきたのかなと美波は考える。


 しかし、男は慌てることなく、


「舌を噛むかもしれないからしっかりと閉じとけよ」


「え?」


 思わず聞き返す一体どうやって、この軍団から避けて逃げ出そうと言うのだ。


 捕まってしまった力では勝てないの! そんなふうに喋りたかったが、先に動き出したな男だった。


 どうするつもりかと見ていたが、いきなりコンビニの方向き、ゾンビに背中を見せたのだ。


 道の方にはいかず一体何をしているのかわからなかった美波だが、いきなり男はジャンプし始めた。


 そしてひょいひょいと屋根の上を通って行く。ゾンビを追いかけてくるが上の方なのでなかなか来れない。


 それでもこの大人数のためか、ゾンビ達の頭を踏んづけて何人かのゾンビが登ってくるものがいた。


 そして驚いたことに今までと違う赤い奴が出てきた——多分変種だ、普通のやつと違ってとんでもなくと早い。


 横から見ているとどんどん追いついてくる。美波は慌てて言った。


「ねぇ! 来るわよ!」


「知ってる——」


 そういうと男の顔見ると、何故か口元が笑っている。追いついて服を捕まりそうになった時、


「はい、お疲れ」


「ガガ!?」


 突然足を大きく踏むと、家の屋根が崩れゾンビ達が落ちていった。いつの間に爆弾なんて仕掛けたのだろう。


「よくここまで計算したわね」


 思わず口に出してしまった美波、しかし男は真面目な顔でこう言った。


「あいつって感情あるのかな?」


「そんな訳ないでしょ」


 そう美波が答えると、男は頭を掻き納得するように頷いて、物凄い速さでゾンビから距離を取ったのだ。


 風に当たりながら、上を向いてゆっくりと空を見た。こんなに空を見たのは久しぶりだ。


 こうして、美波とユウサクは共に仲間になったのだった。


ここから先はまた普通通りに戻ります。


見てくださり有り難うございます。


もう一度さらりとこの小説を見て見ますと描写が少なすぎるように感じました。


ただ、書きすぎるとストーリーが進まなくなったりするので一章終わったら書き足すかもしれません。(その時はまたこうして連絡します)


そうすると500〜2000文字と書いているのに簡単に見れないじゃないか! とか考えると_:(´ཀ`」 ∠):(混乱中、決して犬の真似をしているのではない)見たいな状況です。


何か他にも意見やアドバイスがありましたら、書いて頂けるとありがたいです。(作者はとんでもなく忘れっぽいので……エッセイを見ても案外忘れます)


長くなってしまいましたが、これからもよろしくお願いします。

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