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第四話 逃走

 

 なんだか朝からとんでもなく疲れたユウサクは背伸びをし、空を見上げる。


 晴れ晴れとした、何もない空。今日は何もない土曜日なのに周りはちと静かだ。


「なんだ皆んなでお出かけか?」


 子供になった気分で、隣の家を覗くユウサク、しかし誰もいなかった。


「は〜? 私がいない間に何が起きてると言うのだ!」


 ボチボチと歩いて行くと、


「お?」


 ユウサクは人掛けを見つける。あれは竹谷のお母さんに似ていた。


「聞いてみるか?」


 この世界に人がいない状態を知らないユウサクに取って情報は大事だ。


「う"ぅぅ」


 よだれをたらしだから発音練習をしている竹谷のお母さん、本当に大丈夫だろうか?


「あの〜? 竹谷のお母さんですか?」


 恐る恐る聞くと、突然こちらの方を向く。そして顎が外れる程の大きな口を開け、


「うががが!」


「えぇ!?」


 突然、サラリーマンと同じく襲いかかってきた。ユウサクは慌てて逃げるが、さらに知らない人達もを連れて走って来る。


「このスピードでついて来られるか! 元オリンピック選手か!?」


 ユウサクは、実力を出していないが、それでもとんでもないスピードで走っているのにもかかわらず、ついて来れているのだ。


 よく見ると前の方からも血だらけの人達が来た。腹に穴が空いているのにもかかわらず、動いている奴もいる。


「何がどうなっている? もしかして召喚する場所間違った? これは違う世界なのか?」


 だったら話は分かる。異世界は何が起きても不思議じゃないのだ。


「並行世界って言ったか? 似てるような世界が次々にある世界のことを、とりあえず噛みつかれたらやばいような気がするな」


 周りを見てから屋根裏にジャンプして、最短距離でとりあえずコンビニに向かう。


「うーん、死んでいるよな?」


 足を止め所々あたりを見回すと、致命傷なのに動いている。治療する様子もない、知能のないモンスターだ。


「警察が動かないって事は何かあったか?」

 

 上から見下ろすように見てみると、警察署がガラ空きで誰もいないし、血のような塊がくっついている。


「うわー、グロ! 頭を落ちてるし、どうなってんのこれ? ドッキリ番組だったら笑えるのになーー」


 ユウサクは、途中から言葉が棒読みになり始める。それぐらい帰ることを楽しみにしていたのにこの状況が理解できなかった。


「全くなんだよ……とりあえず人がいなさそうなコンビニの場所に行って食料取ってくるか」


 こうして、家の屋根から屋根に飛び去るのだった。



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