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第十四話 爆発魔法

 

 夕方になってくると、夜に近いせいかゾンビ達も目を光らせ活発になってくる。


 そんな中、気配に気づいてゾンビ達は振り向いた時——顔が光り輝き爆発した……。


「ハハハ! 綺麗な花火だ!」


「……外見だけはな、中はエグいことになってるだろうけど」


「それそれそれ! ん? 何か言ったか」


 ユユは爆発の音で聞こえなかったらしい。ユウサクは苦笑しながら、


「何でもない」


 と、言った。


 今ユユはストレス発散中である。これを見た者は悪魔だと勘違いするほど、彼方此方爆発させていた。


「暴れてやるぞーー!!」


 爆発の音により、ゾンビ達は一斉に襲いかかるが、正直言ってユユ達の敵では無いのだ。


 そんなことを思いながらユウサクは聖剣を本能のままに振る。


 するとゾンビ達は次々に聖剣から飛ばされた細い棒が曲がった形の光に当たり、真っ二つになった。


「もうこの異常な光景になれました……今まで苦労した私たちは何だったんでしょう」


「…………どんまい!」


 これしか言うことが出来なかったユウサク、美波の苦労なんてきたばかりで知らなかったのだ。


「で、コスプレ少女は置いといて、あなたこれからどうすんの?」


「家もボロボロで使えないし、別の生活場所を探そうと思う。後は家族を探すつもり」


「そう——分かったわ」


 美波は、それ以外何も言わなかった。ユウサクは再び、ユユを見ると楽しそうにくるくる回りながらステップを踏み、屋根の上を歩いている。


「落ちるなよ」


「誰に言っておる! てや!」


 軽くウィンクをしながら、またユユはひたすら爆発させるのだった。


「——地震か?」


 だんだん揺れ始める。自然としてはあり得る現象だが、それがどんどん大きくなっていく。


「これはただの地震じゃありませんね」


「おお! 何かでかいのが来るぞ?」


 美波が分析し始めたが、よろけて思わずユウサクの洋服に捕まる。そして、ユユの方は揺れを気にしない様な落ち着いた感じで遠くを見て喋り始めた。


「オオオオオオォォォ!」


 大きな顔に身体はオーガよりもデカイのではないだろうか、身長は十五メートルぐらいで、色はゴブリンと同じ緑色、そして——、


「うぇ顔がいっぱい付いておる、これはゴースト系かのう?」


 そう言いながら、ユユもすぐさま下に降りてきた。


 ユウサクも警戒しながらユユに聞く。


「魔力で何者かに顔を殴られた形跡があるな」


「むむ、確かに……こやつ相当強敵だぞ? 少しユウサクと遊ぼうとしたが油断したらこっちまでやられそうだ」


 見ると美波の足がガタガタと震えていた。ユウサクの服を強く握る。


「気をつけてください、あれは血も唾液にも触れないで、もし触れたらゾンビみたいになります!」


 力を振り絞ったような声で美波は話すとそれに頷く二人。


「了解! 行くぞユユ」


「当然じゃ」


 美波を置いて行けないので動かない2人は、いつでも戦闘態勢に入れる様に構えると、先に動いたのは大きいゾンビだった。


「いきなりジャンプとは良いまとじゃ!」


 上から拳を向けて落ちてこようとするのを笑いながら爆発させる。


「オオオオオオ!!」


「お前人の話聞いてたか! 《閃光——消滅斬》!!」


 ユウサクは飛び散った血が降り注ぐのを、剣をものすごい速さで血を正確に切った。


「ユユ、美波を頼む! 来いよ、デカ物」


 落ちてくる大きなゾンビの拳を聖剣で押さえると、メキメキと地面にクレーターのようなものができたが、


「——っ! あぶねーー!」


 大きなゾンビが唾液を口に含んでたことがすぐ分かり、急いで離れるが、


「ウェヴェー」


「《神盾》」


 逃げたと思ったのか、大きなゾンビは唾を吐いてきたのに対して、ユウサクは光の盾で守ったが、


「溶け始めただと!?」


 驚いたのはユウサクだった。今まで魔王の攻撃も守れたのに対して一回で使い物にならなくなるなんて思わなかったからだ。


「出来たぞ! 行くぞ!」


「ん? ちょい待て!」


 ユユが上から強力の魔力を練っているのをユウサクは感じ取り、言葉を掛けるが止まらない事に慌てて引き下がる。


「《神々が作り出した大いなる太陽が降り注ぐ、超絶メテオ》」


「待てって! 言っているだろうがぁぁ!」


 さすがに大きなゾンビも異変に気づいて上を見上げるのだが、そこには巨大な高熱の太陽見たいな塊があり、鼓膜が破けるほどの爆発音で衝突する。


 ユウサクはもちろんのこと、その衝撃より吹き飛ばされ、大きく転がった。


 ユユは目の中に砂煙が入らないように服で隠し、爆発がやんだ頃に小さな瞳で魔法を放った場所を見ると地面がえぐられ、そこには何も無かったのだ。


 ユユはニヤリと笑い、胸を張って言う。


「ふん、たわいもない」


「そうかで、私に言うことあるか?」


「ひぇーー!」


 突然後ろから声をかけられユユは慌てて飛び後ろに下がるが首を掴まれる。そこに立っていたのはボロボロの砂塗れなユウサクだった。


「スミマセ〜ン! でもあのタイミングが1番良かった訳じゃ!」


「…………そうか?」


「アタタタ! ごめんなさい許して下さい」


 さらに首を締められたことにより、素直に謝ったユユを手放す。


 ユウサクはそれから美波を見るが——、


「まだ」


「!!? 本当強いなぁ」


 ユウサクの言葉、それは美波に対して言ったわけではなく。


「オオオオオオ!!」


 大きなゾンビは傷だらけで地面から出てきたのだった。


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