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ウラナイ・ミライ

 購入する短剣を選んだあと、ユーリに短剣をしまう革の入れ物も選んでもらってどちらも購入した。

 さすがに刃物を裸のまま携帯したくないし、鞄なんかにも入れたくない。

 こういう時『装備する』のコマンド一つで装備できたゲームみたいにできたらいいのにと思ってしまう。


 ユーリが言うには本当はすぐに取り出せる場所――――腰とか、太腿とかに装着するのがいいらしいけど、ひとまず鞄にしまっておこう。

 私はユーリの話を聞いて暗器使いがスカートの中に大量の武器を隠しているのを想像したが、実際はどうなのだろう。

 ゲームなんかでも設定としては何度か見たことあるけど、ゲームだと実感が湧かないからなー。今度暗器使いの人に会えたら見せてもらおっと。


「ごめんね。フラウにはつまらなかったんじゃないかな?」

「ううん。綺麗な剣を見てるのも楽しかったし、ルナおねーさんの変身で驚くユーリおねーさんを見てるの面白かったよ」

「あはは、そっか。それはよかったよ……?」


 私がやっておいてなんだけど、戸惑いでおろおろしているユーリの様子を見て楽しんでいたとは……フラウ、恐るべし……。

 だけど、ユーリのコピーだったり、武器の鑑定とかでフラウを放っておいてしまったから心配だったのが杞憂なようで助かった。


「ねーねー、この後はレティおねーさんのお店に行くの? それともまだどこか連れて行ってくれるの?」


「うーん。今日は鑑定を手に入れられたし、他にやることはないかな。一日にあれこれ予定を詰め込みすぎても疲れちゃうし、レティさんのところに行っちゃおうか」


「わーい!」


 くっ、この眩しい笑顔と喜びよう。

 契約者である私よりもレティさんに懐いているような気がする。

 やっぱり胸か、胸なのか。

 転生によってサイズダウンしてしまうとは何事なんだ……悲しい。


 ◇


「お邪魔します」

「おっじゃましまーす!」


 レティシア魔道具店。

 昨日来たばかりだが、フラウは毎日来ても喜びそうだ。

 レティさんとフラウがお話している間に私は商品の鑑定でもして眼と頭を慣らしていこうかな、なんて考えていたけれど、奥から顔を出したレティさんはなにやら慌てたように私達を呼んだ。


「ルナちゃんにフラウちゃん。いいところに来てくれたわね。今来てくれたのは都合がよかったわ」


「何かあったんですか?」


「えっとね、当然こんなこと言われても戸惑うかもしれないけど…………この町のはずれの方で占いをやっているおばあさんを知ってる?」


 占いといわれて初めはピンとこなかったから、ゲームでは出てこない私の知らない人なのかもと思ったが、よく考えてみると少しだけ心当たりがある。


「ああ、あの次の日の天気とか、八百屋の特売が何かとを教えてくれるおばあちゃんか……」


「あら、会ったことあるの?」


「あ、いえ。聞いた話です」


 ゲームでもいるにはいたけど、ストーリーには全く関係ないし、ストーリー進行に会話が必要なキャラでもない。なんなら会話パターンもそんなに多くなかったからすっかり忘れていた。

 でも、そのおばあちゃんがなんで今出てくるんだろう。

 明日の天気が雨とかいうだけならこんなにレティさんが切羽詰まったように話をしたりしないだろうし。


「知る人は知る能力だから教えるけど、実はそのおばあさんの能力、未来視なの」


「未来視? それはまたとんでもないものを……」

「すごーい! 未来が分かるなんて便利だね!」


「あまり驚かないのね。フラウちゃんみたいな反応が普通なのだけど」


 まあ、確かに驚きは少ない。

 未来視とまではいかなくも予測や観測系の能力は欲しいと思っていたものの一つだ。

 積極的に持ち主を探してまで、欲しいとは思っていなかったが、まさかこんなところで……しかも考えられる上位の力を持つ人物がいるなんてね。


 それでレティさんが言わんとしていることも大体は分かった。

 ここまで聞いて分からないのはさすがに鈍すぎる。

 面倒事じゃなければいいんだけど……。


「何が視えたんですか?」


「ぼんやりとした光景でまだ確定した訳じゃないみたいだけど……あなた、吸血鬼に襲われるらしいわ」


「吸血鬼……」


「えっ、おねーさんが?」


 吸血鬼ってあれだよね。

 あの日光に弱くて、十字架がダメとかニンニクがダメとかいろいろな弱点がある種族のだよね。

 私がそれに襲われるって、なんていう未来を視たんだ。


「もっと何か情報はないんですか。いつ、どこで襲われるとかが分かれば対策のしようがあるんですけど……」


「ごめんなさい。私もだいぶ前に聞いた話だし、伝えられたあなたの特徴とかと一致しててこの話を思い出したのもついさっきだから……」


 ということはレティさんはその占いのおばあちゃんから私が吸血鬼に襲われるということを以前聞いたということか。

 知らない誰かの未来まで視れるなんてすごい力だ。

 そんな力を持ちながら、なんでゲームではどうでもいいことしか教えてくれなかったんだ。


「分かりました。情報が少なくて何とも言えないので、ひとまずおばあちゃんに会って話を聞いてもう一度私の未来を視てもらおうと思います」


「そうね。そうしてもらった方がいいわ。でも気を付けてね。未来が視えたということは可能性があるということだから……」


 そうだね。

 でも吸血鬼か……。このゲーム、というかこの世界は亜人――――獣人とかの純粋な人じゃない存在もいるからもしかしたらと思ってはいたけど、最初が吸血鬼なんてね。

 出会わないのが一番平和なんだろうけど、出会ってしまった時の対策を立てるために、占いのおばあちゃんに話を聞きがてら、未来視の力もパクっちゃおうね。

よろしければブクマ、評価等よろしくお願いしますm(*_ _)m

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