ミライを見据えてホシイ能力
フラウの姿と力を借りて、軽く運動して力の感触を確かめた私は、家に戻りフラウと共に朝ごはんを食べている。
食事をしながら今後のことを考えて、フラウとも話し合わなければいけない。
「フラウも知ってると思うけど、私の力は模倣。姿も力も私のモノにする力。しばらくはこの力を鍛えていこうと思うんだけど、フラウは何か模倣しておいたら便利そうな力を持った人を知ってる?」
「うーん。私は風に乗ってあちこち行くのは好きだったけど、あんまり人の多いところには行かなかったからなー」
「それもそうか。深く関わらないなんの力があるかなんて分からないしね」
フラウが何か強力な力、便利な力、汎用性のある力などを持つ人物とその居場所を知っていればある程度は楽になったが、知らないなら知らないでも構わない。
私だってゲームの知識を利用して、欲しい力はある程度リストアップしてある。
戦闘に直接関係ない力でも、日常を過ごす上で役に立つ力も多くあるから、手に入れられるなら手に入れておきたい。
「フラウがいるのは心強いけど、遠出するにはまだ不安だから、アリオートを起点に探すことになるけど……まずはあの人かな」
「あの人?」
「昨日は行かなかったけど、武器屋に鑑定能力を持った人がいるんだ」
「ルナおねーさんは鑑定能力が欲しいの?」
「うん。その人――――武器屋の看板娘さんなんだけどね。その人は鑑定をお客さんが売りに来た武器とかにしか使わないけど、鑑定は人にも使える。私の解析は姿と力は取り込めても、その人がどんな力を持っているかは分からないから鑑定は欲しいの」
「ほえー。おねーさんもいっぱい考えてるんだね」
フラウの時は彼女の名前も彼女がどういった存在かも、扱う力も分かっていたからすぐに模倣できた。
いや、模倣した力をすぐに使えたというのが正しいのか。
けれど、これからはすれ違う人などからも模倣をするかもしれない。
そんな時に、模倣した相手の力が分からないから使えませんだとか、扱いの分からない力が暴発するとか、そういった可能性を考えたら……鑑定は外せない。
とはいえ、クラリスの能力だから使いこなせるようになれば鑑定に似た技能か開花するかもしれない。
そうでないと初めて会うはずの勇者の姿をパクるだけじゃなく、その力も全て使いこなすなんて芸当できるはずがない。
自前で鑑定が使えればそれに越したことはないが、今は力を蓄えるのが先決。
仮に力が重複してしまっても問題は無い。
「じゃあこれからまた町に行くの?」
「そうだね。朝ごはんを食べ終わって少し休憩したら行こうか。昨日は行けなかったところとかにも寄れるといいね」
「うん! またレティおねーさんのところにも行きたいな」
「分かった。帰りに寄ろうか」
「わーい!」
フラウは早く行きたいのか、私よりも早くご飯を食べ終わってしまった。
口には出さないが私を見つめる視線は早くと急かすようなものだったし、見るからにウキウキしているのがフラウから伝わってくるので、私も少し急いで朝食を口に運んだ。




