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DEATH PARADE  作者: 電源優寿
第二章 死神~The Grim Reaper~

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第七話 混沌とした世界〜A chaotic world〜(後編 ep.2)

デスパレをまた読んで頂きありがとうございます。

DGsとの戦いが始まります。人対人の戦い。

一話で纏めるには長すぎると思い前編と後編に分けました。

それでは第七話後編スタートです。

第七話の主な登場人物


生田勇樹(いくたゆうき):本編の主人公

生田ウェン(フィリピン人):勇樹の妻

生田星来(いくたせいら):勇樹とウェンの息子

ジーン(フィリピン人):生田家と共に行動する家族的存在

榊隆二(さかきりゅうじ):デッドゲームズのリーダー

木原誠(きはらまこと):デッドゲームズの副リーダー

足立薫(あだちかおる):元ヤクザ

藤沢那奈(ふじさわなな):星来の同級生の女の子


第七話 混沌とした世界~A chaotic world~(後編 ep.2)


デッドゲーマーズは今、混乱状態に陥ってる。

今まではグラウンドにいなかったはずのゾンビが、そこには数十体もいる。

門は両方開いていないにも関わらず、どこから入ってきたのか。

榊と木原は 3 階の女性部屋にいた。そして勢いよくドアが開いた。

「グラウンドにゾンビがいるぞ!」

幹部の男が血相を変えてやってきた。

「やっぱり、死神が連れてきたんじゃ!」

榊は怯えていた。

木原は廊下に飛出し、窓から外を見て言った。

「体育館のドアが開いてるぞ!」

木原は幹部やメンバーを集めて、校舎の全てのドアや窓の鍵を締めるように命じた。

更に木原は下部メンバーに死神と戦うようにも命じた。

「散々いい思いしただろうが!お前らは死神と戦え!」

榊は那奈の手を引っ張り、強引に連れ出して上の階に移動した。

木原や幹部達もまた上の階に移動した。


午後六時十五分―死神VSDGs―


混乱の中、校舎内に侵入する事ができた。

門番もゾンビから逃げて外に見張りはいない。

焚火台をセットして、木炭に火を点けた。煙はすぐに一階部分に充満した。

DGsのメンバーは 4 人確認できた。メンバーは煙に耐え切れず、窓を開けていく。

一人になったのを見計らって、窓の外に放り出してすぐに閉めた。

その男はパニック状態で正門の方に走り、門を開けて逃げて行った。

私は刀を抜いて残りのメンバーに言い放つ。

「殺されたくなければ、今すぐここから出て行け!」

残りの 3 人も慌てて窓から飛び出して行った。

そしてすぐに、生存者がいる教室に向かった。

「大丈夫ですか?助けにきました!」

生存者達は煙のせいで咳をしていたが、無事だった。

「し、死神ですか?」

「はい、そうです。皆さんにお願いがあるのですが、一緒に戦ってくれませんか?」

8 名の男性がいて、私はこのグループの実態を話した。皆協力してくれる事になった。

ひとまず武器になりそうなものは、ほうきぐらいしかない。

その時、正門から車が 5 台入ってきた。

「え!?ゾンビがいる!校舎から煙でてない!?」

車内から見ていた星来は状況の整理が出来ていなかったが、きっと勇樹の仕業だということは分かった。

勇樹はすぐに入口の方に向かった。

2 つある入口にぴったりと車を付け、ワンボックスカーが 5 台だったためそれぞれ、2 台と 3 台で並べるとスライドドアで車の行き来ができる。バックドアを開けて車を少し校舎内に入れれば、ゾンビの侵入も防げた。

車から皆が降りてきた。

私は現在の状況説明をした。

「俺は、足立薫と言います。協力させて下さい。 」

強面の男が言ってきた。

ひとまず逃げるのに必要な運転手はそれぞれ車に残ってもらう。

更に、入り口の前に一人ずつ待機をしてもらった。

上から見ていた榊が吠えた!

「何が起きたぁ!何で車が入ってきた!おい!おい!おい!」

イライラしながら、那奈の腕を引っ張り 5 階の教室に入った。

勇樹達は二手に分かれて、2 カ所ある階段を上がって行った。

もちろんそこにはDGsの下部メンバーが立ちはだかった。

「死神さん達は上に行って下さい!ここは俺たちで抑えます!」

数的不利な為、ウェンとジーンも 2 階に残った。

ウェン達 9 人とDGs14 人が真っ向から戦った。


3 階

廊下の中央には木原だけが立っていた。

明かりがついた教室が 3 つ。その教室のドアには数字が書かれていた。10、20、30 何の数字かは分からなかった。

私が問いかける。

「お前が榊か?」

木原は答えた。

「俺は副リーダーの木原だ。あぁ?この教室の数字が気になるか?」

「これはな、ここに入れてる女の年代だよ。遊ぶときに毎日変えられるからな!」

腐ってる!生きる為に必死なのに、こいつらは生存者の生の部分を利用して、男も女も利用している!

星来はすぐに 10 のドアを開けた。

「なな!?」

中には 5 人程女性がいたが、すぐにいない事が分かった。

「ななはどこだ!?」

星来が木原に凄んで言った。

木原は知らないというような素振りをみせる。

「星来、多分上だ。上にいる。榊も一緒かもしれない。一人で行けるか?」

私は感じていた、この木原という男に背中を向けてはいけないという事を。

星来はすぐに上に向かった。


校舎右側屋上

「まじで、無理だ、死にたくねーし。」

幹部 3 人が屋上まで逃げていた。

「だいたい誠くんが、いつも無茶するからこうなるんだよな。たばこある?」

「あぁ、女連れてくればよかった。」


2 階廊下

乱戦は続いていた。

ウェン達側には勇樹と星来が上に上がった為、ウェンとジーンと足立だけだった。

そして反対側には、学校にいた生存者含め 6 人がいた。

相手は8 人と 6人に分かれている。

ウェンもジーンも刀を鞘から抜く事はしなかった。

しかし、ゾンビと違って一撃で倒す事ができない事と、数的不利な為、連撃で疲労が溜まっている。

既に何発か喰らっていて、マスクも割れていた。

「ジーン!!Go back!!」

ジーンは前に出過ぎていた。気付いた時には 4 人に囲まれていた。

腹部に一発蹴りが入り、体を屈めてしまう。

金属バットを持っていた男がジーンめがけて振り下ろす。

「ジーン!!」

ウェンが刀を鞘から抜いた。だが、男たちをかき分けてジーンの上に足立が覆いかぶさった。

その背中を容赦なく叩いていく。

怒りの頂点に達したウェンは、対峙していた男に、刀で肩の辺りを狙い突き刺していく。

「痛てぇ!!」

男は倒れ込んだ。それを見ていた他のメンバーが恐怖で仰け反る。

その形相と立ち姿はまさに『死神』!

ジーンがすかさず銃を取り出して、囲んでいた男の足に撃った。

銃声音が学校に響きわたる。

3 人の男たちの顔が引きつり反対側に逃げて行った。

「ピストル持ってるなんて聞いてないぞ!」

ウェン達は 5 人を倒していた。

反対側では、先程の噛まれた跡がある男が、金属バットを頭部に殴られ倒れていた。

逃げて来た男達が 3 人駆けつけて来た。

「お前ら逃げるぞ!もう無理だ!殺される!」

2 人倒されていた為、残りの 4人は一緒に逃げて行った。

1 階に降りた男たちは車でゲートが塞がっているのを見て、すぐに裏口の方から出ていった。

「アダチィ!I’m sorry. Are you dead?」

ジーンが足立の頭を膝の上に乗せて確認をした。

「ジーンちゃん。俺はまだ死んでないです。」

かなり苦しそうだった。だが、幸せそうにも見えた。

「Let’s put the injured people in the car.」(怪我した人達を車に乗せよう)

ウェンが反対側の生存者達の方に行った。

「ウェンさん!1 人やられてしまいした。」

ウェンが噛まれた跡があった男の脈をとってみたが、死んでいた。

「ケガシタヒト、クルマイッテ。」

皆がかなりのダメージを負っていて、中々一人で歩けそうもない為、全員で肩を貸し合いながら、下に降りて行った。


2 階廊下の戦い―死神勝利―


3 階廊下―2 階の決着が着く数分前―

「木原。お前に聞きたいことがある。」

私は鞘を付けたままの刀を構えながら言った。

「ここには元々避難してた人達がいたんじゃないのか?」

木原が少し顔を歪めて言った。

「やっぱ、あんたが体育館を開けたんだな。見たんろ?」

私が体育館で見たのは、数十体のゾンビと頭部を激しく損傷した複数の死体だった。

首から掛けている物を見たら、恐らくは学校の教員。

表に立てている看板は、元々が避難していた教員達が立てた物だったと推察できる。

ゾンビはその教員達が体育館に閉じ込めたのかもしれない。

「俺たちがここに来た時、学校の先生達がいてさ。他にも生存者がいたんだよ。りゅうちゃんが、いずれ食料が尽きるから、殺してしまえって言ってね。先生達を一人ずつ呼び出してさ、殺ったわけ。そしたら、女の先生に見られてさ。その先生が命乞いをしたわけ!なんでもするから殺さないで!って。うははは!!それがきっかけだよね!あぁ。その先生ならまだ 30 の所にいるよ、廃人みたいになってるけどね!」

私は菅原の時よりも怒りを覚えた。

菅原や政府がこの国を見捨てなければ、こんな怪物は生まれていない!

その時銃声が響いた。

「お前ら銃まで持って・・・!!」

私は銃声と共に木原の首に斬りかかろうとした。

木原はすぐに反応し、持っていたバットでそれを防いだ。

すぐさま腹部に刀を当てた。

刀身なら今ので重症だが、鞘だったので打撃を当て間合いを取った。

木原は 190 ㎝を越えていて、私は 175 ㎝だ。更に木原は体も大きい。

対格差があり過ぎる。

バットを振り上げて突進をしてきた。振り下ろしたバットを刀で防ぐが、あまりの力の強さに、防いだ刀ごと私の頭に押し込んできた。

すべて大振りだが、直接の打撃は防げている。

しかし次の瞬間、目の前に金属バットの先端が見えた。

突き!?

不意をつかれて、顔面に一撃入った。

衝撃でマスクは割れて、立っていられない程に脳が揺れた。

更に木原は、私の顔面めがけて膝蹴りをしてきた。

防ぎようがなく、もろにくらってしまった。

私の体は吹き飛び意識が飛んだ。

でも頭の中は何故か昔の事を思い出す。

思えば、格闘経験なんて子供の頃に空手を少しやっていただけ。親父に連れられて毎週行くのが嫌だった。中学に入り、野球部に入って皆と一緒に練習してるのが楽しかった。高校もそのまま野球をしていたし、甲子園なんて目指せるほどの強豪校じゃない。それでも楽しかった。

で、なんの話だっけ?

木原の攻撃が止まった。

私は人間の防御本能というべきか、頭を腕で覆い隠すように守っていた。

ゆっくりと目を開けてみる。

捕まっていた女性たちが木原にほうきで殴っていた。

「うざってーんだよ!」

しかし、木原の一振りで女性達は吹き飛んだ。

再び私の所に来た、顔は狂気染みている。

殴りかかろうとした瞬間、木原の背中から物凄い音がした。

まるで散弾銃でもあたったかのような音だった。

散弾銃?私は思い出した、あの痛みを。

体を起こし木原の後ろの方を見た。

ウェン!

ウェンが BB 弾で木原の背中に当てたのだ。木原が痛みを堪え、後ろを振り向いた瞬間に再びウェンの散弾銃が繰り出された。

「痛ってぇ!!目に入った!!」

目を抑えてバットを落とした。それを拾い上げて、私は最後のチャンスと思い、まさに渾身の一撃を木原の顎めがけて振り上げた。

木原の体が一瞬浮いたようにも見え、そのまま膝から崩れ落ちた。

倒れそうな私をウェンが駆け寄って支えてくれた。

「ありがとうママ。」

私はそのまま気を失った。


3 階廊下―死神勝利―


5 階明かりのついた教室前。

僕は、4 階の教室を全部開けてまわったが、そこには誰も居なかった。

5 階にはこの教室しか明かりはついていない。

勢いよくドアを開けた。

中には、抵抗する那奈と榊がベッドで向き合っていた。

「なな!・・・さ、か、きぃ!おまえぇ!!」

那奈の洋服が脱がされそうになっていて、それを見た星来の怒りは、頂点に達している。

星来の声を聞いた那奈が泣き叫ぶ。

「星来なの!?助けて!!」

既に刀を鞘から抜き、榊に斬りかかろうとしていた。

その瞬間、榊は銃を取り出して 6 発の銃弾を撃った。弾切れを起こし銃を捨てた。

「あはは!馬鹿が!無防備に飛び込んでくるからだよ!」

左こめかみ付近に打ち込まれた弾は、マスクをしていたお陰で、かすめる程度に済んだが、かなりの出血量だった。更に、太ももを貫通する 1 発。それ以外は、全て外れてい

た。

星来は仰向けで倒れていた。


~星来と那奈~

4 年生の時に同じクラスになった。

星来も背が高い方だったが、那奈は学年一背が高かった。

彼女は自分の背の高さがコンプレックスだった。常に背中を丸め、自分を小さく見せようとしていた。そんな、那奈は 1 人の男の子に恋をしていた。

星来もそのことには気づいていたし、特にその時は何も思っていなかった。

でもある時、

「那奈ってデカいよな。やっぱ女の子って小さくてかわいい子がいいよな。」

那奈が恋心を抱いている男の子の一言だった。

傷つき泣いた。泣いて泣いて泣いた。

星来はずっと落ち込んでいる那奈に気づきそっと隣に座った。

「僕がさ、学年一背が高くなれば、ななは二番になるわけじゃん?頑張って背をのばすからさ!そしたら、ななの身長だって普通に見えるんじゃない?」

星来の笑った笑顔と言葉に那奈はまた泣いた。

「もし、ななが傷ついた時は僕を頼っていいよ。僕がななを守るから。」

「星来って喧嘩しないじゃん。優しいんだから、今みたいに言葉で励まして。」

涙を拭いながら笑顔で言った。

それ以来、2 人は仲が良くなった。

お互いにこの先もずっと、一緒にいたいと思っていた。


仰向けで倒れていた星来が、痛みを堪えながらうつぶせになった。

「ななを、泣かせるな!ななを、泣かせるな!」

那奈の目には大粒の涙が零れていた。

星来を見ていた榊が馬鹿にして大笑いをしていた。

(ねぇジーン。銃ってどうやって撃つの?)

(セイラ Gun ホシイ?)

(僕は力ないから、いざって時に。)

(OK!パパトママ secret ネ!)

「うわぁぁぁ!!!」

星来が雄叫びを上げながら、後ろポケットから銃を取り出した。

密かに教えてもらった撃ち方と、密かに手に入れていた銃を使って、榊に 1 発銃弾を放った。

その弾は榊の左鎖骨上に命中し貫いた。

榊は激しい痛みと共に気絶した。

那奈がすぐに星来の元に駆け寄った。

「星来!ごめんなさい!ありがとう!」

ぎゅっと顔を抱きしめた。

「今なら、ななより背が高くなったかな?」

その後すぐに那奈の父とウェンが駆けつけた。

「お父さん!星来が撃たれた!助けて!」

「セイラ!」

ウェンも悲しみと怒りに満ち溢れていた。

榊に止めをさそうというような形相だ。

「ウェンさん!すぐに下に運びましょう!必ず助けます!私は医者です!」

那奈の父がウェンを抑えて星来を 2 人で運んだ。


5 階教室―死神勝利―


車には既に勇樹も運ばれていて、意識は戻っていなかった。

星来も車に運ばれてきたが、星来もまた意識はなかった。

「セイラ!Why!」

ジーンが泣きながら星来の傍に寄った。

皆が車に乗り 5 台の車は出発をした。


死神+生存者

結果

重傷者:5 名(勇樹、星来、足立含む)

死亡者:1 名

救出:男性 8 名 女性 22 名


デッドゲームズ

結果:重傷者 9 名(榊、木原含む)

死亡者:0 名

逃亡者:11 名

未参加:3 名


緊迫した状態だが死神の勝利として幕を閉じた。


「どこかで安全な場所ないですか?」

ウェンとジーンが顔を合わせて言った。

「ワタシタチノトコロ!」

ジーンが地図を見せて指さした。

車は拠点へと向かう。


「A chaotic world」


第七話 終わり

満身創痍のまま終わった戦い。

死神チームはもうボロボロです。

それでも目的である救出に成功した事で勝利となりました。

次はDGs側のその後。

次回予告

榊と木原と幹部3人によるその後。

第八話 ゲームの終わり

是非次回も読んで頂けると嬉しいです。


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