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The Goddesses We Love.  作者: 初月・龍尖
The only star I've ever wanted.
18/21

Aquarium.

 

 ウタイの的確なナビゲーションを子守歌代わりに後ろの席に座ったシユさんはこくりこくりと舟を漕いでいた。

 バックミラーに写るそんな姿を見て俺はこれは本当に現実なのかと自分に問いかけていた。

 ちらりと視線をウタイに向けるとばちっと目が合った。

「キイくん。前見るッス」

「うぃ」

 静寂で車内が満たされて眠たくなる様な時間が過ぎ。

 辿り着いたのは深海水族館だ。

 

 車から降りて伸びをしていると首筋に冷たい物が当たった。

「冷えっ!」

「お疲れ。エナドリだけど、飲む?」

「なんだユウか。エナドリ? もしかして、あの保冷バッグの中は全部エナドリか?」

「全部じゃ無いよ。じゃあ缶コーヒー?」

「あー、ありがとう」

 ユウから差し出された缶コーヒーはご当地ブラックだった。

 この地域の物じゃないご当地缶コーヒー……。

 変なルート持ってんなアイツも。

 

「室内はほぼ真っ暗なのね。これなら帽子を取っていても大丈夫かもしれないわね」

 そう言って帽子を取ったアマさんの顔を見て俺はあんぐりと口を開けた。

 後から聞いたら隣でウタイも同じ様に口を開けていたらしい。

「アマちゃんは光アレルギーなんだ。だいぶ治って来てるけど」

「そ、そうなのか」

「……ッスか」

 アマさんは東洋人とは言えない顔立ちをしていた。

 モデルと言われても通用しそうな顔立ち。

 そして、薄暗い室内でも目立つような真っ白な肌や髪。

 ウタイは「マジ、大物アーティストかと思ったッス」と振り返っている。

 

 シユさんとアマさんはウタイの手を引いてささっと奥へと駆けて行った。

 俺らはその後をのんびりとついてゆく。

「ユウ、あんな大物どこで釣り上げたんだ?」

「ネット」

「それ本当の話?」

「嘘言っても判るっしょ」

「それはそうだけど、聞きたくなるでしょ。普通」

「チカにも言うけど、あんな合法をどうやって見つけたんだ?」

「同期」

「マジ話?」

「嘘言っても判る定期。あ、キイの出会いは共演だよ」

「おい、俺にも聞いてくれよ」

 そんな話をしながら歩いていると俺らは女性陣へ追いついたようだった。

 そこは大きな水槽がありそれを見上げる3人の女性。

 並んで見つめる3人の傍へ寄ってゆく俺ら。

 いい雰囲気だってのは判ったけど流石にキスは出来んな。

 そんなもやもやが残ったまま車に乗り込み元の駅まで車を走らせた。

 車内に入る時に誰かが「ちぇっ」と言った気がした。

 

 

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