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陰to陽  作者: 黒川一
ー黄昏編ー
19/82

第16夜 陰陽師






「陰陽師って歴史の授業に出てくるやつだよね…?」

視線をやや上にし、明里は記憶を辿る。


「そうだけどちょっと違う。

熱っ!ぺっぺっ。

…史実に出てくる陰陽師は主に政治的な側面じゃん?

本当の陰陽師の力は陰素と陽素を理解してそれをエネルギーとして使う事。」

漆原は自分で淹れたお茶で火傷しながら説明する。


「えーと、よくわかんないんだけど簡単に説明してくれないかな?」

お茶をすすりながら当然の返答をする明里。


「白石さんそんな熱いのよく飲めるねー!

犬舌だね!犬舌!

えーと、つまりこの世は大まかに分けて陽と陰の2面性で成り立っているんだ。

光と影、太陽と月、熱と冷、人間で言うなら善と悪ってところかな。

それを陰陽師は陰陽道っていう分野から実際にエネルギーとして使うって事。

大分端折ったけど大体こんな感じ。おk?」

漆原は自分の淹れたお茶の熱さに堪えきれず、舌を出して冷却しながら説明する。


「うーん…さっぱりだけど、わかった事にするよ。

で、それと今回の事とどう関係があるの?」

明里は火傷した漆原を心配する素振りを見せながら核心に迫る。


「大ありだよバブみ先輩。

陰と陽は対極であると同時に惹かれ合っているんだ。

あの黒い奴は陰のエネルギー体…

そして白石さん、"なぜか"君は陽素がほとんどの割合を占めている。

陽素っての陽のエネルギーのことね。

普通人間は2面性を持っていて、どんな奴にも善と悪の面がある。

だけど君にはそれが当てはまらない。

そして陰のエネルギー体のあいつは陽素の塊みたいな君を取り込もうとしてるってわけ。

君、今まで霊に憑かれやすかったりしなかった?」



"お前は幼い頃、悪霊や物の怪に憑かれやすい体質じゃった。“


祖父の言葉が蘇る。



「お祖父ちゃんが言ってた…

私は幼い頃、悪霊や物の怪に憑かれやすかったって。」


「そうゆう事。

白石さん少し前、学校で俺とぶつかったでしょ?

その時に君の特性に気付いたんだよ。

まあ、まだその段階では普通の人より少し陽素が強いぐらいの感じだったらしい(・・・)けど。

そして君をしばらく観察させてもらってた。

そしたら急に学校に来なくなって、しばらくしてやっと出て来たと思ったら陽素100%であの化け物に憑かれてるんだもん!

びっくりしたね、全く!

てことで話は長くなってしまったけどこの数週間で何があったのか話してもらえるかな?

きっと力になれると思う。」


漆原が話し終えると、明里の頬には涙が流れていた。


自分の周りから大切な人達が居なくなり、次は自分…


そう思っていた。


そして死を覚悟していた。


しかし漆原と出会い、助かるかもしれないと思った、思ってしまった。


涙が止めどなく流れてくる。



ああ、本当は私…こんなにも生きたかったんだ。



「だ、だ、大丈夫?白石さん。」

女性経験値0の漆原はパニックになっている。


「ううん、大丈夫…ごめんね。

ちょっと疲れてたみたい。」

明里は涙を拭う。



ガチャッ



ドアが開き、誰かが入ってきた。


染一(せんいち)、戻ったぞ。」


ドアに背を向けていた明里は挨拶をしようと、ぐるっと後ろを向いた。


「こんにちは、お邪魔してま……えっ?」


そこに居たのは漆原によく似た人物…というより漆原本人。


元々居た漆原を見る。


「え?え?」


「ケケケケケケケケケケ」

漆原は特徴的な笑い方をしている。



「漆原くんが2人…」


明里はどっからどう見ても同一人物の2人を、何度も何度も繰り返し見比べていた。

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