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『バグったうさぎを修正できません』 ――ブラック企業の天使がヤケクソで転生させた結果――  作者: 島ながぁ
第一章︰名無しの王女

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第18話うさぎと現地入りした天使

 焼け焦げた大地。


 崩れた村。


 黒く変色した地面。


 風が吹く度、灰が舞い上がる。


 かつて畑だった場所には、炭化した植物の残骸が転がっていた。


 火の消えたボレムチチ畑からは、時折「めぇぇぇ……」と力無い鳴き声が聞こえる。


 うさぎは何も言えなかった。


 目の前では姫が、黒い岩のようになってしまった街人達へ静かに祈りを捧げている。


 あれは岩じゃない。


 人だったものだ。


 知ってしまった。


 理解してしまった。


 だからこそ、言葉が出ない。


 聞こえるのは風の音と、遠くで鳴る雷鳴だけだった。


 うさぎ「……姫―――」


 呼びかけようとして、やめた。


 何を言えばいいのか分からない。


 慰め?


 励まし?


 そんな軽い言葉を投げられる空気じゃなかった。


 その時。


 ぴくり、と。


 うさぎの長い耳が動く。


 風の流れ。


 空気の震え。


 その中に、何か別の音が混ざっていた。


 うさぎ「……?」


 耳をさらに細かく動かす。


 遠い。


 だが確かに聞こえる。


 人の声?


 叫び声?


 うさぎ「まさか……」


 攻撃か?


 反射的に周囲を見回す。


 だが違う。


 爆発音でも魔物の咆哮でもない。


 もっとこう……


 切羽詰まった社畜みたいな声だった。


「ぎぃやああああああああぁぁぁぁぁ!!」


 うさぎ「上か!?」


 反射的に空を見上げる。


 真っ黒な雷雲。


 その中に、何かが見えた。


 遠すぎてよく見えない。


 だが人影のようなものが二つ。


 うさぎ「二つ?」


 その片方が急速に落下してくる。


 もう片方は―――


 ふわり。


 羽が広がった。


 ピンク色。


 鳥の翼のようにも見える。


 だがどこか安っぽい。


 ゆっくりと降下してくる。


 対してもう片方は。


 一直線。


 自由落下。


「ああああああああぁぁぁぁ!!」


 ヒュゥゥゥゥゥ――――!!


 風切り音。


 凄まじい速度。


 うさぎ「あ」


 次の瞬間。


 ドゴォォォォォン!!


 地面が爆ぜた。


 衝撃。


 土砂。


 灰。


 小石。


 全部吹き飛ぶ。


 うさぎ「ぶへぇ!?」


 顔面に土を浴びる。


 耳にも入った。


 最悪だ。


 数秒遅れて砂煙が晴れる。


 地面には巨大なクレーター。


 その中心に―――


 何かが刺さっていた。


 うさぎ「……」


 なんか見覚えある。


 というか。


 嫌な予感しかしない。


 ―――姫「な、なんですか!?」


 姫も流石に驚いたらしい。


 祈るのをやめ、こちらへ駆け寄ってくる。


 うさぎはクレーターの中心を見る。


 そこには。


 小さい何かが埋まっていた。


 じたばたしている。


 うさぎ「……この声聞き覚えあるんだけど」


 土の中から。


 ぴくり、と。


 小さな手が伸びた。


 続いて。


 ぼふっ、と土を押しのけながら姿を現したのは―――


 五センチくらいの小人。


 ボロボロのスーツ姿。


 羽はガムテープで補強されたダンボール。


 しかも左右で長さが違う。


 目は虚ろを通り越していた。


 暗黒物質。


 生気ゼロ。


 魂が摩耗しきった会社員の終着点のさらに先みたいな顔。


 小人はふらふら立ち上がる。


 マシロ「……げぼっ」


 口から土を吐いた。


 うさぎ「マシロ?」


 マシロ「……死ぬかと思った……」


 うさぎ「死んでないのかそれ」


 マシロ「死んでたまるかぁ……有給も退職金も貰ってないのにぃ……」


 魂の叫びだった。


 その時。


 ふわり。


 もう一つの影がゆっくりと地面へ降り立つ。


 黒いスーツ。


 赤い髪ポニーテール。


 鋭い目つき。


 ヒール。


 腕組み。


 めちゃくちゃ機嫌悪そう。


 というか絶対怒ってる。


 着地と同時に周囲の空気がピリついた。


 マオ「……」


 無言。


 怖い。


 うさぎ「……」


 姫「……」


 マシロ「……」


 全員黙った。


 マオはクレーターの中のマシロを見下ろす。


 マオ「アンタねぇ……」


 マシロ「ひぇ」


 マオ「なんで毎回綺麗に落下失敗すんの?」


 マシロ「だ、だって急に投げるからぁ……」


 マオ「投げなきゃ間に合わなかったでしょうが!」


 うさぎ「投げたの!?」


 マシロ「この人がぁ……」


 マオ「うるさい」


 ズドン。


 無言で踏まれた。


 五センチサイズなのでほぼ圧殺である。


 マシロ「ぴぎゃ」


 うさぎ「社畜の扱いじゃねぇ……」


 マオはゆっくりとうさぎへ視線を向ける。


 ギロリ。


 鋭い。


 猛獣みたいな目だ。


 うさぎ「……あんた誰?」


 数秒の沈黙。


 そして。


 マオは深くため息を吐いた。


 マオ「世界管理局、第六世界シナリオ調整担当」


 マオ「……マオ」


 うさぎ「世界管理局」


 マオ「そ」


 うさぎ「天使の仲間?」


 マオ「ブラック企業の同僚」


 即答だった。


 マシロ「否定できないぃ……」


 マオ「で」


 マオは辺りを見回す。


 焼けた村。


 黒い残骸。


 空を覆う黒煙。


 そして姫。


 マオの目が細くなる。


 マオ「……最悪」


 うさぎ「何が?」


 マオ「全部よ」


 マシロ「うぅ……胃が痛い……」


 マオ「当たり前でしょうが」


 マオは頭を掻きながら舌打ちする。


 そして。


 姫を見た。


 姫は不思議そうに首を傾げていた。


 ―――姫「お知り合いですか?」


 マオ「……」


 マシロ「……」


 うさぎ「……」


 沈黙。


 マオは額を押さえた。


 マオ「……あーもう」


 マオ「面倒くさい事になったわねぇ……」


 ―――続く

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― 新着の感想 ―
いきなり書き方が変わったな。 台本みたいにセリフ前に名前出てるし、一気に小説じゃ無くなった。 AI使ってるから酷いな。
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