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名は体を表す事はあまりない・・・謎はいつか明かされる

※原作リスペクト作品です

※残虐・性的描写なし/対象年齢15歳以上推奨

※本小説の設定やキャラクターイメージはこちらから

https://akkin.site/?page_id=90

暗転していた画面が戻ってきたんだけど、ここはどこだろう?


「はい!ここが謎肉がいる所です!!」


素早い説明、ありがとう。

謎肉って、あのインスタントの食べ物の具材よね。


「思いっきり食品加工工場なのね」

「はい!あそこに謎肉が三角座りしてます!!」


建物の横に設置されている、いわゆる『非常階段』。

そのそばで、建物に背を預けて三角座りをしている人物。

ちゃんと人型をしているけど、黒の全身ストッキングが四角い謎肉の箱を被っている。っていうのが謎肉でした。


「あ~...なんか頭が四角い棒人間が黄昏ているわね」

「はい!行ってみましょう!!」


そもそも新人ちゃんは、どうして私に謎肉の話を聞いてこいって言ったのかしら?

それも無理矢理にこんな所に連れて来られて...これ、本当にゲーム攻略に必要なんでしょうね?


「はい!謎肉です!!」


見りゃ分かるわよ。


「ぼ、ぼぼ...ぼくは...カップラーメンの謎肉...なんだな...」

「謎肉って...いや、その前にすっごい吃音?ってやつだっけ?」

「よよよ...よく...知ってるね?」

「高校の理科の先生がそんなしゃべり方をしてて、『私は吃音だけど気にしないでくれ』って言ってたのよ」

「そそ...そう、なんだ...」

「ところで、ここで何をしてるの?」

「きき...聞いて欲しいんだな」

「何を?」

「僕の...苦悩をさ!」


突然、ミュージカル風な身振り手振りで動き回る謎肉。

色んな意味で謎な謎肉ね。

いや、謎肉だからこそなのかしら?


「僕は謎の存在なのに、その謎は解明されちゃったんだよ!ひどいだろう?」


言ってる事は良く分かるが、内容が分からない。

だけど、不思議と落ち着いている私がいる。


私、このゲームに対応し始めているのかしら?

いや、それよりも、


「急に吃音治った?」

「知らないのかい?ポジティブは吃音に対して良薬なんだよ~!」


知らないわよ。


あ、でもアメリカの女優だったか、歌うようにセリフを言うと吃音が治る。っていうのを聞いた事があるわ。


「僕は『謎肉』としてのアイデンティティを持っていたんだ!」


踊るような身振り手振りを交えて話す謎肉なんだけど、動作とセリフが合ってない。

あれね。

単に体を動かすと吃音が治るだけね。


それよりも気になる事があるので聞いておこうかしら。


「アイデンティティってどういう意味なの?」

「『僕が僕である事の理由』さ!」

「う~ん...なんとなく言いたい事は分かる感じね」


パパからは「聞くのはタダ」って教えられているので、知らない事は何でも聞くようにしているのよね。

結果、「トリビア」っていうあだ名が付いちゃったんだけど。


「そもそも、僕が生まれた時からしばらくの間は、一般的には『何で出来ているのか分からない』という事だったんだ!」

「あ~、だから『謎肉』って名前なのね」

「そうなんだ!だからこそ、僕は『謎肉』なんだ!」


あら~...『謎肉』って名前がとても嬉しかったのね。

バレエダンサーのように、あちこちにジャンプしちゃってるわ。


「あ、そういや材料って確か大豆と肉だったんだよね?」


私の「トリビア」にも『謎肉』情報は入っている。

なんでも、会社が何かの記念として公式に材料を発表しちゃったんだって。


「そうなんだ!だからこそ、僕は『謎肉』じゃなくなったんだ!」

「だから黄昏てたのね」


なんか面倒な話に巻き込まれた感じ。

巻き込まれ事故って、こういう事をいうのね、きっと。


「名前って誰かが分かれば良いんだから、『謎肉』のままで良いんじゃないの?」


今でも『謎肉』でみんなが分かるんだから、問題はないはず。


「だめなんだ!」

「なんでよ?」

「『謎』だったから『謎肉』っていう名前になったんだから、『謎』が必要なんだ!」

「ややこしいわね」


もう『謎』は無くなったし、『謎が必要』って言っても、材料が謎なだけだから、もうどこにも『謎』無いじゃん。


「僕の『謎』が知られてしまったから、僕は『謎』の『謎肉』ではなくなったんだ!」

「でしょうね」


分かってるじゃない。


「なのに、いまだに『謎肉』として認知されている!僕は『謎』なのか?どこに『謎』があるんだ?」


だから、『謎がない謎肉』って自分で言ってるんだから、答えは出てるでしょ?


「それ、単に名前が定着しちゃっただけなんじゃないの?」

「だとしてもだ!『四角い代用肉』とか、適切な言葉があるだろう!?」

「長いわよ」


それに面白味がないし、それで良いの?


「じゃあ『代用肉』でどうだ!」


もっとダメじゃん。

てか、『どうだ』って言われても困るんですけど?


「あなた、その『代用肉』でアイデンティティ...だっけ?が、大丈夫になるの?」

「だ~め~だ~!!!」


でしょうね。


「じゃあ、『謎肉』でもいいじゃん」

「だ~め~だ~!!!」


一体、どうしたいのよ!!


「僕は謎肉だけど、謎じゃないんだ!だとしたら、今現在の謎肉の『謎』は何なんだ!眠れないんだよ~!!」

「え?謎肉って眠れるの?」

「眠れないんだよ~!」

「だから、その『眠れない』はどっちの意味?」

「わからないんだ!」

「え~...じゃあ、『謎』が公表される前は眠れてたの?」

「僕が生まれた時は『謎』が公開された後なんだよ~!」


もう、『眠れない理由が謎』って事でいいんじゃない?


「それはそうと、今は『ポジティブ』と言ってるけど、話の内容は『ネガティブ』なんじゃないの?」

「あ...そ...そそそ、そうかも...知れない...」


とたんにその場に三角座りをする『謎』のない『謎肉』。


「一気にネガティブになっちゃったわね」


しまった。不要な事言っちゃったかも?


「はい!時間です!!」


突然横から声を掛けられてびっくりする私。

そういや、ドローンがいたんだっけ?


「時間って何の時間?」

「はい!裁判の時間です!!」

「裁判?」


なんで?なにが?どういう理由?

そもそも私、何かした?


「はい!新人ちゃんが『戻ってこい』と言ってます!!」

「戻ってこい?なんで?」

「はい!戻れば分かります!!」

「本当でしょうね?」

「はい!いいえ!!」


私の画面は暗転しはじめたのだった...

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