三人寄れば意味不明・・・解決したいならちゃんと考えよう
※原作リスペクト作品です
※残虐・性的描写なし/対象年齢15歳以上推奨
※本小説の設定やキャラクターイメージはこちらから
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突然頭上から『ブォ~ン』というプロペラ音が聞こえてきた。
前の『バチバチ』という音もセリフじゃなかったわよね。
そんな事を思いながら上を見ると、令嬢の所で召喚したドローンが何かを運んできている。
あれは...猫?それも九尾の?
「はい!よろこんで!!」
あ~...そういやこういうしゃべり方だったわね。
今思った。
どうして誰もコントロールしてないのに動いてるんだろ、このドローン。
そういや、魔物枠だったわね。
「おっと、君はなぜここに来たんだい?」
店長がドローンに声を掛ける。
あ、そうなのね。
このドローンを購入したのは店長さんだったみたいね。
それにしても、この世界は極端に人間関係は狭いわね。
「はい!納品です!!」
と、あの九尾の三毛猫がドローンから降りてきた。
マジでもう会いたくなかったんだけどな~...
「は~い!また会ったわねぇ~?(これは運命という奴ですよね~)」
とニヤリ嗤いをしつつ私に話しかけてくる。
「はい!さようなら!!」
即答する私。
「なんで即答なの~(厳しいですね~)」
てか、何しに来たんだろ、この猫。
「納品って、そんな事は頼んではいないのだがね?」
「はい!猫が納品されたいと言ってきたので!!」
「ガールズバーは畜生禁止ですが?」
久しぶりに『畜生』って聞いたわ。
あ、そういや動物の事も『畜生』って言うらしいわね。パパが犬に噛まれた時に「犬畜生め!」って言ってたもんね。
「はい!納品後は勝手に帰るらしく!!」
「なら良いでしょう」
良いんですか?
私は非常に嫌なんですが...
勝手に帰る納品物って、意味不明なんだけど?てか、早く帰れ。
「君に会いたくなってね~。ちょっと運んでもらったのよ~(ホントは暇だったんですよね~)」
「私は会いたくなかったんだけど?」
それも本気で。
「そんな~...いけず~(いいですねぇ~)」
「それにしても、なんでドローンで来たのよ」
「猫は高い所が好きなのよ?(『猫と煙は高い所へ登る』って言いますからね~)」
まともそうな返答だけど、やってる事はまともじゃないわね。
「なに?この猫...ぜんぜん可愛くないんだけど?」
と新人ちゃんが乱入してくる。
さすが、同じ女子として良く分かっているわね。
そういや、プレゼント攻勢は終わったのかしら?
常連客達をみると6人揃ってる。
おかしいな~。もう4人ぐらい出禁になったはずなんだけどな~。
復活システムでもう戻ってきたのね。
それにしても、新人ちゃんはどうして気が付かないのかしら?
「いやあ~君もなかなか良いわねぇ~(可愛い娘ですね~)」
と、いつものニヤリ嗤いをして新人ちゃんを見上げる。
「なに?この猫。ふてぶてしいわね」
これはパパに聞いた『同族嫌悪』って奴なのかしら?
「あの三毛猫も出禁よ!」
「出禁もなにも猫は入店出来ないんじゃよ?」
「そんな事いう客は出禁よ!」
「そんな殺生な!」
なんか新人ちゃんが暴走し始めている?
今頃気が付いたけど、『殺生』っていう言葉をこれだけ聞いたのは初めてかも?
「なかなかに騒がしい事になっちゃってるね~(相変わらず、この人たちはカオスですね~)」
「あんたはなんでここに居るの?呼んでないわよね?」
「僕は呼ばれてないよ~。ここに居るのは、もうここに居るからだよ~(猫だから自由なんですね~)」
「じゃあ、なんでいるのよ!」
「居るからじゃない~?(さっき言いましたよ~)」
思った通り会話が全く嚙み合わないわね。
そして、私は取り残される。
てか、この会話に割り込む勇気はない。
「出禁よ!」
普通『出禁』は伝家の宝刀だから乱発しちゃいけないと思うんだけどな。
「じゃあ出勤と書いて『できん』で良いですよ~(同じ読み方ができるんですね~)」
「どこに出勤するのよ!」
「も・ち・ろ・ん・こ・こ!(決まりましたね~)」
「むき~!!」
どうやら猫の方が一枚上手な感じね。
きっと、猫の方が新人ちゃんよりも年上なんだろうな。
新人ちゃんが地団駄を踏んでいるので、今の内に九尾猫にちょっと聞いてみよう。
「私に会いに来たって言ってたけど、会ってどうするつもりだったの?」
「え?会いに来ただけだよ~(それだけなんですね~)」
「で、私に今会ったんだけど、その後は?」
「帰るだけよね~(やる事ないですしね~)」
「じゃあ、さよなら~」
「相変わらず冷たいのね~(もう楽しみましたしね~)」
そんな事を言い合っている間に、また三毛猫は尻尾の方から消えていき、顔が消えたのに「ニヤリ嗤い」だけが残ってしまった。
が、それもすぐに消えていった。
これ...どういう理屈なんだろ?
「面白くない!面白くない!面白くない!」
新人ちゃんは九尾猫が勝手に消えたので面白くないみたいね。
かなりヒートアップしちゃってる。
「新人ちゃ~ん、ちょっと落ち着いて」
常連客が新人ちゃんを宥めにかかるけど、止めた方が良いんじゃないかな~。
なんとなくだけど、今の状態は『触らぬ神に祟りなし』じゃない?
...学生帽の人はいないわよね?
「こんなイベントは止め!みんな出禁よ!!」
「「「「「「そんな殺生な!」」」」」」
あら~、6人まとめて出禁になっちゃったわね。
さすがに今日は復活は無理そうな気がするわ。
だって、4人も出禁になっちゃってたから、復活しても2人だけだもん。
6人はとぼとぼと離れていく。
「みんな」と言われたら「みんな」で移動するしかないもんね。
「なんでプレイヤーが誰もいなくなったのよ!」
「新人ちゃんがみんなを出禁にしちゃったからでしょ?」
店長さんもツッコミが鋭くなっちゃってるわね。
「見境なく出禁を連発しちゃうからよね~」
私も一言言っておいた。
「なんでそんな事言うのよ!だったら、謎肉の話を聞いてきて!」
「謎肉?」
「ほら!ドローンが連れて行ってくれるから早く行ってきて!」
するとドローンが大きい声で返事をしてきた。
「はい!よろこんで!!」
待って...いや、もうどうでも良いや...
問題はそこじゃない。
「え?なんで私が行くの?そもそも何の話を聞くのよ!」
「はい!行きますね!!」
だから私の話を聞いて頂戴よ!
と思ったら、ドローンは私の上に移動し、「ガシャン!」という効果音をさせて私を掴んだようだ。
下の方に音を感じたので、下を見てみると、アバターの胴体を掴むUFOキャッチャーのようなものが見える。
え?めっちゃ不安なんですけど?
「あ、ちょっと待って!私は景品じゃないんだから!それ以前に私は高所恐怖症なのよ!」
「はい!行きますね!!」
「人の話、聞いてる?」
「はい!いいえ!!」
ダメだこりゃ...
視線が上がりつつ暗転する画面を、私はぼぉ~っと見ているしかなかった。
高所恐怖症だから暗転してくれて良かった。




