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揚げ足を下せ・・・遊戯に発展しない遊技

※原作リスペクト作品です

※残虐・性的描写なし/対象年齢15歳以上推奨

※本小説の設定やキャラクターイメージはこちらから

https://akkin.site/?page_id=90

開けた場所に出ると、そこは広い芝生の庭になってた。

所々に棒が立ってて、棒には旗が付いている。

なんか見たことある光景ね。


あと、大人の男の人が何人か...6人いるわね...集まって話をしているのが見えるのよね。

これって、あの人たちと話をしろって事よね...

大丈夫なのかしら?


いや、話をするのは良いのよ。ゲームだから。

でもね?

...ほら...分かるでしょ?

疲れるのは嫌なのよ...


でも、仕方ないわよね...もう少しやるって決めちゃったんだから、少し我慢しましょう。

私は我慢が出来る、やると決めた事は出来る女の子なのよ!


それにしても、我慢しなきゃならないゲームって、どうなんだろ...


ともかく、大人たちが6人集まっている所に近づいてみましょう。



近づくと話の内容がちょっと聞こえてきた。


「ねぇ...君は何を持ってきたんだい?」

「俺か?俺は可愛いと思うぬいぐるみだぜ。お前は?」

「僕はね、可愛いと思うキーホルダー」

「無難だなぁ~...私はちょっと攻めて、可愛いと思うペンダントにしてみた」

「お~...攻めてるな」


大の大人が「可愛い」というものを持ち寄っているみたい。

何気に不気味だわ。


「あっしは可愛い感じのネクタイっす」

「ネクタイ?」


私もびっくりした。

それ、ものによってはセンスが良いかも!


「どこが可愛い感じなんだ?」

「あ、ここっす」

「あ~うん...可愛い感じだな」

「うっす」


問題のネクタイが見えないので分からないけど、あの感じだと可愛くはなさそうね。


「おいらは、可愛いっぽい消しゴムだな」

「どんな消しゴムなんだ?」

「トカゲの消しゴム」


ダメじゃん!!


「お~!なるほど!」


なんで歓声があがるのよ!!

ホントに可愛いんでしょうね?


「儂は、可愛いコップじゃ」


コップかぁ~...

これもセンスが問われるんだよね~


「どうじゃ!可愛いじゃろ?」


と、掲げてくれたので良く見え...ない...あれ?


「お~!小さくて可愛いじゃね~か!!」


小さいの?!

でもそれ、小さいだけだよね?きっと!


「よし!これで対策は完璧だな!」


いや...それ絶対フラグよね...


ともかく、そういう会話は聞こえてきたけど、本題は全く分からない。

こういう時はゲームの定石、「情報確認」よね。


「あの~、皆さんは何をしているんですか?」


私は近所の人からは「礼儀正しいお嬢さん」で通っているので、ここでもちゃんと大人の人への対応が出来るのよ。


「ん?君は、どこから来たんだい?」

「えっと...街から長い廊下を通って...」


としか言えない。


「あ~...なるほどね。じゃあ、君も参加者なんだ」


参加者?


疑問に思っていたら、向こう側から二人やってきた。

それを見た大人たちが急にソワソワし始める。


...なんか、微妙な空気になってない?


何も分からないので動く事も出来ず、その場で立っていたら、二人が目の前までやってきた。


「おはようございま~す!ガールズバー『ピンクのハート』の新人で~す!!」


ガールズバー?

ピンクのハート?

新人?

一切分かんないんだけど?

てか、名前はないの?


「これは皆様、よくご参集...違った...こんな所で会うなんて偶然ですね」


今度は隣にいた男性が話しかけてきた。

てか、偶然?

どう見ても計画的にここに集まったでしょ?

だって、さっき「ご参集」って思い切り言ったじゃん!


「これはこれは店長さん。どうしてこんな所に?」


と、完全に棒読みなセリフを言う。

っていうか、私は何を見せられているのかしら?


「いやいや、ちょっと新人ちゃんと親睦を深めようと思いましてな。今日はここでパターゴルフをしようと二人でやってきたのですよ」


店長さん...だっけ?こちらは違和感なく、普通な感じでしゃべっている。

でも、最初に思いっきり噛んだのは覚えているわよ?


「そうなんですね?我々も丁度今日、ここでパターゴルフをしようと思いまして、常連客で集まってみたんですよ。それもついさっき」


身振り手振りを交えて堂々としゃべっている。

だけど、やっぱりセリフは棒読みね。

てか、この男の人たちはガールズバーの常連客だったのね...


「なるほど!こんな偶然はありませんな!では、せっかくなので一緒にゲームをしませんか?」

「ねぇねぇ!そんな面倒な話は後にして、さっさと始めましょう!じゃないとみんな出禁にしちゃうわよ?」


出禁!?

てか、新人なのにそんな権限あるの?


「ごめんごめん!これをやっとかないと後で困るんだけど、もう大丈夫!」

「そうなの?じゃあ、まずはチーム分けね」


ここまでスムーズに話が進んでいるんだけど、状況は全く分からない。

いや、ガールズバーの店長と新人ちゃんと常連客6人ででパターゴルフをするってのは分かった。


「9人だから3人チームが3組ね」


新人ちゃんが指折り数えて確認してる。

三三が九なんだからすぐに分かるでしょ!

てか、9人?

ガールズバー側が2人で、常連客が6人。合計8人。


残りの1人は?私?


なぜ、私が巻き込まれたのが分からない。

てか、やるの?私?


「グーチョキパーで分けるのが良いな」


話が進んでいるけど、一応確認しておきましょう。

確認大事。


「あの~...私も入っているんですか?」

「当然でしょ?ここに居るんだもん」


何の疑いもなく私を仲間と認識している新人ちゃん。


ちょっと待って...ガールズバーってお酒を飲む所よね?


「私、思いっきり未成年なんですけど?」

「大丈夫よ。ここはバーじゃないんだから」


それはそうなんですけど...ホントに良いの?

かなり納得はしてないんだけど、流されるままにグーチョキパーの組み分けに参加する。


結果、

Aチーム:新人ちゃん、私、店長

Bチーム:常連客(僕)、常連客(俺)、常連客(私)

Cチーム:常連客おいら常連客あっし、常連客(儂)

となりましたが...なんだろう...この出来レース感は...


「ところで、パターゴルフってどういうゲームなの?」


なんとなく分かるけど、ちゃんとしたルールを私も知らない。


「簡単だよ。パターでボールを転がして、そこの旗の下にあるカップ...穴にボールを入れたら良いんだよ」


だから、それは知っているんだってば!


「ところで、パターってどれ?」


新人ちゃんが聞く。

私もパターは知っているけど、見当たらない。

常連客もお互いの顔を見合わせている。

てか、店長も慌て始めてるよ?


あ~...ボールも見当たりませんけど?


ちょっと大人たち...どうするんですか?


新人ちゃんは、ここまでの経緯で「ただ単にここまで来ただけ」というのが分かるので、準備は当然していない。

私は本当に偶然ここに来ただけなので、これまた当然準備はしていない。


常連客6人と店長は、パターゴルフをする予定でここに来たのに準備をしていない。


終わってるじゃん...


「ひょっとして...誰も何も準備してないって事?」


新人ちゃんの声が低くなっている。

あ~...こりゃ怒ってるわね。


大人たちを見ると、お客の6人は見るからに青い顔をしている。

VRのアバターなので、顔色の変化は信号が変わるように良く分かるわね。


あ、この言い方はパパから教えてもらったのよ。


「いや~...普通は現場にあったりするんだよ」

「そういや、受付で貸し出してたはずだよ」


そうだよね。

私はパパと一緒にゴルフの打ちっぱなし(?)に行った事があるけど、そこにはクラブ...だっけ?が置いていたもんね。

きっと、パターゴルフ場にもあると思うんだよね。


「おい、なんでそれを言ってくれなかったんだよ!」

「いや、だってお前がここでって言ってたから、てっきり全部準備しているもんだと...」

「俺はパターゴルフ場なんて着た事はないぞ?」

「じゃあ、なんでここを指定したんだよ?」


そう、そこ!


「一番近かったし?」

「てか、普通にここしか無いんだけどな」

「あ~、そうなんだ...じゃなくて、なんで言ってくれなかったんだよ!」


気持ちは分かる。

けど、ここまでの内容はホントにカオスね。


「僕、パターゴルフなんてやった事ないし...」


あ、私もやった事ない。


「あ、俺も」

「私も」

「儂もじゃ」

「あっしも」

「おいらも!」

「まて!誰も知らねぇんじゃないか!?」

「あ...私も」

「店長もかい!」


うわぁ~...ひどい話ね...

なんでまた、パターゴルフになっちゃったのよ?

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