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俺はJKの子持ちだったのか!  作者: シマアザラシ
第5章『夏に望むこと』
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お嬢様が休日に遊びに来た(10)

 なぜこうなったのだろう……。

 人生とはままならないものとは知っている。だけど、ここまでままならなくなることは珍しいのではないか?


 俺は如月と明菜とゲームをして遊ぶだけの筈だったのに……。


「…………」


 いや、ゲームをしているのは間違いないのだが……そのやっているゲームが問題で……。


『ねぇ、明日のデートの下着は何色がいいかな! 選んで欲しいな?』


 テレビ画面に表示されているのは可愛いJK制服の美少女キャラで……何かを期待するような表情を浮かべている。


 そして選択肢が表示される。


『白』


『青』


『ピンク』


『自分で考えろや。ボケが! 地獄に落ちろ!』


 そう、これはいわえる美少女ゲーム、ギャルゲーというやつで、女の子と仲良くなるゲームだ。いや、1人でプレイする分には何も問題ない。


 俺も画面の中の二次元女の下着に色を深く考えることもやぶさかではない。いや、むしろ喜んで選ぶ。


 だが……今俺の隣には。


「ふむ、なかなか難しい選択肢ね。ここは無難に白だと思う。夢野さんはどう思うのかしら?」


「うーん、わたしは青かと……部屋の色彩が青系統が多いので。でもここは自分の好みを伝えるのが一番なのかなぁ……」


 っと、そんなことを真剣な様子で話し合っているリアル美女が2人……これはどういうことだよ。

 画面の中と外で美女に囲まれている。


「…………」


(幸せだなぁ……とも言ってられないか……このままだと……俺が被害を受けそうだ)


 そもそもなんで俺たちがこんなゲームをやっているのかというと、うちの本棚にこのゲームが置いてあったからだ。


 しかもメモ書きがついており、そこには『パパの好み!!! ないしおかずになる!!!』とか書かれていて、何故か2人が興味を持ったからだ。


 ……犯人は帰ってきたら説教万博に案内してやろう。


「……ねぇ、貴方? 貴方はどんな色が好みなのかしら?」


「そ、それ、わたしも興味あります。あ……べ、別に変な意味じゃなくて、そ、そのあれですよ。男の人に方がこの子の心を掴めるのではないでしょうかぁ……なんて思ったりぃ」


 如月は真剣に、明菜は興味がありそうに視線を送ってくる。


 うむ。ほらきた。美女の前で性癖晒すとか、なんの罰ゲームだよ。

 ここはあれだな。いつもの完璧な理論武装によりのらりくらりかわそう。


「待て、ここは俺が選ぶのは面白くない。中年のおっさんが美少女の前ではぁはぁしてるだけになるからな。あえてお前らが選ぶことに意味があるのではないか? 女が女の下着選ぶなんて夢がある。それはーー」


「はぁ、ごちゃごちゃ言ってないで答えなさいな」


「そうです。義孝さん、真剣に悩みに悩み抜いて答えて下さい」


「…………はい」


 2人の熱い温度感に思わず頷いてしまう。いや、これは抗えないのではない。

 抗わないのだ。社畜とは抗わない者のことだからだ。だがこれは決して悲観することではない。


 抗わないことにより活路が見出せることもある。


「えーっと、答えは『自分で考えろや。ボケが! 地獄に落ちろ!』だ。こう言うのは男に聞いてはならない。自分で考えるものだからな。一度ガツンと言った方がいい」


「綺麗事言ってないで本心は?」


「あんまり派手なのはいやだが、薄いピンクとかはいいと思う」


 はっ!? つい本心を!?


「そ、そうですか。義孝さんはピンクの下着が好き。そうですか……そうですか」


 おい、明菜。何故スマホにメモる。や、やめてなんか恥ずかしい!


「ふふっ、それではピンクを選ぶわね」


「もう勝手にしてくれ……」


 如月は楽しそうにコントローラーを操作して選択肢を選ぶ。すると、キャラクターが恥ずかしそうにもじもじする。


『もう! エッチなんだだから!』


 うっせえよ!

 好きな色の下着を聞いてきたお前の方がエッチだろうが。


『でも正解だから、見せてあげるね!』


「はっ!?」


 そう言うとキャラは恥ずかしそうに制服のスカートたくし上げていく。

 そしてピンクの可愛らしい下着があらわになっていく……。


「…………」


 俺もおっさんだ。今更二次元女の下着にキャーキャー言うこともないが……この状況はまずい。


「あわわわわわわ……さ、最近の子は大胆ですね」


「ふーん、この様に殿方を誘惑するのね。勉強になるわ」


 ……どうしよう。自分の家なのにいたたまれなくて帰りたい。もし男だけでこの状況だったら、騒いで面白おかしくするんだけどな……。


 そしてーー悪いことというのは続くものだ。


 ガチャ。


『お父さん、如月さん、ただいま。私も一緒にゲームを……』


 愛する娘が部屋に入ってきた。慌てて帰ってきたのか肩で息をしている……。

 機嫌は良さそうだったのだが……目に見えて目から色彩が消えてゆく。


 終わった。


「あら、未来さん。おかえりなさい。貴女もこっちに座りなさいな」


「あ、あはは、お、お邪魔してます」


「こんにちは……。お父さん……? 何をしてるんですか? しっかり説明して下さい」


「…………」


 部屋には美女が2人。さらには画面にはスカートたくし上げたキャラ……。


 い、言い訳できねぇ……。

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