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俺はJKの子持ちだったのか!  作者: シマアザラシ
第4章『オトノカガヤクミライへ』
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もうひと頑張り(1)

 午後3時前――。


 俺は未来の偵察ミッションを終え、由衣たちの元に向かい、一緒に未来が出る競技の借り物競争の応援をした。


 借り物競争って本当にやるところあるんだな……フィクションの中だけだと思ってた


 未来は先のコミュ障逃走事件のせいか、元気がないように見えたが、俺の姿を見つけると、見るからに機嫌がよくなった。


 そうなってからの未来は強く、ぶっちぎりで1位を獲得した。ちなみに未来が借り物競争で引いたお題は『小さくて可愛いもの』で……迷いなく絆ちゃんを誘拐していった。


 確かに最高に可愛いから否定のしようもないんだけど。


 まあ、そんなこんな、ぶつぶつと文句言いながらも俺は初めて保護者として参加する体育祭を楽しんでいた。

娘たちの元気な姿が見れてるのが嬉しいのだ。本当にこうして見られてよかった。


「…………」


だが、夢とはやがて覚めて消えていくものだと。そしてその後絶望がやってくる。


「店長……死んだ魚の目をしないでください……接客業なんですから笑顔でいてください。そろそろお客さんも来ますから」


「俺は労働を嫌悪する」


 そんなこと言われてもな……今日屋台に立つのも何度目だよ。この文句も何度目だよ……。しかも3時からの営業は生徒も利用してもいいらしく、客が多くなること予想される。


 午前中は予想以上の客足だったからな……。


「はぁ、急ピッチで二店舗営業にしたけど、うまくいくかな……」


 真の社畜とは学習するものだ……。俺は午前中の混雑を予期してここから3分ほど歩いた場所にある食堂前に2店舗目を営業させることにした。


 もちろんここみたいに屋台を用意する余裕はないので、店舗と言いつつテーブルを持ち出しただけなんだけどな。


 ポップコーンとかはここで大量に作って新井が取りに来る算段だ。


「大丈夫ですよ。葵さんも手伝ってくれますし」


「ああ、そうだな……はぁ、さすがに休みの日にここまで働かせるのは気が引けるんだけどな……」


「あ、あはは、そ、そうですね……」


 由衣が苦笑いを見せる。葵ちゃんの反応を思い出したんだろう……。

 それは――。


   ◇◇◇


『先輩! ……私、さすがに眠くて……むにゃ、このままだと寝て損しそうなので、先輩の売店でこき使って下さい! 私働かないとどうにかなりそうです! あっ、ゆめゆめは絆ちゃんと一緒に見てもらってもいい?』


『ま、任せてください。さすがは義孝さんの後輩ですね……し、仕事への熱意が……ふふっ、葵さん、頑張ってくっださいね』


『わーい、あきなちゃんといっしょだああ! きずな、たかいとこに行きたい!』


   ◇◇◇


 との、闇のやり取りがあった……。絆ちゃんは状況がよくわかっていないようだったが……明菜はすがるような葵ちゃんの反応にドン引きだった。


 葵ちゃん……元社畜をドン引きさせるとか……ひと味違うぜ。さすが現役社畜……輝いてやがる。


「葵ちゃんにはなんかしらのお礼を考えておくか……生名さんに掛け合って謝礼が出せるかも聞いてみるか……あいつ、身体壊さなきゃいいけどな」


「そ、そうですね……私も絆を1日面倒貰いましたし……何かお礼を考えないと……」


 と、そんなことを話していると――。


 キーコーンカーンコーン。


 休み時間を知らせる鐘の音が響きわたる。はぁ、地獄の時間が始まるのか……。


「ふふっ、店長2人で頑張りましょうね」


「…………おう」


 由衣は何が嬉しいのか笑顔で俺に微笑みかける。普通に可愛い。


 でも……わかってる? これから働くんだよ……?  はぁ、俺も営業はしっかりしないとな。実花未来も来るだろうし……情けない姿は見せたくないし、適度に頑張りますか……。この後リレーもあるしな……。

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