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俺はJKの子持ちだったのか!  作者: シマアザラシ
第4章『オトノカガヤクミライへ』
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未来の失態

「未来ちゃんやったね~~未来ちゃん勝ったよ! 今夜は焼き肉パーティだねぇ~」


「あんたは何かとカロリーを取ろうとするよね……そんなことよりも」


「そんなこと!? カロリーは大事で憎むべき敵だよ!?」


「はいはい。未来、実花は運動神経いいね。竜胆家はみんなそうなの?」


「…………」


 未来が2人の元に近づくと、熊田と雑賀がフレンドリーに未来に話しかけた。なんでもない会話で2人は軽い気持ちなのだろう。

 だが未来は違う。この学校の転入試験の面接時よりも緊張していた。


 未来は慎重に言葉を選びながらいつもの無表情で口を開く。いや……緊張してる分いつもよりも固い無表情だ。


「……い、いえ、お父さんもお母さんも運動は苦手です。私もお姉ちゃんほどは得意ではないです……」


「へ、へえ、そうなんだ……」


 未来の硬い表情に気をされたのか、雑賀は苦笑いを見せるが、熊田は気にする様子もないようで笑顔を見せた。


「未来ちゃんと実花ちゃんのパパとママかぁ、興味あるなぁ。きっと美男美女なんだろうな~~……妬ましい……」


「そうですか……興味ありますか……」


 えへへ、と笑みを見せ、一瞬目の色彩がなくなった熊田に、未来は思わず嬉しくなり一歩熊田に近づく。


「はい。お母さんはクレアパトラや楊貴妃など勝負にならない程美人でした。お父さんはレオナルドデカプリオや木村拓哉など勝負にならないほどのイケメンです。お父さんとお母さんは性格もよくて優しくて――」


「…………」


「…………ほへ~」


 そこで未来はハッとする。

 大好きな家族のことを聞かれて思わず冗舌に話してしまった。

2人はいつもと違う雰囲気の未来を唖然とした顔で見ていた。その状況に「やってしまった」という感情と、「自分の話ばかりして申し訳ない」という感情がふつふつとわいてきて――。


「ご、ごめんなさい。私、次の競技に出場するので……そ、そろそろ行きます」


「えっ? う、うん……頑張って」


「あはは~! 応援してるね~~!」


 未来は雑賀の戸惑う声と熊田の明るい声を背に、そそくさと逃げるようにその場をあとにした。

 その感どうしようもない後悔――「失敗してしまいました……もう少し落ち着いて話さなければならなかったです……ああ、もっとお話ししたかったのに……」などの考えがぐるぐると頭を駆け抜けた。


   ◇◇◇


 未来が去った後に熊田と雑賀は去っていく未来を興味深そうに見ていた――


「私未来とあまり話したことなかったけど……内心は実花とそっくりだね」


「えへへ、そうだよね~~。実花ちゃんも家族の話となるとずっと嬉しそうにしてるもんね~~。2人ともとっても家族想いだもん!」


「私、ちょっと未来のこと誤解してたかも……いいやつじゃん」


 雑賀はそう小さく呟いた。その笑みは決して馬鹿にしたものや蔑んだものではなく、微笑ましいものを見る雰囲気だった。

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