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俺はJKの子持ちだったのか!  作者: シマアザラシ
第4章『オトノカガヤクミライへ』
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未来の勇気

すみません、遅くなりました……

   ◇◇◇


 竜胆未来は頭を悩ませていた。

 未来の視線の10メートルほど先には楽しそうに談笑しているクラスメート。その中で未来が話しかけようとしているのは、女子2人組の熊田と雑賀(さいが)だ……。


 2人とも今時の女子高生と言った感じで遊んでいる風の見た目で、真面目そうな未来とは正反対の雰囲気だ。


『クマ、クマ! 実花、すごかったね! あんなのがクラスメイトとかマジ半端ないって!』


『あはは、そだね~いいなぁ、頭がよくて運動神経がよくて、明るくてみんなの人気者なんてスーパースターだよ。…………腰も細くてスタイルもいいし。腰も細くて……けっ!』


『……あんた、最初は笑ってのに……なんで最後には僻んでるのよ……』


『あはは、冗談だよ~冗談だよ~。だけど私よりも腰が細い人間は滅べばいいとは思ってるけどねぇ~~』


『相変わらず腹黒いわね……』


 と、楽しそうに話している。

 未来はその様子をじぃぃぃと見つめている。いつ会話に自然に入るかを伺っているのだ。


(これは千載一遇のチャンスです……熊田さんとは一緒にお昼ご飯を食べた仲ですし、雑賀さんは派手な見た目で不良ぽくて、ぶっきらぼうですが『さいがはあれで面倒見がいいよ!』って、お姉ちゃんが言ってました。それに2人とは何度かプライベートなことも話したことがあります……お姉ちゃんを通してですが……)


 そんなことをごちゃごちゃ考えているのだが……2人は未来の視線に気が付くとなく会話を続けていく。


『もう、腹黒くなんかないよ~私は人聞きが悪いなぁ~。たまに心の奥底にある内に秘めた本音がぽろっと出ちゃうだけなんだから~』


『それが世間では腹黒いって言うのだけど……まあ、それはそれであんたっぽいからいっか……』


『それって私が結局は腹ぐらいってこと!?』


(くっ、気のしれた仲という会話ですね……そんな仲に私が入っていいのでしょうか? ……言い合っていますが、2人とも楽しそうな感じがしますし……)


 と、またごちゃごちゃと考え始めてしまう……。

 大げさな表現ではなく足は震え、肩も震え、顔色にいたっては真っ青だ……いつもの無表情ではあるが……。


 普通の人なら悩まずに話しかけらるのだろうが……コミュ障の未来にとっては断頭台に立つ気持ちだ。

 未来の胸中に「変わりたい」という気持ちと、「迷惑をかけたくない」という気持ちがせめぎあう。


(だけど……このままではいつまでたってもお父さんとお姉ちゃんに近づけません……で、でも……た、助けてお父さん……お姉ちゃん、お母さん……)


 未来はまたもや葛藤し……最後には愛する家族頼みになる。

 自分でも情けないとはわかっているが……最後の勇気が出ない……。


 そんな風に考えてると、雑賀が不意に未来の方を見る――。


「…………!」


『あれ? 未来がこっちを見てるけど、どうしたんだろ?』


『あっ! 多分お姉ちゃんの勝利を分かち合いたいんだよ~! おーい、未来ちゃんこっちおいでよ! …………ふふっ、その細い腰を弄り回させて~』


『…………やめなさいよ』


「…………」


(ふ、2人が私に話しかけてくれています……こ、これは絶好のチャンスなのではないでしょうか……だ、だけど、今はお姉ちゃんもいないし……私1人で上手く話せる自信が……ううん、ここは頑張らないと)


 未来は意を決して階段から立ち上がり、歩を進めようとする……心臓はどくんどくんと自分でもわかるほどの鼓動を鳴らす。


(こ、こんなに緊張するなんて……。う、ううん、いつも通り夢野さんや葵さんと話す感じでいいんです……。はぁ、由衣なら蹴飛ばして話しかけるのも楽勝なのですが……)


 未来は悪友の顔を想い浮かべながら、2人のクラスメートの元に向かった。

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