みんなでお昼ご飯(2)
そのあと、軽く後片付けと3時半の営業の準備をし、俺はみんなと昼飯を食うべく従業員を連れて実花に呼び出された空き教室にやって来た。
ここは校庭に隣接されており、食堂から近い位置にある教室だが……本当にここを使っていいのか……? まあ、食堂も解放されてるけど、生徒も大勢いるだろうから助かるけど。未来実花との関係を勘繰られても面倒だからな……。
そんなことを考えながら教室の扉を開ける。
ガラっ――
教室には実花が案内したのか葵ちゃん、明菜、絆ちゃんがいた。
ちなみに葵ちゃんは机に突っ伏して幸せそうに寝ている……こいつ、何をしに来たんだ? いや……俺が働かせたからか……今度なんか奢ってやろう。
というか……あれ? 実花未来は居ないのか……? あいつら人を呼び出しておいてどこいった?
「おじちゃーーんん!!」
空き教室に入ると、いきなり絆ちゃんに抱きつかれる。うむ、可愛い奴め。
ここでにやけると幼女趣味とか思われそうだからニヤけないけど。
「おお、どうした。どうした」
「おじちゃんきいてきいて! いっぱい、いーぱい、お話にしたいの!」
「ふふっ、絆ちゃん義孝さんに会うのとっても楽しみにしてたんですよ」
「夢野さん、椎名さん、ありがとうございます……絆の面倒を見てもらって……」
「いえいえー、ふふっ、私も楽しかったので。ねぇー絆ちゃん」
「うん! あきなちゃんといっぱいお話したの! あきなちゃん、やさしいの! さっきジュースかってもらった! あおいちゃんにかたぐるまもしてもらった!」
絆ちゃんが俺に笑顔で報告してくる。話したくてたまらないと言った感じだ。
「あ……夢野さん、ジュース代払います」
「ふふふっ、いいですからぁ、いいですからぁ。そうだ、もしよかったらお弁当の用意を手伝ってもらってもいいですかぁ? いっぱい用意したので」
「夢野さん……は、はい」
頭を下げる由衣に対して、嫌味なく優しくほほ笑む明菜。まるで仲のいい妹に語り掛けるようだ。由衣は由衣で、そんな美人で天然で器の大きい明菜に憧れを含んだ視線を送っている。
2人は教室の端に移動して、弁当の用意の用意をし始めた……明菜が作ったのか……? 相変わらず凄まじい量だな……。ゆうに30人前はある気がする……。
(弁当はともかく……うーん、ふたりは仲がいいよなぁ……)
そんなことを考えていると、絆ちゃんが頬を膨らませながら俺のズボンを引っ張ってくる。
「おじちゃん~~お話しようよ~~きずな、いっぱいおじちゃんとはなしたいの!」
「あはは、テンチョー、すっかり絆のお気に入りになってるな」
「うん! きずな、おじちゃんのことだいすき!!」
絆ちゃん……できれば20年後も同じことを行って欲しなぁ。
「はっ、チビ! 兄貴の素晴らしさをわかってるな!」
「ぷいっ! きずな、あらいくんきらい! あらいくんにおじちゃんはわたさないもん!」
「はっ! ガキんちょ! 兄貴の右腕は俺様だ! そう簡単にわたせねえな!」
「むぅ~~、おじちゃんはきずなとおはなしするんだもん。あらいくんはあっちいってて!」
「へいへい、今回は譲ってやるよ。だがな最後に兄貴の隣にいるのは俺だからな!」
「きずなだもん!!」
…………新井、お前は何で幼稚園児と張りあってるんだよ……。いや、ある意味仲がいいのか……?
「あはは、テンチョーはモテモテだな」
三沢……俺モテてるの幼児と男なんだけど……いや、嫌われてるよりはずっといいか……。
それにしても……実花未来はどうしたんだ……? 学生は昼休憩時間の筈だけど……。




