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俺はJKの子持ちだったのか!  作者: シマアザラシ
第4章『オトノカガヤクミライへ』
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未来の決意

 未来は教室でいつもの無表情だが……内心で大きくため息をつく。

 その原因は今教室の壇上で偉そうな笑みを浮かべている北条夏輝なのだが……。


 教室の雰囲気は夏輝がほほ笑むと一気に明るいものになる。


「ふんっ、自己紹介というのをしてあげるわ。感謝しなさい」


『おお! すげぇ可愛い!』


『本当! 本当! まるで芸能人みたい!』


 夏輝本人はそんな未来の苦悩を知らずに余裕たっぷりだ。未来は夏輝がどんな目的でこんな常識外なタイミングで転校してきたかは知らない……だが、面倒な事態なのはわかる。


(はぁぁ、同じクラスに『4大名家』の人間が4人も集まるなんて……奇跡ですね……まったく望んでませんが……でも、まだあの『北条』の人間だと決まったわけでは……)


 未来は心の中でため息をつく……。それと同時に――。


「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」


 未来の後ろの席から盛大なひどく疲れたようなため息が聞こえてきた。

 教室の空気は突然の転校生のせいでざわざわと騒がしかったので、そのため息が聞こえたのは、未来だけのようだ。


(そのため息でもう答えが出た気がしますが……一応確認しましょうか……)


「…………如月さん、少しお話を聞きたいんですが…………」


「…………ええ、未来さんの聞きたいことはわかるわ。気軽に聞きなさいな」


 もう、ふたりとも悟りきったような顔だった……。

 ちなみに同じような立場の姉である実花は……。


『きゃあああ! 超可愛いい! 彼氏いるのぉぉぉぉぉぉ!? ……とか、盛り上げてみる私ってできる女だなぁ』


『ふんっ、彼氏なんているわけないじゃない。私に釣り合う男なんてそうそういるはずはないっての』


 男子生徒にまじって黄色い声を上げている。明らかにこの騒ぎを煽って楽しんでいる様子だ……。

 未来と望はその様子を呆れた表情で見ている……。


「……実花さん『北条』のことは知っているのよね?」


「ええ……私よりもずっと把握していると思います。お姉ちゃん、私なんかよりもずっと頭がいいから。特に人間関係の問題は得意ですし……」


「そう。それなら……知った上であの態度をとっているのね……ああ見えて深い考えがあるのかしら……?」


「…………お、恐らくは」


 望と未来は視線を実花に戻す。


『やっふううう! 野郎ども! なつきマンは彼氏いないって!!』


『ふん……私が好きなのは歳上だっての』


『好きなタイプは歳上だってぇぇぇ、みんな詰んだ!?』


 実花は相変わらずその場を盛り上げていた……とてもではないが、深い考えで行動しているとは思えない……。


「ごめんなさい……お姉ちゃん、たぶん何も考えてないです……いえ、考えることを放棄して楽しんでます……お姉ちゃんの馬鹿……」


「……同情はするわ。まあ、元気を出しなさいな……北条がどんな目的かはわからないけど……。そこはフレアに調べさせるわ……はぁ、北条と如月は相性が悪いのよね……あの人たち最終的に力技で全部解決しようとするもの……」


「…………」


 その言葉を聞いて未来の脳裏には祖父から昔聞いた話がよぎる。


『未来、実花。北条の者には注意するのじゃぞ? あやつらは欲しいものは力尽くで手に入れる。本来、力こそ全てという、とるにたらん野蛮人じゃが……野蛮人が力を持つと、それはそれで厄介なものだのぅ……』


「…………」


(北条がすることに興味はないです。でも……お父さんとお姉ちゃんに危害を加えるなら絶対に許さない)


 未来にとって一番大切なものは家族だ。それは幼いころから変わらないこと……。


(お父さんとお姉ちゃんは私が守ります……)


 未来はバカ騒ぎを起こしている姉を見ながら、決意した……。

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