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俺はJKの子持ちだったのか!  作者: シマアザラシ
第4章『オトノカガヤクミライへ』
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朝のお仕事(2)

   ◇◇◇


 俺は一体何をしているのだろうか……?


 というか、これは一体どういう状況にいるのだろうか……俺は事務所のソファーで寝ている。これだけでどうかと思うのだが……いや、社畜の方が会社で寝ることが多いか……。

 社畜にとって会社とは家と同じなので……。


 まあ、今はそんなことを考えている場合ではないのだが……そもそも本当に寝ているわけではない寝たふりをしている。


 ふっ、俺の寝たふりは俳優級だぞ……? なぜなら寝たふりは社畜にとってあると便利なスキルだからな。

 ……休み時間に使用すれば余分に発生した仕事をかわせる可能性がある。……まあ、結局はやることになることが多いけど。


「…………」


 脱線したが……俺が寝たふりをしている理由は――。


『えーっと、これでポップコーンの仕分けはいいわね。あとは……』


「…………」


 由衣に膝枕をされているからだ……断れきれなくて成り行きでこうなってしまった……。


(そ、それにしても……)


 後頭部には柔らかい太ももの感触にほのかに暖かい体温……そして、ふあっと鼻をくすぐる甘い香り……これは服の柔軟剤の香りか……う、うむ。

 由衣みたいな金髪美人から香ると……なんでもない香りでも、どきっとしてしまう……。


「…………」


 お、俺はいつまで寝たふりをしてればいいんだろうか……? ここは由衣の好意に甘えて寝てしまうのが吉だろうか……?

 だが……。


「…………」


 まったく眠たくない。

 さっきまではあんなに眠かったのに……今は頭の中はすっきりしていて……いやらしい妄想が止まらない。これが男という生き物だ……。


 うむ。寝る案は却下だな……物理的に無理。

 かと言って今更起きるのもなんか気まずい……。


「よし……あとは麻依さんにパンの仕込み量を確認して判断して……」


 頭上からは淡々と確認する由衣の呟きが聞こえる……。なんか、俺はすげぇ動揺しているだが……由衣はそうでもないのだろうか……。


 あっ、絆ちゃんとかに膝枕をし馴れているのか……? 落ち着いた声で仕事に集中しているしようだし……うーん、おっさんは若い子の考えてることがわからない……。


   ◇◇◇


(わ、私は一体何をしてるのかな……?)


 音無由衣は義孝に膝枕をしながら、冷静を装い仕分けの仕事していた。


「えーっと、これでポップコーンの仕分けはいいわね。あとは……」


 由衣はわざわざ声に出してみる……。義孝はよほど疲れていたように見え、由衣にはぐっすり寝ているように見えた。


(……ふふっ、店長の寝顔可愛いな……)


 自分がとんでもないことをしているのは理解できるのだが……ついつい、義孝の寝顔に視線を向けてしまう。


 当然今の光景を誰かに見られたらまずいという考えはある……三沢は生暖かい目で見られだけだろうが、新井に見られたら最後死ぬほど嫌味を言われるというのは理解している。


 だが……。


(で、できるのなら……もう少しこのままでいたいな……)


 由衣は今の状況に小さな幸せを感じていた。自分でも単純で馬鹿だと思う……だけど……。


「よし……あとは麻依さんにパンの仕込み量を確認して判断して……」


 由衣は悪いことをしていると感じつつも、この幸福を噛みしめることにした。

 願わくば……もう少し……。

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