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俺はJKの子持ちだったのか!  作者: シマアザラシ
第4章『オトノカガヤクミライへ』
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始まりの朝(1)


 学校の校門前にて――


 さて、いきなりですが問題です。今の時間は何時でしょうか……? ヒントはまだ空は暗く、新聞配達の兄ちゃんたちとすれ違ったということだ。


 小鳥がさえずる優雅な朝だ。気温も丁度良く空気も新鮮気がする……くそったれ。


「…………」


 ……まあ、現在の時刻朝の5時なんだけど……。


「…………久しぶりに始発で会社に来てしまった」


 おかしい……日に日に出勤時間が早くなっている気がする。

 ここに勤務した当初は早くても8時ぐらいだったのに……。何で今は新聞配達の兄ちゃんたちと同レベルになってるんだよ……。


「いや……今日は『体育祭当日』でいろいろ準備があるから仕方ないんだけどな。だけど何だろう……頭では仕方ないと考えているんだが……心の奥底では働くことを拒否している……」


 そんなことをぶつぶつと校門の前で呟いている怪しいおっさん、それが俺だ。

 ……あまりやるとまたフレアさんが法に触れるかもしれないからやめておくか。


 と、そんなことを考えていると――。


「あ、店長、おはようございます……ふふっ、相変わらず眠そうですね。大丈夫ですか? そうだ、事務所に行ったら紅茶いれますよ。ふふっ、いい紅茶を麻依さんに貰ったんです」


 後ろから清々しいほどに明るい声で話しかけられる。振り向くとそこには長い金髪を右にまとめたサイドテールの由衣がいた。


 ……美人で爽やかで嫌味っぽくもなく、それでいて気遣いができて、なんだかんだ言って優しい。

 うむ……由衣はスペック高いよな……風俗に莫大な金を使ってき俺にはわかる。


 そんな美人と朝からお喋りできるなんて俺は幸せ者だ……と、昔なら思っていただろうが……ふっ、俺も歳を取ったものだ。今すぐ帰って寝たい。


「ふぁあああ、お前は元気だな……」


「ふふふっ、昨日は絆と一緒の時間に寝ましたから。店長大きな欠伸ですね」


「ああ……」


 こいつ今日は機嫌がいいな……いつもなら『はぁ、店長……店長はここでは一番偉いんですから、シャッキリしてください。本当にだらしがないんだから』と、ゴミを見る目で言ってくるはずなんだが……。


 あれはあれで俺の中に眠るドM心を刺激するから……我らの業界ではご褒美です……。まあ、俺はドMではないと思うんだが……。


「……ん? 店長どうかしましたか……マジマジと私の顔を見て……」


「お前は朝から元気だな……なんかいいことあったのか……?」


「えっ……ふふっ、そう見えますか?」


「ああ、写真指名で大当たりした俺みたいなテンションだ?」


「ふふふふっ、ぶっ飛ばしますよ?」


 うん。笑顔は素晴らしい。人間の基本だからな。だけど、その発意の波動に目覚めた笑顔はやめような……いや、俺が悪いんだけど。由衣に風俗ネタはNGって決めてなかったか? 俺……。


「もうっ、店長はそんな調子だからエッチマンとか呼ばれて――あれ?」


 その時、俺のことを言い負かそうとしていた由衣の言葉が止まる。

 おい、そこで会話を止めるなや。エッチマンってどういうことだよ。えっ……? お、俺ってJKからそんな不名誉な名で呼ばれてるのか……?


「ごきげんよう。貴方たち朝から元気ね」


 俺が思考の迷路の入り口にいると、凛とした声が聞こえると、そこには優雅な笑みを浮かべている如月がいた。

 最近の女子は朝5時にも女子力を維持できるのか……? すげぇな……。そういえば風俗に早朝割引を利用した時もお姉さんたちはテンション高いしな……。


 というか……由衣と如月か……。こいつら仲いいのか……? 個人的なイメージだが、あまり合わなそうな気がするけど……。


(真面目な由衣と、実は真面目とは真逆を生きる如月……混ぜるな危険じゃね?)


 とか思っていたが……2人は親し気に話始める。


「おはよう、如月さん。早いのね……」


「ええ、用がありまして。そちらはお仕事なのね……? 朝早くから大変ね」


「馴れればそうでもないわ。そうだ、こないだ店長の誕生日会で絆がお世話になったみたいね。ふふっ、絆ったら如月さんの話をしてたわよ」


「そう……絆に伝えて、いつでも家に遊びにいっらしゃいな……って」


 如月はぶっきらぼうにそう言う。こいつともいい加減付き合いが長くなってきたからわかるが……これは照れてるな。こいつ意外と乙女で、恥ずかしがり屋だ。


 いつもどっしりと大物感を出してるからわかりづらいけどな。

 ……それも内心を知ってしまえば可愛いものだ。


「…………貴方、何をニヤニヤしてるのよ」


「別に~~さっ、由衣とっと事務所に行って準備をするか。如月、俺たち屋台をやるから遊びに来いよな」


「あっ……店長、待ってくださいよ」


「ええ、楽しみにしてるわ。貴方が用意する料理は美味なのでしょうね」


 そんな何気ない朝の一幕から1日が始まった。体育祭というとても長い1日が……。

 所詮は仕事……社畜心を持つ俺はそうは思うが……何となく、忘れられない1日なりそうな予感がしていた。

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