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俺はJKの子持ちだったのか!  作者: シマアザラシ
第3章『ミライヘノネガイ』
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いつもの日常(7)

 夕方の16時過ぎ――。


 由衣のご機嫌取りという有意義な仕事? を達成した後、俺たちは遅めの昼休憩をして、営業の片づけを始めた。


 ちなみに今日は三沢が気合を入れて賄い飯を作ってくれて、やたら手の込んだ中華定食を頂いた。


 チンジャオやよだれどり、中華まん……よくもまあ、余り食材であそこまで作ったな……さらには人参で作った野菜細工の龍とかも飾ってあったし……。


 はぁ、スチコンのことは気にしなくていいっていうのに……俺や新井とかもよく使うんだし。


 そして、そんな一幕があった後に俺は……クライアントがいる教頭室に訪れていた――。


 そう、学校のドンと言われてる教頭に呼び出されたのだ……正直詰んだと思った。まさか教頭が出てくると思わなかった……。


 スチコンは学校の備品っていう扱いだから、修理費は学校側が持つことになる。そして、あのスチームコンベクションという機械は安くない。むしろめっちゃ高い、具体的に言うと……悲しいがな俺の年収よりも高い。


 当然……そのことについて深く聞かれると思っていたが――。


「それでは失礼します――」


 教頭室を出て、扉を閉める。その心は狐につままれたような感じで……どうにも釈然としない。それもこれも……。


「…………スチコンの件殆ど聞かれなかったな…………」


   ◇◇◇


 20分前、教頭室にて――。

 20畳ぐらいの学校とは思えない程に高級感があふれる部屋のソファーに座る香水の香りがデンジャラスなご婦人。

 教師か疑いたくなるような……金持ちのマダム感がある。


 俺はそんばラスボスを前に借りてきた猫のようだった……だって、俺の年収並みの機械壊したんだもん……い、いや、まだ、修理業者に見てもらってないから、うちの所為かどうかはわからないんだけど……て、定年劣化とか……配線ショートとか……。


 しかし、そんな俺の心配をよそに教頭は友好的な笑みを浮かべながら――。


「あの機械は不具合を起こしやすいと聞いておりますので、問題ありません。今日中に修理依頼書を出してください。それからすぐに業者を呼びます……それよりも………」


「はい………な、何でしょうか………?」


「生名さんから頂いた、体育祭屋台の企画書を拝見しましたが……素晴らしかったです」


「えっ……はい?」


「やはり遊び心というものはいつまでも忘れてはならないものです。川島さんの前任者の方はその辺りが未熟でした。ふふっ、当日は生徒のご家族の小さいお子様も来ますから、喜ばれることでしょう」


   ◇◇◇


 とのことだ……。

 なんか……俺が作った適当な企画書がよほど教頭の心に刺さったらい……30分間、スチコンちゃんをほったらかしで、ずっと屋台の話をしていた……。


 どんだけお祭り好きなんだよ……ひょっとして、のちに控えている学園祭は、去年よりもはっちゃけてけていいのか……?


「…………」


 いや……今更か。冷静に考えれば去年の文化祭で、『新井の件』で十分すぎるほどお祭り騒ぎして、お咎めなしだったな……。


「まあ、いいか……ノリのいい教頭のおかげで自由にできるし……」


 俺はそんなことを考えながら、教頭室のある1階廊下の窓から外の景色を眺める。


 ここから200メートルほど離れた校庭では女生徒たちがテニスをしていた。


 へぇ……またお洒落なスポーツやってるな……。俺35年生きてるけどテニスラケット持ったことすらないぞ……。


「…………」


 普段は仕事場である食堂がある別館から出ないので、ここ本館には来ないからな……こうやって授業の風景を見るのはめったにないことだ。


(うむ……決していやらしい意味ではないが……運動する女学生っていうのはいいものだ……うむ、決していやらしい意味ではなくて……)


『あれ……? パパ……違う。くすっ、あははっ、てんちぉーお』


 その時、いつも家で聞いてる悪戯っぽい笑い声が聞こえてきた。

 嫌な予感を持ちつつも……声の方を見ると……窓を挟んで5メートルほどの場所に体操着姿の実花が「こいつ、運動してるJKを見てやがったウケルwww」みたいな表情が見てる。


 し、しまった!! 何でこんな面倒な奴の気配に気が付かなかった!


「くすっ、嫌だなぁ。ぱぴぃ、『こいつにだけは会っちゃいけなかった!』みたいな顔しないでよ!」


「よくわかってるじゃねぇか。今すぐどっかいけ。しっしっ」


「ふっふっふ、そんなこと言っていいのかなぁ~~私がその気になれば家を体操服姿の女子で埋め尽くすのも可能なんだよ?」


「……ま、マジか? い、いや、俺はまったく、こなみじんに興味などないんだけどな」

 

「本音は……?」


「お喋りとかしていいのか? 要望を言えば制服と体操服の半々で頼む。大丈夫だ。安心しろ何もするつもりはない。俺はただ家をユートピアにしたいだけだ」


「さすが、パパ……欲望が半端ないなぁ。実花ちゃんショック……」


 おい、テメェが言わせたんだろが……はぁ。


「…………帰って仕事しよう」


 ただ娘に会っただけで、心のHPをごっそり削られた気がした……。

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