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俺はJKの子持ちだったのか!  作者: シマアザラシ
第3章『ミライヘノネガイ』
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いつもの日常(2)

 早朝からJKとお話ししてしまった後――。

 ……別に悪いことをしたわけではないんだが……この謎の罪悪感は何だろうか……? 

 まあ、でも今はそれよりも……。


「…………」


 それから事務所でパソコンとにらめっこをして、お仕事をしている。


 カタカタ……。

 カタカタ……。

 カタカタ……。


 誰もいない事務所でひたすらデータを打ち込む。うむ……学食の店長になった今でも社畜時代と変わってないな……。


 前も思ったことがあるけど……店長業務って経理時代の業務と同じようなところあるよな。原価計算とか人件費計算とか……。


 まあ、あの時と比べてだいぶ人間らしい仕事をしているとは思うけど。主に勤務時間的な意味で……。


「………はぁ、飽きた……」


 朝のほんの少しだけ出たやる気は何処へやら……。

 開始30分でもう心が折れそうだ……早朝に1人で事務作業は精神的にくる……早く愛する従業員たちは来ないだろうか。


 あと20分もすれば三沢が来るだろう。構ってもらおう……。


『ピピピピピピピピ――』


 その時、俺のスマホが着信を知らせる。


(なんだ? 本社からの電話か……? また仕事なのか? 俺に仕事を押し付ける気なのか! ……って、被害妄想にふけっても仕方ないか……)


 そんなことを考えながら、ポケットからスマホを取り出す――。


「…………………あはは」


 新しいスマホを取り出すと思わず笑みがこぼれる。

 ……中年の親父がスマホを見てニヤニヤしているのだから、気持ち悪いと言われても何も言い返せないが……この件に関しては周りに何を言われてもいい、という気分だ。


 おっと……早く出ねぇとな。

 ん……? 葵ちゃん……? 今朝6時半だけど……どうしたんだろう?


「はいはい、どうした?」


 俺が電話に出ると――。


『せんぱーい、ふふふっ、あーそーびーまーしょう』


 俺は問答無用で電話を切った。

 な、なんだ今の地獄の底から湧き出てきたような笑い声は。あいつの精神状態はどうなって――。


『ピピピピピピピピピピ――』


 また鳴り始める俺のスマホ。そして、再び電話に出てあげる優しい優しい俺。

 さ、さすがにさっきの声を聞いた後に無視はできない……。


『せんぱい……何で電話切るんですか……?』


 今度はなんか拗ねたような声。


「いや……早朝にあんな電話がかかってきたらとりあえず切るだろ。着拒しなかっただけ感謝しろ」


『なんですかー、ぶーぶー! 可愛い後輩が電話をかけてあげたんですよー』


「テンション高いな……今から仕事か? 休み明けだと仕事するのつらいよなぁ」


『ふふふふふふふっふ、休み? 休みってなんですかぁ? じーだぶりゅー? 言葉がわからないですね。ふふふっふっ、今までお仕事だったんです。さらには今からもお仕事です。今は女のプライドを守るためにシャワーを浴びにお家に帰ってる最中です。ふふふふふふふふ』


「…………」


 やべえ、聞いちゃいけないことを聞いた。

 我が古巣ながら、相変わらずやべぇ…………。


『はぁ……せんぱーい、せんぱーい』


 今度は一気にテンションが下がる葵ちゃん。甘えるような「聞いて聞いてお兄ちゃーん」みたいな感じだ。


 俺も経験があるが……働きすぎるとテンションの浮き沈みが激しくなり、人にめっちゃ絡みたくなる。

 ……う、うーん、このまま葵ちゃんに構ってあげたいんだが……俺も仕事あるしな。


『……ああ、先輩、大丈夫です♪』


 俺の心配を察知したのか葵ちゃんは明るいテンション戻る。


『私は働く全て者の味方です。先輩のお仕事の邪魔はしません』


 お前は現代の神にでもなったつもりか?


『要件は1つです。せんぱーい、今週末飲みにいきましょうよーーーゆめゆめとか誘って』


「あー、今週末は体育祭なんだよ」


『ん……? 体育祭? あっ……もしかして、休日にお仕事ですか?』


 何でちょっと嬉しそうなんだよ。社畜仲間を求めるんじゃねぇよ……。

 俺はそんな哀れな、現役社畜に体育祭の件を簡単に説明した。


『へぇ、先輩がリレーにでるんですかぁ……それは面白そうです!!』


「当事者を前に面白がってるんじゃねぇよ……」


『いいじゃないですか、それじゃあ、私朝7時ぐらいに先輩の家に行きますね』


「はっ? お、お前も来るの?」


『はい、私とゆめゆめの2人分の席を用意してください。そんな面白そうなイベント参加しない手はないですよ。先輩のどんな無様な姿が見られるか今から楽しみです♪ おっと、そろそろ電話切りますね。それではお疲れ様でーす』


「おい、待てって――」


『プープープー』


 電話から聞こえる哀愁を含んだ電子音。

 あいつ言いたいことだけ言って、電話切りやがった。はぁ、どんだけ楽しみを求めてるんだよ……。

 ……そういう息抜きの仕方を教えたのは俺だけど……。


「まあ、葵ちゃんと明菜が来るのは問題ないか……」


 2人共、実花未来の友達みたいなもんだし。

 後で娘たちに言っておくか……。

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