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俺はJKの子持ちだったのか!  作者: シマアザラシ
第3章『ミライヘノネガイ』
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プレゼント!!!(6)

 さて――。

 感動とは人の心を大らかにするものだ。今の俺は菩薩観音よりも慈愛に満ち溢れている。


 人に優しく。うむ、そんな人としての基本が、娘たちや絆ちゃん、由衣、明菜、如月の心遣いにより、俺の心の中で溢れかえっている気がする……今の俺はどんな無茶ぶりも笑顔で耐えられる――気がしたんだ。


「お兄ちゃん! 最後は拙者でござる!! ニンニン! さあ、出てきて! ガンダルシアちゃん!!!」


「…………」


 外から仲良くお喋りしながら、帰ってきた如月とアヤメと絆ちゃん……その中でアヤメは目を輝かせてプレゼントを差し出してきた。


 い、いや、可愛い妹からのプレゼントだ。むせび泣いて喜ぶことはあっても、絶望することないはずなのだが……。


 我が家に鎮座している2メートル級のデブウサギのぬいぐるみの所為で軽く4回は絶望している。


 た、ただでさえ人口密度が高いのに……こいつ場所取り過ぎだろ。


「わああ、あやめちゃんこのおっきいうさぎさん、どうしたの!?」


「ふっふっふっ、ウサギのガンダルシアちゃんでござる。もふもふだよ?」


(……い、いや、もふもふで触り心地よさそうだけど……。明らかに邪魔……というか、家ワンルームで3人住んでるのにこれ以上は無理だぞ……)


 そんな想いで、俺は娘たちを見ると……。


「パパ! 新しい家族ができてよかったね!」


 はぁ?


「お父さん、ガンダルシアさんの場所を作りましょう。とりあえず、お父さんのAVがたくさん入ってる押入れをあけましょう」


 はぁ?


「ま、待て待て、何でお前らは受け入れてるんだよ」


「えっ? だって新しい家族だよ? ペットみたいで可愛いじゃん」


「お父さん、認知してあげないのは可哀そうだよ?」


「…………」


 あ、あれぇ……俺がおかしいのかな……?

 常識ないのって俺か?


 そんな気持ちで他のギャラリーを見る。まずは明菜……。


「あ、あはは……す、素敵なプレゼントですね……あはは……」


 苦笑いマックス。

 うむ。明菜とはいい酒が飲めそうだ……。


 そして如月は……。


「なるほど。今の若い子はこのようなプレゼントで殿方の気持ちを掴むのね。確かに印象には残るわ。くすっ、来年の参考になりそうね」


 ……待て。お前がこのクラスで頑張ると本気でまずい。目がダイヤモンドのぬいぐるみとか渡されそうだ……。

 後でお話し合いをしよう……。


 そして、真面目人間の由衣さんは……。


「店長、同情はします……頑張ってください……」


 おい、肩をぽんぽんするんじゃねぇ。

 ま、まだ家で引き取ると決まったわけじゃない。


 そんな苦しい考えをしながら、次は絆ちゃんを見る。


「わああ、もふもふだぁぁ」


 き、絆ちゃんがデブウサギのぬいぐるみにのまれていく……。やっぱり女の子は大きいぬいぐるみに憧れるものなんだろうか……。


「あーあ、おじちゃん、こんなおおきなうさぎさん、いいなぁーー」


「えっ……それなら、持って帰っても――」


「店長」


 俺がやっかいもの払い……ないし、絆ちゃんにプレゼントをしようとした時、由衣から刺すような視線を向けられる。


 その視線からは「お前、こんなデカいぬいぐるみが家に入るわけねぇだろ」という意思を感じる。いや、家も置く場所ねぇよ……。


「ふふふっ、お兄ちゃん、嬉しい? 嬉しいよね? 美奈ちゃんが教えてくれたんだもん!」


「……えっ?」


 ニコニコしてるアヤメから思わぬ名前が出て思考が停止する。

 

「えっ……美奈……?」


「うん!! 前会った時に――」


   ◇◇◇


『えっ、義孝君が喜ぶもの? へぇ、アヤメちゃん、誕生日プレゼントしたいの? 義孝君に誕生日プレゼント……うん、面白そう! そうだねぇ、私ならもう迷惑なぐらい巨大なぬいぐるみを送って、義孝君の困惑する顔……じゃない。喜ぶ顔を見て楽しむかなぁー!』


   ◇◇◇


「って、言ってたでござる!! 美奈ちゃんの遺言をやっと果たせたよ……」


 少し、感動しているアヤメ。なんなら、目の端に涙が溜まっている。

 い、いや……俺も美奈の話には思うところがあるんだが……まず言わせてくれ。


「…………あいつ!!!! 俺らの可愛い妹に何吹き込んでくれてるの!?!?!?!?」


 くっ、アヤメは俺と美奈のことはすぐに信じるからな……これは美奈が悪い。天国に行って文句を言いたい。


「さすがママ……パパのツボをついてる」


「お母さん、可愛いです」


 お前らなぁ、何で平然としてられるんだよ……。巨大な家族が増えたんだぞ……?


 ……はぁ、でも、仕方ないか……可愛い妹のプレゼントだし、それに美奈から贈り物って感じもするし……。


 明日、押入れをを片付けてスペースを作るか……最悪ソファー代わりに使おう。


「ありがとうな、アヤメ」


「うん!!」


 嬉しい笑顔で答えるアヤメ。それは見ていて気持ちのいい笑顔だ。


(まあ、いいか……気持ちはめっちゃ嬉しいし……はぁ、なんていうか、人生で一番濃い誕生日だな……ガンダルシアを含めて、こんなに誕生日プレゼントを貰ってもいいのだろうか……?)


 そんなことを考えていると――。


「あっ、パパ、お爺ちゃんが誕生日プレゼント郵送するって言ってたよ!」


「…………」


 じ、爺さんのプレゼントだと!? ま、マジっすか!? 

 う、嬉しいんだけど……まずい……今から胃が痛い。さ、さすがに常識内のものを送ってくるよな……? そう信じよう……。


 俺は神に祈り、そうして誕生日の夜は更けていく。

 それは文字通り幸せな時間だった――。

ゴールデンウィーク編終了です!

明日からまた学校です!

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