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俺はJKの子持ちだったのか!  作者: シマアザラシ
第3章『ミライヘノネガイ』
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プレゼント!!!(5)

「それじゃあ、パパ、好きな方から開けてみてよ♪」


「私たちふたりで考えて、お父さんに喜んでもらえるものを選んだつもりです。


「お、おう……」


 俺は元気な実花とクールな未来の声にせかされるように、まずは封筒のプレゼントを手に取る。軽い……紙が1枚か2枚、もしくはカードが1枚、入ってるっぽい。


「…………」


 プレゼントが紙かカード……? どうしよう、嫌な予感がしかしない。如月程じゃないが、娘たちの価値観もぶっ飛んだところがあるからな……。

 この中に一等地の権利書やブラックカードとかが入っててもおかしくない。


 で、でも……学生のバイト代でそんな大それたものは買えないだろう……。

 あとは……。


「こ、これ大丈夫よな……? 法に触れてたりしないよな?」


「もうっ! パパは私たちのことを信用しなさすぎじゃない!?」


 ……当然の警戒じゃね?


「私たちのいつものパパへの愛を見ていたら、もう少し信用してくれてもいいんじゃないかな?」


「いや、いつもの言動を見てるから信用できないんだけど……」


「いやぁ、パパ、そんなに褒めないでよぉ。照れちゃう」


 あ、あれ? 俺今1ミリでも褒めたっけ……? 何でこいつはもじもじしてるんだろうか……。


「お父さん、安心してください。法には触れてません。きっと、そのプレゼントを見たらお父さんは――「マジで!! お前らは最高の娘たちだ!!」……っと、歓喜に震えるでしょう……」


「…………」


 おい、プレゼントよりも今の俺のものまねの方が気になるんだが……相変わらずの無表情だったが、いつもの5倍はテンション高かったし……。


「…………み、未来ってそういう芸風もあるのね」


「ふふっ、そっくりですぅ。もっと見たいですぅ」


 由衣と明菜も興味深そうだし……あ、でもそれよりも誕生日プレゼントか……。あんまり、戸惑ってると娘たちに悪いし、早く開けるか……。


「…………」


 俺は意を決して丁寧に封筒を開ける。そこからはお札ぐらいの1枚の紙が出てきた。金色で豪華な見た目の紙には『黄龍』と書かれている……。


 その文字を見た瞬間俺の頭に電撃が走った気がした。


「こ、これは、こ、黄龍だと!? ま、まさか……あの有名な」


 俺は慌てて裏面を見る。そこには――。


『ソープランド黄龍、入浴料、指名料、無料券』


「マジで!! お前らは最高の娘たちだ!!」


 俺は叫んだ。ここまで俺の好みを打ち抜いた誕生日プレゼントはそうはないだろう。


 い、いや、娘からプレゼントされる物としてはとても不適切だと理解はしているが……すまん、嬉しいものは嬉しい!!


「ふふっ、パパ喜んでくれた!! やふううう!!」


「お父さんはいつも頑張ってます。それで偶には贅沢してリフレッシュしてください」


 娘たちは俺の反応を見て、機嫌よさそうに2人手を合わせて喜びを分かち合う。


「で、でも、どうやってこれ買ったんだ? お前らじゃ買えねぇだろ……」


「それは問題ないです。アヤメさんにお願いしました。なんでも専門家が身内にいるとかで、あっさり用意してくれました」


 きゃ、キャッチマンか……。嬉しい、俺は嬉しいが……結構な金額がかかるだろうし……あ、あと、世間体的にこのプレゼントはどうなのだろうか……。


 俺はそんな考えが浮かび……ちらっと隣の由衣と明菜の様子を恐る恐る見ると……。


「わ、わ、わ、あああ、そ、ソープランド……」


 顔を真っ赤にさせて、あわわしている可愛い。


「へぇ……ソープ、ソープ。店長よかったですね。素敵なプレゼントを貰って……それで気持ちよくなってくればいいんじゃないですか……?」


 言葉では祝福していて、ぱっと見は笑顔なのに……目は笑ってないし、声には冷たさしかない。


「…………おほん、つ、次のプレゼントを見せてもらってもいいか?」


「はい、お父さん、もちろんです。ふふっ」


 未来は無表情ながらも機嫌よさそうに頷く。どうやら、俺に喜んでもらえたのが相当嬉しいらしい……。


 ま、まあ、このチケットは使うか使わないかは別問題として、貰っておこう。期限はないみたいだしな。使うかどうかは別問題として……。


「さ、さあ、これは何かな……」


 俺はもう1つの包みを手に取る。

 大きさの割にずっしりと重量感がある……これは何だろうか……。機械か……?


 俺はそんなことを考えつつ、包装を開けていくと――。


「えっ……これはスマホ?」


 中からはカッコよく画面の大きい、シルバーのスマホの写真が載っている箱が出てきた。

 箱からして高級感がある。


「えっ……それって……」


 由衣がさっきまでの不機嫌な笑顔を消して、驚きの表情を浮かべる……。えっ? な、何……そんなにすごい物なのこれ?


「こ、これ最新モデルで、中々予約できないって聞いたけど、よく手に入ったね……」


 明菜も驚いた表情をしている。

 えっ……? さ、最新の機械わからないのはおっさんの俺だけか……? な、なんかテレビCMで見たことある気がするけど……。


「ふっふっふ、私って神に愛されてるから。最近、パパのスマホ調子が悪そうだったから、予約できてよかったよ!」


「はい、お父さんのスマホは電池の持ちや、ネットの通信速度も遅かったですから」


「お、お前ら……」


 よ、よく見てるな……確かに不調でそろそろ変えようかと思っていた。俺のスマホ……6年ぐらい使い続けてるし。


「でも、俺がこれ使うよりもお前らが使った方がいいんじゃないか?」


「いいの! 最新のスマホを使ってるパパ、なんかかっこいいし! 自分よりもパパに使ってもらいたいの!」


「同意見です」


「…………」


 本心を言えば、自分たちで稼いだお金なんだから、俺のことよりも自分たちのために使ってほしい。


 このスマホ、最新型なんだ……それにチケットの方も……決して安い物ではないだろう……特に高校生にとっては――。

 何ヶ月も前からバイトをし、コツコツ貯めてきたお金だ。

 そう考えると……娘たちが俺のことをどれだけ思ってくれているのがわかる。


「ありがとう……」


 俺は幸せ者だ……。


 そう、切に思った――。

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