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俺はJKの子持ちだったのか!  作者: シマアザラシ
第3章『ミライヘノネガイ』
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お悩み相談室(4)

「むすぅ……」


「…………」


 いじけてるお姫様を横に歩くこと数分、目的地のバー『ムーン』に辿り着いた。

 周りは相変わらず、ラブホテルが立ち並び、アングラ的な雰囲気がある。さらにそのバーは地下にあり、まだ14時過ぎだというのにバーへと続く階段は薄暗ぐらい。


 ここに入るのはとても勇気いるな……。俺もアヤメの紹介じゃなければ絶対に入らない。

 まあ、経営者が『あの人』なら問題ないが……少なくとも怪しい雰囲気があるから、若い女の子を連れてくる場所じゃない。


 仕方ない。ここは別の機会に1人で来るとして、今日は別の店を探すか……。


「由衣、悪いんだけど、ここはやめとくか。知り合いの店なんだが……怪しすぎる」


 俺は店か視線を外し、由衣の方を見る。

 すると、由衣は真面目な表情でスマホを操作していた。


「ん? 何見てるんだ?」


「このお店の情報です。ネットの評価を見る限り……普通のバーっぽいですね。マスターが面倒見がよくていい店らしいです。それに店長の知り合いのお店なんですよね?」


 ……すぐにネットで調べるとか現代っ子だな。いや、俺らの世代でもやる人はいるか。俺はその辺さっぱりだけど……。


「ここに入りましょうよ。他のお店だと、店長、バーに連れて行ってくれなさそうだし……だめですか?」


 ねだるような視線を送ってくる由衣。

 娘たちの影響か、どうにも女の子のこういう表情には弱い。


 まあ、いいか……。知り合いの店だしな。


 俺はそう考えると、薄暗い階段を下りて店に入る。

 店内は外のアングラ感はなく、落ち着いた雰囲気だ。カウンター内には多くの酒瓶が並んでおり、カウンターが10席、テーブル席が3つある、

 まだ開店してないのか、店内には誰もいない。


「へぇ、お洒落で、いい雰囲気のバーですね」


 由衣はさっきまでの不機嫌さが嘘のように楽しげに店内を見渡す。

 はぁ、どうやらお姫様のご機嫌は取れたようだ……。


『あっ、すんません、店は6時からで――』


 その時、店の奥から、白髪をワックスでオールバックにした初老の男が出てきた。懐かしい顔だ………。

 顔を合わせるのは17年振り近い……。


「えっ? て、店長……?」


 由衣が申し訳なさそうなマスターを見て、不安そうな口にする。知り合いの店って説明したからな。

 だが、俺はちょっと感動してしまう……。


「はっ、あんたも老けたな」


「はっ? お前はいったい……」


 17年とういう歳月の所為か俺のことを気が付いておらず、失礼な口調の俺をいぶかし気に見てくる。

 その迷惑そうな視線は17年前のままだ。

 

「久しぶりだな……『キャッチマン』」


「……キャッチマンじゃと……お、お前、まさかあんときの子増か! あははは、」


 キャッチマンの顔から警戒心が消えて、笑顔になる。最後に俺の家の前で別れた以来の再会だからな……数年経って、俺が大学生の時にふと思い出してキャッチマンの店に行ったが……既に退職してたかし……。


「ああ、アヤメと再会したと思ったら、今度はあんたとはな……」


「あはははっ、今日はおめぇーはまたとんでもねぇ美女を連れてやがるな。彼女か?」


「か、彼女……」


「違う……。あんまギャグが通じねぇんだから」


「あはは、それは悪かったのぅ!!」


「むぅ……確かに彼女ではないですが……」


 不機嫌そうにそっぽを向く由衣。

 ……簡単に否定されるのもプライドに触るのか? めんどくせえ……。


「はぁ、見当違いなこと考えてそうですね……」


「えっ?」


「なんでもないです」


 ど、どういうことなんだろうか……。勘違いしても……はぁ、そんな歳でもねぇか。


「マスターさん、営業時間って18時からですよね? また時間になったら――」


「かまわんかまわん、お前らなら、営業したる」


「えっ? で、でも……」


「いいのか?」


「ああ! アヤメからお前が来たら世話してやれって言われてるしな!」


 キャッチマンはニカッと笑う。

 その笑顔を見ていると17年前の思い出が脳裏に思い浮かんできた。

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