↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺はJKの子持ちだったのか!  作者: シマアザラシ
第3章『ミライヘノネガイ』
184/497

運動不足を呪って(2)

 10時過ぎーー。


 あれから1時間ほど軽く? 走った俺たちはスポーツセンターの前に戻ってきていた。


 軽く? 汗を流した由衣たちは清々しそうに木陰で涼んでいる。


 しかし歳の差というものは時に残酷だ。こいつらが清々しい気分でも俺は当然ーー。


「ぜえぜえ……! くそっ! はぁはぁ、世の中腐ってやがる。こんな暗黒世界に誰がした! はぁはぁ、俺は休日という人類の神時間に何をやってるんだ。これじゃ……はぁはぁ、はっ! まさかお前ら全員社畜か!?」


「て、店長、い、いつも以上に錯乱してますね」


 いつも以上ってなんだ。俺はいつも冷静で全てを見渡す男だ。


「おい! 音無失礼なこと言うんじゃねぇ! 兄貴は錯乱してるんじゃねぇ! ちょ、ちょっと現実を見てねぇだけだ!」


 いや、お前も充分失礼だからな。


「おじちゃん! まんまをいじめちゃだめだよ!! むううううう!!」


 いや、お前はなんか和む。


「……クソっ、俺の味方は誰もいねけじゃねか。あーあ、また世界は俺に牙をむくのか。誰も味方なんていない。この世は腐ってやがる!」


『味方なら私たちがいるよ!!!!』


 俺がこの世の理不尽に絶望していると、その時背後からそんなひとりぼっちな俺を救う神の声が――。

 振り向くとそこには――。


「わあああ、みかちゃんとみきちゃんだああ!」


「きずなん、ハロー! パパ! 私たちが来たからにもう安心だよ! もうゴーイングメリーゴーに乗った気持ちでいてよ!」


「ふぅ……あまり汗をかくのは好きではないんですが、お父さんのためです。私も本気を出す時がやって来たようです」


「今すぐ帰れ」


 せっかく来てくれた娘たちに酷い言い草だとは思うが、こいつらがそんな自信満々の顔をしてるとろくなことがない。未来は無表情だけど。


「えええええ!? パパ酷いよ!! 私たちはパパを甘やかしに来たんだよ!」


 ……嫌な予感しかしねぇ。


「そうです。お父さんは、無理して運動する必要なんてありません。病気や怪我をしても無理やり治して見せます……お金の力で」


「さすがは未来の姉御! 半端ねぇ!」


 お前は本当に俺、というか……家族が絡むとすぐ金を使おうとするよな……いつもは倹約が得意な子なのに……。


「みきちゃん! みきちゃん! きいてきいて! さっきおじちゃんに肩車してもらったの!」


「それはよかったですね。お父さんは優しいですから」


「うん! それでそれでね」


 未来はしゃがみ込んで絆ちゃんと話し込む。未来って結構、絆ちゃんに懐かれてるんだよなぁ……未来も満更でもなさそうだし。うむ、いいことだ。


「テンチョーせっかく応援に来てくれたんだから、邪険に扱うもんじゃねぇって」


「それもそうだな……」


「パパ、水分補給する?」


「あっ、ナイス。丁度、喉が渇いてたんだ」


「はい。口開けてちゅーするから、私の唾液で水分補給」


「やっぱり帰れ!!」


 何で疲れ果ててるのに、こんなに全力でツッこまなきゃいけないんだよ!

 あーあ、由衣の瞳から光が消えていく……さっきまであんなに心配そうにしてくれたのに……。


「あいかわらず仲がいいですねぇー。すばらしい家族愛だとおもいます……」


「もっと感情を込めて話せや……」


「このゴミ」


「はっきり言えばいいってことじゃねぇよ!!」


「音無! 兄貴になんてこと言うんだ!」


 たく、絆ちゃんが未来と話し込んで聞いてないからって、暴言吐きやがって……。


「ふんっ、さっ、続きをしましょう。あと30キロぐらい走りましょう」


 か、勘弁してくれ……バレンタインの後に実花未来のダイエットに付き合わされて、人間の限界まで走ったことがあるけど、人間走ればいいってもんじゃない……マジで足腰ヘのダメージが半端ない……。


「いや、実花と未来も来たことだし、なんかスポーツでもしようぜ。センターにいろいろ設備があるらしい。勝負ごとの方が店長も燃えるだろ?」


「ああ、それはいいアイディアだな。闘争心は人の感覚を惑わせて……気が付いたら会社の傀儡になってるからな……」


「兄貴、深いっすね……勉強になるっす」


 何も深くねぇよ……ただのこの世の真理だ!

 まあ、何をやるにせよ、ただ走るよりもいいだろう……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。